学部生メッセージ(哲学)|研究室案内|東北大学 大学院文学研究科/文学部 哲学・倫理学研究室

学生メッセージ(哲学)

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  • 哲学をする喜びってなんだろう。
  • 哲学(B2) 八木橋 まい
  • 哲学をする喜びってなんだろう。
    哲学を学び始めてまだ一年足らずの私にとっては、偉大な思想に感動する喜びよりも、自分の中に思想があることを発見する喜びのほうが大きいです。
    例えば、遠い昔のギリシア人が用いた比喩が鍵の嵌まるように納得できるとき。反対に、自分が生まれるころに亡くなったばかりの日本人の主張が、何かしっくりこないとき。また、それについての解釈が同輩と一致したとき。自分の中にあったもやもやが、他人の哲学という鏡を通して明瞭な言葉になる瞬間は、とても気持ちいいものです。
    こんなふうに、たった20年しか生きていない自分の中にも、私の思想といえるものが小さいながら結晶していることを感じとれるのが、哲学をする喜びです。

  • 原典に向き合う。
  • 哲学(B4) 佐々木 洋輔
  • 卒論のテーマはカントの主著である『純粋理性批判』です。
    哲学に興味をもつきっかけとなったのもカント(の道徳の入門書)でした。氏の常識を根本から覆す思想に大きな影響を受けた反面、原典の分からなさとのギャップを感じました。なので原典を読めるようになって自分できちんと解釈したいという思いがあります。これまで演習や読書会等をつうじて、三年間でようやく少し読めたかなという感じなので、これからも継続して取り組んでいきたいと考えています。

  • さまざまな学生・研究者と知り合える
  • 哲学(M2) 田中 灯
  • カントの批判哲学を中心に研究しています。新潟大学人文学部を卒業し、今は東北大学の哲学研究室のメンバーです。
    ふだんはカントの著作を読み、修士論文の構想を錬るのに多くの時間を使っていますが、研究室関連のイベントをお手伝いすることもあります。春は花見、秋は芋煮、冬は追いコンと、さまざまなイベントが一年を通じて催されています。また各地に赴き、学会運営などのお手伝いをすることもあります。修士の学生生活の醍醐味は、こうしたイベントを通じて、学内・学外を問わずさまざまな学生・研究者と知り合えることだと思います。

  • バランスの取れた素晴らしい環境
  • 哲学(M1) 山西 均
  • 2018年4月にこの研究室に入るまでは、35年間金融機関に勤務していました。
    哲学に初めて興味を持ったのは高校生の頃でしたが、大学は法学部に進み、その後も哲学とは縁遠い仕事を続けてきました。その間も不思議と哲学に対する興味は消えることなく、自分なりに勉強を続けてきました。ビジネスパーソンとしてのキャリアも徐々に終わりが近づく中、学問として哲学を本格的に勉強したいという気持ちがどうしても消えず、この研究室の門戸を叩きました。
    「私のような年齢・キャリアの者は決して受け入れてもらえないであろう」と思っていましたが、思いもかけず入学を認めていただきました。今は主にウィトゲンシュタインの著作に取り組んでいます。研究室の雰囲気は暖かく、わからないことは基本的なことも教えていただき、一方で研究への取り組みについては自主性を尊重していただいています。バランスの取れた素晴らしい環境だと思います。

  • 人生間違いだらけでも、いいじゃないか。
  • 哲学(D1) 浅川 芳直
  • 私はしばしば、「楽天家だね、パッパラパーな人生観だね」と言われます。どうしてそんなことを言われるのか不思議ですが、博士課程にすすんでまで哲学にどっぷり浸っていることも影響しているかもしれません。
    私の研究テーマは、科学哲学、論理学の哲学と言われるジャンルに属します。論理的真理はなぜ正しいと言えるのか? そもそも「真」って何なのか? こういう問題をぐずぐず考えつづけています。そして夜中、ふっと自分を鑑みるとき思うのです。人間って論理的におかしなことを考えたり、ついでにいうと非合理的に振舞うこと、多いなぁと。それでも人間は論理的思考ができないわけではないし、合理的に振舞えることもあります。その証拠に人間は、間違った信念を持っていたことに気づくと考えを修正できます。すばらしい。間違いに気づくということは、より正しく世界を認識したということ。人生間違いだらけでも、いいじゃないか。
    そこでまた、「真」って何なのか? 正しいって何なのか? という問いに送り返されるわけですが、私はこんな日常をとても幸せなことだと思っています。

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