淡路剛久、川本隆史、植田和弘、長谷川公一編。
環境問題の激化に伴い様々な学問分野での環境研究も飛躍的に進展し、多くの研究蓄積と政策提言がなされている。本シリーズは,こうした状況を踏まえ、社会科学・人文科学の領域を中心として古今東西の約200に及ぶ必読文献が網羅され、環境問題について考え学んでいくうえでの知的遺産の宝庫となっている。
第4巻は、環境問題の解決に必要とされる、国家・社会・集団の様々なレベルにおける公式的あるいは非公式的な政策投入に焦点が当てられる。環境政策を進める基礎となり主要な道具となる法・経済・政策についての重要論稿を体系的に精選・抜粋し編集解題を付した。
I 環境政策と法
- わが国公害行政の歩み
- 環境法の生成
- 環境基本法制定の必要性
- 環境アセスメントの今後のあり方
- 日本の環境影響評価の実際
- 廃棄物減量・リサイクル政策の展開
- 地球的な認識と普遍的義務の確立
- 環境条約の効果的な実施に向けて
- 地球環境保護条約の存立基盤
- 環境基本条例の設計
- 公害防止協定・環境管理協定
II 環境政策と政府・市場
- 環境政策の国際経済面に関するガイディング・プリンシプルの理事会勧告
- 地球温暖化防止の経済政策
- 土地,水および所有
- 環境保護への基準および価格の利用
- 公健法賦課金
- 混合政策手段による環境政策
- 汚染者の利益と政治的対応
- 環境破壊なき雇用
- 環境影響と経済構造―投入産出アプローチ
- 廃棄物処理型環境保護
III 公害環境訴訟
- 四大公害訴訟
- 水俣病国家賠償責任論
- 違法性・受忍限度の構造と要素
- 生活妨害の差止請求
- 環境行政訴訟
- 行政訴訟制度の見直しのための考え方
- 環境権確立のための提言
- 環境権と裁判
- 環境と自然に関する権利
- 公害訴訟と住民運動
IV 公共性と社会運動
- 環境自治体の創造
- 人体を侵す黄色い粉塵―六価クロム事件
- 社会制御の3水準
- アメリカの環境運動における制度化と非制度化
V 世界の環境問題と環境政策
- 日本の環境汚染対策
- 台湾における産業公害
- 東アジアの環境問題
- アジアの経済成長と環境問題
- 韓国の環境問題と移住対策事業
- ECの環境政策