倫理学について|学部での活動|東北大学 大学院文学研究科/文学部 哲学・倫理学研究室

倫理学について

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学部紹介 (倫理学)

倫理学専修では、ドイツとフランスの倫理思想を中心としてヨーロッパの諸思想を体系的ならびに歴史的に研究しています。とくに人間における生と死、自然と自由、自己と他者、文化と価値といった基本問題をはじめ、現代の文明と社会が引き起こす環境や生命の問題にもとりくみながら、人間とは何か、人間はいかに生きるべきか、という初心の問いのもとに、人間存在の根本的な本質と全体的な構造を追究しています。そのかぎり、すぐれた意味において<人間の学>であるといえるでしょう。
研究を進めるうえで外国語(英語・ドイツ語・フランス語など)の読解能力が必要になります。それはたんに研究手段となるばかりでなく、思考力を鍛え、世界観や人生観を広げてもくれます。
私たちの研究室は哲学専修とともに合同で研究活動や諸行事を行っており、両専修の教員と学生の交流も活発に繰り広げられています。また、豊富に取りそろえられている全集や専門雑誌などの図書資料も自由に活用することができます。

授業形態

倫理学専修における学部生向けの開講科目は「基礎専門科目」と「専門科目」に大別されます。
「基礎専門科目」として倫理思想概論・倫理思想基礎講読が、また「専門科目」として倫理思想各論・倫理思想演習が開講されています。
哲学専修開講の対応科目(哲学思想概論・哲学思想基礎講読、あるいは哲学思想各論・哲学思想演習)と組み合わせて履修することによって、はば広い知識と思考能力を身につけることが期待されています。

入学から卒論まで

倫理学専修では、倫理学に興味はあるけどほとんど何も知らない二年生でも、卒業するときには立派な卒業論文が書けるよう、学年ごとの講義・演習・指導が整備されています(もちろん、倫理学についてすでにいろいろ知っている人でも満足できる内容です)。ここでは、専修に所属してから卒業論文を書くまでの、学習の流れのモデルを紹介します。

■1年次

秋学期に、人文社会序論の枠で、「哲学・倫理学」を開講しています。教員による解説もたまに入りますが、基本的には参加者で哲学・倫理学の問題について議論する演習です。必須ではありませんが、興味のある方はぜひ受講してみてください。

■2年次

卒業論文との関係では、この学年の軸になるのは、倫理思想基礎講読(倫理学研究のレッスン)と倫理学概論(倫理学の基礎)です。
前者は通年の演習です。倫理学の古典や専門書のレジュメ(要約)の作り方に加えて、レポートの書き方、発表の仕方、質問するときのコツなどを、教員の説明も受けつつ実践で学んでいきます。こうした基礎的なスキルは、三年次以降で演習に参加するときだけでなく、卒業論文を書くときにも必ず、大いに役立ちます。
後者は秋学期に開講される概論です。講義題目のとおり、現代倫理学(規範倫理学、メタ倫理学、福利論。さらに、正義論の初歩、人生の意味、などなど)の基本を効率よく学ぶことができます。倫理学の専門書を自力で読むための基礎体力がつくだけでなく、卒論指導を受けるにあたって知っているべきことが学べますので、ぜひ受講してください。
この他にも、概論や演習がいろいろ用意されています。

■3年次

演習に参加して、いよいよ本格的な学習が始まります。ドイツ語やフランス語で古典を読んでいく演習もあれば、テーマに沿ったいくつかのテキストを日本語で読み、あとは全員がレポートを執筆、発表して、議論していく、という演習もあります。各論と併せてさまざまなものに参加し、ときに教員とも相談しながら、興味のある主題・問題を少しずつ絞り込んでいってください。
なお、春学期の最後には、四年生による卒論中間発表会があります。二年次にも参加しますが、来年は自分のこととなるとまた違って見えてくるでしょう。卒論のテーマ設定、中間発表資料の作り方、中間発表の仕方など、大いに参考にしてください。

■4年次

言うまでもなく、卒業論文がこの年度の最終目標です。
春学期の最後に中間発表会があります。中間発表では、タイトル、問題設定、論述の概要、目次、参考文献などをA4で二~四枚程度にまとめたものを発表してもらいます。一人あたり、発表一〇分、一名の特定質問者(大学院生)からの質問が五分、参加者との質疑応答一〇分、教員からの質問とコメントが一〇分の、合計三五分というのが標準的な構成です。
なお、この準備として、六月後半~七月にかけて、全員が、教員と最低でも二回の面談を行ないます。初回でおおよそのテーマと参考文献を決め、二回目には中間発表の草稿をチェックして、いざ発表に臨む、という段取りです。
夏休みには、そこでの質問やコメントを踏まえて、各自で文献を探し、読んで、テーマを深めていってください。秋学期には定期的に教員に相談したり、書いたものを見せたりしてください。いつでも大歓迎です。演習、図書館、研究室、そして教員を好きなだけ使い倒せば、年明けには二万字を超える立派な卒論が出来上がっています。

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