この研究センターは、従来の文学研究では個々の研究者の独立性が強かったため、既存の学問領域を越えて拡大を続ける文学・文化研究の状況に対応しきれなくなっているという認識のもとに、研究者相互のコミュニケーションをはかるとともに、共同研究課題を設定して研究を遂行することにより、新たな文学研究創造の可能性を追求するための組織である。現在はフランス文学、ドイツ文学、イギリス文学、日本文学、中国文学の各専門家を構成員としているが、今後研究の展開にしたがって、他分野の専門家を構成員あるいは協力者として受け入れる予定である。
「越境の詩学」は、西欧文学、日本文学、中国文学といった文学研究の領域的枠を越える研究をさすばかりではなく、絵画や音楽、演劇、コミックなど、多種多様な文化テクストをその研究対象とするとともに、歴史学、社会学、心理学など、他の学問分野との学際的な研究を指向する領域横断的な学問として捉えられている。
ヨーロッパ文学研究会: 西欧文学の各専攻分野による合同の研究会。
平成12年度 東北大学文学研究科「人の移動研究プロジェクト」: フランス文学、ドイツ文学、イギリス文学の研究者に、ヨーロッパ史研究者が加わって、拡大された概念としての「ディアスポラ」を多角的に研究。
平成16年度 みやぎ県民大学 「触れてみませんか 文学の魅力」開講(国文学、中国文学、フランス文学、英文学、ドイツ文学の教員による) 全5回 参加者約80名
平成17年度より3年計画 「東北大学若手研究者萌芽研究プログラム」による「ポストコロニアリズムのテクストにおけるアイデンティティ表象の比較文化史的研究」
「越境と拡散の詩学構築のための基礎的研究」(平成18年度科研費申請研究課題)