インド学とは?
「インド学」は、古代・中世インドの文献研究を中心とする学問分野です。仏教学は、インド学の中の主たる分野の一つです。
文献の古いものは紀元前13世紀ころに遡り、紀元後14世紀ころまでの文献を主に扱います。サンスクリット、パーリ語、チベット語で伝承された文献を基本資料としています。
「サンスクリット」は、現代のヒンディー語の元になった言語です。アーリヤ人の宗教文献群「ヴェーダ」や、インドの国民文学とも言える二大叙事詩『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』、伝統文法学文献、法典類、哲学文献、医学や数学などの科学文献、戯曲、抒情詩など、多様な分野の文献がサンスクリットで伝えられています。大乗仏教の諸文献も、多くはサンスクリットで編纂されました。
パーリ語とチベット語は、仏教が伝播したスリランカとチベットとのそれぞれの伝承に用いられています。パーリ語の仏典には仏教の最初期の要素が多く含まれていると考えられます。また、チベット語で伝えられる文献は、チベットで大きく花開いたチベット仏教の展開を私たちに教えてくれます。
インド学が古代・中世を主たる対象とする一方、近代・現代インドの諸研究は歴史学や考古学、社会学、文化人類学、宗教学などに委ねられてきました。しかし近年、インド学の成果を援用する現代インド研究も盛んになりつつあります。諸分野との連携が進めば、更に解明される諸問題も飛躍的に増加することが期待されます。


