1973年生まれ。専門は、福祉情報論、ICTメディア研究、社会情報学。2003年3月、博士後期課程修了後、日本学術振興会特別研究員(PD)、東北文化学園大学医療福祉学部非常勤講師(保健福祉情報論)を経て、大妻女子大学社会情報学部専任講師(現職)。
ICT(Information Communication Technology)を活用したメディアの社会的な影響や、その利用のあり方(リテラシー)を検討した理論を学びつつ、具体的にメディアを利用する場としての、障害がある(とされる、する)人たちの実践についてをフィールドワークしてきました。今は、主として3つの領域に的を絞って勉強しています。
:実践的な「福祉情報」論をめざして書いてみたものです。福祉専門職の人が用具やATについて学ぶために、ないしは情報を入手するためにどうすればいいのかを、逐一網羅していったら、なんだか思わぬ力作?になってしまった、みたいな作品だと思ってます。依頼したのか?されたのか?って感じではじめたのですが(笑)。ちなみに、原稿料ってのをはじめてもらいました。これまで書籍は印税=借金だと思ってたので、びっくりしました。
:めずらしく自分の専門を、ストレートに書いてみました。一番の売りは、日本における「社会参加」の過程を、【第一期=意志決定への参加】、【第二期=社会的な活動への参加】(この分類はある程度広く受け入れられてると思いますが)に対して、【第三の参加=自立とセットの参加】っていうのを措定しようとした点です。もちろん例の“自立支援法”の影響を受けてます。そしてそれにICTを絡ませたらどうか、、、時間が無くてしっかり書けなかったので紀要落ち。しっかり続きを書くべく準備中です。
:2005年の郵政選挙の結果に、やっぱりびっくりして、「本当に目の前の女子大生=若年女性は、そこまでマジで保守化?してるのか?」ってアンケートした結果をまとめたものです。統計に自信がないのでもちろん共同研究で。結論としては、「保守化」でも「小泉劇場に踊らされた弱者」でもなく、「家族回帰」なんだろうな、ということでした。みんな、家族や口コミでそれなりに相談して、考えて、投票してるんですね。変化しているのは、政治意識とかじゃなくて、「公」-「家族」-「私」の境界線なんじゃないか。ちなみに分析過程を同時並行で授業で話してたら、学生のみなさんに大うけでした。社会学教育って、こうあるべきなのかも。
:そもそも学問(できてませんが)をめざすきっかけだったメディア研究(マスコミでない)を、現在取り組んでいる福祉情報論(具体的には、障害のある人がメディアを使う場)に結びつけるきっかけとして書いてみました。と同時に、メディアの社会的意義を問うという、自らの出発点を確認できた力作のはずが、大誤植が〜(涙)。改版のために、結構必死で一人販促をしています。売れなくてもいいから改版して欲しい。節立:1.メディア・リテラシーの現在 2.メディアの基礎論 3.メディアを使おうとする場から 4.社会参加のためのメディア・リテラシー
:利用者が、メディアを利用するためには、まずメディアを獲得しなければなりません。ハードとしても、ソフト(リテラシー)としても。障害のある方の支援をしていると、そういう当たり前の事実があまり論じられてない気がして、その事を書きました。東大出版で書かせてもらえるなんて、いい記念だったなあ〜と思っています。もう少し売れるといいのですが。私はだいぶ売りましたけど(笑)。 節:1.「障害者」と電子ネットワーク 2.身体障害者における電子ネットワークの「獲得」 3.障害当事者のメディア獲得戦略 4.獲得を支援しうるか−福祉NPOに問われるもの ほか
:学生向けテキストのくせに、「メディアの歴史変遷を、利用者という視点から概観する」という野望を立て、結局自分の勉強にしかならなかった、という顛末のものです。分不相応のことをするものではないです(涙) でも、継続的に売れているそうで、すでに第4刷?までいってます。社会学を専門とする人がいない福祉系の学部も多いということで、そこにターゲットを絞った戦略が功を奏したようです。編者のお二人の慧眼ですね。本当に、福祉系の知らない学会とかでも、名前が出てたりしますから。売れるのだけが目的ではありませんが、やはり多く読んでもらえるのはうれしいものですねえ。
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