東北大学東洋史研究室について

東洋史学が本来扱う範囲は広くアジア全域に及びますが、当研究室では東アジアの漢字文化圏、中でも中国史に中心を置いて教育・研究に取り組んでいます。中国社会は数千年にわたって独自の文化を築き上げてきました。こうした特色ある「中華文明」の発展過程を明らかにし、その本質に迫ることを第一の課題としています。

研究室の沿革

大正13年(1924)3月、岡崎文夫教授が法文学部に着任したことにより、本専攻の歴史が始まります。昭和6年(1931)には曽我部静雄教授が着任され、中国の古代・中世史と近世史とからなる本専攻の基礎が固められました。

学制改革により新制大学へ移行してからは、愛宕松男教授・佐藤圭四郎教授・寺田隆信教授・安田二郎教授・熊本崇教授が着任され、研究・教育にあたられてきました。

現在は川合安教授・大野晃嗣准教授の2人の教員により、中国史を古代から近代までを通時代的にカバーする研究教育体制となっています。

現在の研究活動

東洋史研究室は独自の学術誌として『東北大学東洋史論集』を昭和59年から発行しており、現在12輯を数えています。他研究室との共同の活動としては、隣接の中国文学、中国思想3研究室合同の「東北支那学会」があります。これは、岡崎文夫・青木正児・武内義雄の初代3教授により昭和3年に創められたもので、以来、その精神と名称を守り、毎年4月に新入生歓迎の学術講演会を、2月に卒業論文・修士論文の発表会を開催し、学問交流と親睦の場としています。

さらに両専修分野とは、全国的学会「中国文史哲研究会」と機関誌『集刊東洋学』の発行、及び「東北中国学会」の運営に協力してあたっています。同様に国史学・西洋史学の両専修分野とは「東北史学会」の運営に携り、機関誌『歴史』には教官・院生が随時研究成果を発表しています。

学内外にわたる共同研究も活発であり、連年科学研究費の交付を受け、東北地方にとどまらず広く全国の研究者を結集し、中国独特のエリート層士大夫の実態と精神構造の究明を中心課題に据え、多角的に研究を重ねています。

研究室の教育方針

東洋史学においても近年、テーマの分散化・個別専門化が著しく、特定史料に対するより精細な分析と論理的思考が要められるようになっていますが、そのためにも基本的文献を正確に読解し、中国人や中国文明の独自の世界観をありのままに理解することが必要不可欠です。

このような見地に立ち、特に学部学生には、早々と専門テーマだけに固まることを戒めるとともに、各時代の多様な文献に触れ、また中国文学・中国哲学の分野にも素養を深めるよう強く促しています。授業においては、何よりも正確な文献読解力の涵養に力を注いでいます。

文献を正確に読解するには各種工具書を活用し、経・史・子・集多方面の文献に当る作業が不可欠ですが、それら必須文献を研究室に揃え、学生の自由な利用を保障しています。