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岩田美喜准教授

英文学 岩田美喜准教授(Iwata Miki)

1973年、北海道出身。東北大学文学部英文学科卒業、文学研究科博士課程修了。2001年、博士(文学)取得。日本学術振興会特別研究員、 東北大学講師を経て、2006年現職に。イギリス文学、アイルランド文学を専攻とし、18世紀演劇の非標準英語使用を通じた他者表象の研究、 近代英語演劇におけるステージ・アイリッシュマンの表象の政治・文化史的研究などを研究課題としている。
単著『ライオンとハムレット』(2002年)、編著『ポストコロニアル思想の諸相』(2008年)、共著『イギリス文化入門』(2010年)などがある。

アイルランド、ダブリン市、アビー座

 2012年7月27日、ロンドンオリンピックが開幕します。ロンドンでは1908年、1948年に続く3回目ですが、 1908年にはまだ日本はオリンピック参加国となっておらず(初出場は1912年のストックホルム大会から)、 1948年は敗戦国として出場が認められず、日本代表がロンドンで競技するのは今回が初めてのことになります。 日本からも大勢の人がロンドンへ、イギリスへと出かけることでしょう。

 この機会を利用して、イギリス(イングランド)の西隣、アイリッシュ海を隔てたアイルランドにまで視線を向けてみましょう。
日本では、『ガリヴァー旅行記』のジョナサン・スウィフト(1667|1745)、 『ドリアングレイの肖像』のオスカー・ワイルド(1854|1900)、『ピグマリオン』のバーナード・ショー(1856|1950)、 『ケルトの薄明』のウィリアム・バトラー・イェイツ(1865|1939)、『ダブリン市民』や『ユリシーズ』のジェイムズ・ジョイス (1882|1941)などの文学者が思い出されるのではないでしょうか。
フランスに移住して『ゴドーを待ちながら』を書いたサミュエル・ベケット(1906|1989)なども、その一人です。 イェイツ、ショー、ベケットは、1923年、25年、69年に、ノーベル文学賞を受賞しています。

 このアイルランドという国。
英語表記は‘Ireland’ですが、アイルランド語表記では国名が‘Eire’、標語が‘Eire godeo’(アイルランドよ、永遠に)」となっています。

 紀元前265年頃からケルト人が渡来し、つくりあげた国であり、元来はゲール語(ケルト語)を母語とし、 9〜12世紀にはゲール語による文学が発達しました。

 しかし12世紀後半にノルマン人の侵攻が始まり、1171年に英国王ヘンリーUの支配下に入り、 1541年には英国王ヘンリー[がアイルランド王を自称すると共に英国からの入植者が増加。 1652年にはクロムウェルが植民地化を実行し、1801年にイギリスによる併合となりました。

 イギリスからの独立が進み始めるのは、20世紀に入ってからのことでした。1922年に南部26州が分離してアイルランド自由国を結成。 1937年に新憲法を施行して国名をEireと改称して、イギリス連邦中の独立した一員となります。そして1949年にはイギリス連邦を脱退し、 アイルランド共和国となったのです。

 首都ダブリンまではロンドンから約1時間半のフライトで、パスポートチェックもなく入国できます。 ダブリンは2010年にユネスコによって「文芸都市」に指定された、文学の薫り高い街であり、 徒歩圏内にゲイエティ座、アビー座、ゲイト座といった歴史ある劇場がひしめいています。

 岩田美喜准教授は、アイルランド英語文学のなかでも特に演劇に着目。長きにわたってイギリスの植民地であったという状況の中、 アイルランド人劇作家たちが、いわば同化政策によって押しつけられたことばである英語を舞台のうえでどのように語り継いできたのかを研究してきました。

※詳細は東北大学大学院文学研究科・文学部ブックレット「考えるということ」Vol.7の『文学部の研究紹介』をご参照ください