リンクは自由!
『La Movado』第707号(2010.1)掲載文に加筆

エスペラントとハンセン病 ―歴史的考察―

後藤 斉


1.はじめに

1920〜30年代のエスペラント運動高揚期に多様な人々がこれに加わったことはよく知られているが、ハンセン病との間にも浅からぬ接触があった。実際、個々の出来事はそれぞれの時期においてしかるべく報道や報告がなされている。しかし、それらはエスペラント関係、ハンセン病関係ほかに散在しており、つなぎあわせて総合的に理解することは容易ではない。これまでのエスペラント運動史研究においても十分な取り扱いがなされたとは言えない。

この時代を中心に、立場に応じて様々な動機や意図を伴いながら、ハンセン病関係者によってエスペラントを契機とした多様な言語、文化、社会的活動が行われたことは歴史上の事実である。それらを埋もれたままにしておくことは余りにも惜しい。本稿では、筆者の知りえた範囲でいくつかのトピックをとりあげて、歴史的に考察してみたい。

なお、史料間に微妙な食い違いが見られることは少なくないが、筆者の判断によって適切と思われる情報を採用する。また、歴史叙述の必要に応じて「癩」など現在では不適切な用語を使うことがある。

他の章へ


copyright GOTOO Hitosi 2010-2011
著作権法規に則って利用することができます。


「エスペラントとは?」のページに戻る
後藤斉のホームページに戻る


URL:https://www2.sal.tohoku.ac.jp/~gothit/hansen/index.html
All Rights Reserved. COPYRIGHT(C) 2010-2011, GOTOO Hitosi
Department of Linguistics
Faculty of Arts and Letters, Tohoku University
Aoba-ku, Kawauti 27-1
980-8576 Sendai, Japan

〒980-8576 仙台市青葉区川内27番1号 東北大学大学院文学研究科言語学研究室
後藤 斉 (E-mail:gothit/at/tohoku.ac.jp)
後藤にメールを送られる方へ