人びとの間で体感不安が高まり、それとともにストリート、学校、コミュニティでセキュリティの空間化が進んでいる。異質なものを排除し、他者に不寛容な社会が、「安全・安心のまちづくり」の名の下に広がっている。いま求められているのは、不安を嗤(わら)うのではなく、不安の根源にあるものに目を見据えて、もう一つの「安全・安心のまちづくり」の可能性をさぐることだ。「開いて守る」、協治型のコミュニティとは! 岩波書店、2007年刊。
はじめに
I 「開かれた世界」と「閉じるコミュニティ」
II 安全・安心なまちづくりとセキュリティの空間
III 先駆的事例の光と影
IV 「開いて守る」安全・安心なまちづくりの条件と課題
V 協治型セキュリティの提唱