インタビュー: 高橋かつ子

2010年卒 学士

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東北大学日本語教育学研究室を卒業・修了してから、これまでの経歴を教えてください。

入学以前に関わっていた大学の非常勤講師としての仕事と、所属団体の運営する地域日本語教室やボランティア活動に戻り活動を続けています。

現在のお仕事の内容について教えてください。

大学では、非常勤講師として留学生クラスを週に1〜3コマ、初級から中上級のクラスを担当しています。 ヨーロッパをはじめとする世界各国からの学生と楽しく勉強しています。 地域日本語教室では、日本人配偶者、就労、技能実習生に向けての夜間初級クラスや漢字クラスを担当しています。 昨年までは、コーディネータも兼任していました。 他に毎週土曜日に「日本語サロン」(1対1の学習支援と全体交流)のボランティアスタッフとしても活動を継続しています。 外国籍児童の日本語支援にも関わっています。

東北大学日本語教育学研究室で学んだことは、現在のお仕事で生かされていると思いますか?具体的にどんな時にそう感じますか?

入学前にすでに大学や地域日本語教室などで日本語を教えていましたが、学術的な基本的知識や知見が不足していると感じ、大学院で学び直したいという気持ちがずっとありました。 そしてついに大学院に入学したのは、54歳の時で、丁度自分の上の子への仕送りが終了し、経済的に余裕が出たというタイミングでした。 年齢的に最後のチャンスかもしれないと思っての決死の挑戦でしたが、いざ入学してみると、もっと高齢の方もいらして珍しい存在でもなく、先生方も周りの方も普通に接してくださいました。 おかげ様で、若い人に囲まれ日々わくわくしながら、勉強する楽しさを味わうことができました。 教える立場から、学生の立場に戻ることは、気づきと喜びの連続でした。 学生の気持ちも実感でき、教える側に戻った時、細かい点に以前より配慮するようになったと思います。 修士の研究テーマは地域における日本語支援者の育成についてでしたので、卒業後、ボランティアや講師の養成講座を担当することになり大いに役立っております。特に論文の読み方や書き方、日本語教育の基本的知識などは、本当に勉強して良かったと思っています。

今のお仕事の魅力を教えてください。

大学でアカデミックな形で学生に教えることもしていますが、地域で就労者、日本人配偶者、技能実習生など様々な方々と一緒に勉強することが多くなってきています。 在住外国人にとって、日本語はまさにライフラインそのものですから、学ぶ姿勢は真剣そのもので、対峙する私達も常に試されているように感じます。 しかし、彼らの上達が手に取るように実感できる場でもあり、しかも日本語が上達するにつれて彼らの世界が広がり、表情も明るくなっていくのを見ることができます。 自分の活動が人の役に立っていると実感できます。大学で留学生に教えるのも楽しいですが、地域でのつながりはより深い人間関係が築かれ、人生を豊かにしてくれると思います。 全ての人にとって住みやすい社会づくりという課題とも向き合う日々ですが、やりがいがあります。

日本語教育学研究室の在籍生にメッセージをお願いします。

学びたいと思った時が、学び時。 遅すぎることはありません。 年齢を理由に躊躇している方は、まずは飛び込んでみたらいかがでしょうか。 外国の方への日本語支援は、いろいろな形でかなり高齢になっても可能な分野ですし、やりがいもあります。 東北大学大学院では理論だけでなく、実習や海外でのインターンシップなど多くの実践研究の場も与えられ、本当に勉強になりました。 学んだこと全てがその後の活動の礎となっています。みなさんも、ぜひ、挑戦してみてください。

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