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『アジア遊学 90 ジャカルタのいまを読む』

吉原直樹編『アジア遊学 90 ジャカルタのいまを読む』(勉誠出版, 2006年)

経済発展の象徴であるグローバル化都市ジャカルタの現在を、裏路地の庶民生活や、現代ジャカルタを代表する音楽・文学などを参考にして明らかにする。都市論の最先端を行く研究成果。

 (以下、「あとがき」より抜粋要約)

10年ほど前にインドネシア大学で教鞭をとる機会が与えられて以来、ジャカルタには何度も訪れているが、街全体がかもしだす奇妙なアンバランスとケイオスは不思議に変わらなかった。しかし、他方でジャカルタは、海のはるか向こう側の世界都市と緊密にむすびついたメガシティの季節(とき)を刻んでいたのだ。痛む背中を沈黙でかろうじてささえるポストコロニアルのジャカルタは、今や、日々のジャーナリズムの格好の標的となっているのである。にもかかわらず、本特集号は、メガシティ・ジャカルタにあって沈んでしまっているようにみえる幽し生活世界の息吹を、さまざまな角度から精いっぱいすくいあげようとした。 

 目次

  • 「ジャカルタを問い込む」/吉原直樹
  • 「アジアメガシティ・ジャカルタの光と影」/吉原直樹
  • 「景観の中のジャカルタ 旧市街・モール・下町」/瀬川真平
  • 「ジャカルタの裏路地(カンポン)世界」/倉沢愛子
  • 「都心カンポンの盛衰」/澤 滋久
  • 「熱気と混沌のパッサール」/内藤 耕
  • 「分節化と多層性の中のインフォーマルセクター」/ラファエラ・デワンタリ・ドゥイアント
  • 「地域保健活動とカンポンの女性の生活」/齊藤綾美
  • 「ジャカルタの夜警と治安」/水野広祐
  • 「イスラームの商品化とメディア」/見市 建
  • 「インドネシア・ジャカルタの言語文化」/湯浅章子
  • 「ジャカルタ都市文化を映し出す大衆音楽ダンドゥット」/田子内 進
  • 「映画が語るジャカルタ」/上野太郎
  • 「ジャカルタのベチャ引きたち 国家による暴力から民衆間の暴力へ」/東 佳史
  • 「都市小説から見たジャカルタ」/バンバン・ウィバワルタ
  • 「ビッグ・ドリアンのいま タウン情報誌にみるジャカルタの現在」/竹下 愛
  • 「アーバン・インボリューション」/伊藤嘉高
  • 「ミドルクラスとゲーテッド・コミュニティ」/吉原直樹
  • 「若者とカフェ」/倉沢愛子
  • 「ジャカルタの喧騒と静寂 ラマダーンとハリラヤの風景」/小林和夫
  • 「洪水の襲来に悩むジャカルタ」/ニ・ヌンガー・スアルティニ