徳田幸雄

専門

宗教学、宗教人間学 (構想中)

関心領域

(1)回心研究

 回心研究は、宗教心理学の起点および主流となった研究として知られ、とりわけ個人と宗教との関係に学術的に踏み込んだという点で、その意義は決して小さくはない。現在では、回心に関する研究は、心理学や精神分析学だけに留まらず、社会学あるいは文化人類学といった分野でも積極的に取り組まれている。このような回心研究の拡がりや深まりにも関わらず、回心は依然として神秘と謎に包まれていると言ってよい。それこそが回心の魅力と言えるのかもしれない。目下、このような奥の深い回心の真相に、どこまで迫ることができるかという課題に奮闘中である。

(2)近代日本における宗教的人間の研究

 これまで、回心研究の事例研究として、内村鑑三、新島襄、清沢満之、高山樗牛、北村透谷といった近代日本の宗教家や知識人に関する評伝的研究に取り組んできた。今後、比較研究の幅を拡げる意味でも、禅の宗教家を取り上げることを計画中である。

(3)宗教の人間学的研究

 回心に関する研究は、きわめて特殊な宗教的現象に関する研究に留まるのではなく、人間存在の深遠をえぐるような研究に繋がるように思われる。つまり回心研究は、私にとり、人間の宗教性に焦点を合わせた人間研究に他ならず、「人間とは何か」という普遍的な問いの追求なのである。将来的には、この視点を哲学的人間学の流れの延長上に位置づけ、ゆくゆくは「宗教人間学」という学問体系にまで練り上げたいと考えている。

略歴

1993. 3東北大学理学部天文学科 卒業
1995. 4東北大学大学院文学研究科博士課程 (前期二年の課程) 実践哲学専攻 (専攻分野:宗教学宗教史) 入学
1997. 3同上  修了
1997. 4東北大学大学院文学研究科博士課程 (後期三年の課程) 人間科学専攻 (専攻分野:宗教学) 進学
2000. 3同上  修了、博士 (文学) 取得
2001. 4東北大学大学院文学研究科助手
2004. 4東北大学非常勤講師、宮城教育大学非常勤講師、東北生活文化大学非常勤講師

業績

著書

2005. 2『宗教学的回心研究―新島襄・清沢満之・内村鑑三・高山樗牛―』未来社、454頁 (→目次

受賞時の写真 2005年度「日本宗教学会賞」受賞作
在庫がありますので、ご希望の方には著者割にてお譲りしています。詳しくは、tokuda@sal.tohoku.ac.jpまでご連絡ください。

学術論文等

1997. 9「内村鑑三の『グロースター回心』とその解釈」
『文化』第61巻第1・2号: 65-85
1998.12「新島襄の回心―その過程と本質をめぐる解釈学的考察―」
『論集』第25号: 21-39
1999.12「内村鑑三の回心過程とその本質」
『内村鑑三研究』第34号: 93-131
1999.12 (書評)「鈴木範久『内村鑑三日録』(全12巻) 」
『宗教研究』322号: 151-155
2000. 3博士論文「宗教的回心の研究―近代日本における宗教的人間の理解」
2000.12「回心研究とその人間理解」
『論集』第27号: 37-54
2001. 6「宗教的回心と宗教的人間の理解―内村鑑三、新島襄、清沢満之、高山樗牛−」
『宗教研究』328号: 1-25
2002. 3「回心の宗教性をめぐる諸議論―『宗教的回心』の概念的枠組みの構築に向けて―」
『東北大学文学研究科研究年報』51号: 105-122
2002.12「回心の比較宗教学―conversionと廻心―」
『論集』29号: 1-15
2003. 3「宗教学的人間理解の試み―高山樗牛を事例として―」
『東北大学文学研究科研究年報』52号: 1-28
2003. 3「宗教学的回心研究への序説―原因から条件への視点変更―」
『文化』第66巻第3・4号: 1-18
2004. 3「清沢満之の『宗教的回心』―宗教学的回心研究の一試論―」
『東北大学文学研究科研究年報』53号: 95-135

主な所属学会

最終更新日:2005/10/14