(注)東北大学では、セメスターに次のような番号をつけている。
4-9月 | 10-3月 | ||
1年次 | 1 | 2 | |
2年次 | 3 | 4 | |
3年次 | 5 | 6 | |
4年次 | 7 | 8 |
1. 基本方針
Leon Festinger が認知的不協和理論を提唱してからおよそ40年の間、この理論は数多くの行動科学的な研究(特に実験や調査による実証的な研究)を生み出してきた。行動科学研究室で取り組んでいるテーマにかかわる領域でも、たとえば、階層意識やリサイクル意識の研究で、認知的不協和の考え方に言及したものがある。この演習では、認知的不協和研究の近年の展開を検討し、合理化・正当化や不公平感など、様々な対象への適用を試み、新たな知見を得ることをめざす。
2. 教科書・参考書
[教科書]
3. 授業の進め方
教科書のうち、Part 3 までに収録された論文(Chap.1からChap.11まで)を取り上げて、内容の把握、疑問・問題点の指摘と討論を行う。ひとつの章につき1人ないし2人の報告者が報告。他の参加者も事前にその章を読んでおき、質問・コメントを行う。その上で、全員で討論する。
4. スケジュール(予定) ────────────────────────────────────────── 回 月/日 内容(テキストの章) 担当 ────────────────────────────────────────── 1 4/14 授業計画の説明、担当の決定 2 21 1. An Introduction to Cognitive Dissonance Theory and an Overview of Current Perspectives on the Theory 3 28 2. Improving the 1957 Version of Dissonance Theory 4 5/12 3. A Radical Point of View on Dissonance Theory 5 19 4. Toward an Understanding of the Motivation Underlying Dissonance Effects: Is the Production of Aversive Consequences Necessary? 6 26 5. Dissonance, Hypocrisy, and the Self-Concept 7 6/ 2 6. Self-Affirmation Theory: An Update and Appraisal 8 9 7. Unwanted Consequences and the Self: In Search of the Motivation for Dissonance Reduction 9 16 8. What Exactly Have I Done? The Role of Self-Attribute Accessibility in Dissonance 10 23 9. A Self-Accountability Model of Dissonance Reduction: Multiple Modes on a Contimuum of Elaboration 11 30 10. Computer Simulation of Cognitive Dissonance Reduction 12 7/ 7 11. A Multiplicative Power-Function Model of Cognitive Dissonance: Toward an Integrated Theory of Cognition, Emotion, and Behavior After Leon Festinger 13 14 総合的討論 21 (予備日) ──────────────────────────────────────────
5. レポート課題
5.1 課題
演習での報告・議論を参考にして、各自が自分の研究において取り組んでいる問に答えるにあたり、認知的不協和理論がどのような形で適用できそうか、考察する。できれば実際に調査や実験によって得られたデータの分析・解釈に応用してほしいけれども、難しければ、理論的考察にもとづいて、今後どのようなデータを取ってどのような分析を行うことが必要か、研究計画を考えるだけでも良い。
5.2 書式
ワープロを使用し、A4判の上質紙に横書きで印字する。1頁あたり30行、1行あたり全角40字を目安とし、文字サイズ・マージンは見やすいように工夫する。図表等を含めて、7枚以上12枚以下にまとめる。(図表の大きさ、レイアウトも見やすいように工夫する。)
5.3 提出期限と提出場所
2000年9月5日(月)、17:00まで。行動科学分析室にあるレターケースの木村の棚に。
6. その他
6.1 オフィス・アワー
曜日、 :00- :00とする。
6.2 成績評価
成績は期末レポートおよび授業での活動をもとに総合的に評価する。
1. 基本方針
「社会階層とジェンダー」という視点から、現代日本社会における不平等の実態と不平等に対する意識を計量的に分析した研究を検討する。主に、1995年社会階層と社会移動全国調査(SSM調査)のデータを用いた研究を取り上げる。具体的には、盛山 (2000) に収録された論文、1995年SSM調査報告書に収録された論文などの中から検討の対象を選ぶ。
2. 教科書
教科書として、次の論文集を用い、その中のいくつかの章を取り上げる。
3. 授業の進め方
教科書の各章あるいは調査報告書などに収録された論文をとりあげて、内容の把握、疑問・問題点の指摘と討論を行う。当該の章/論文の理解を促進するために、その章/論文の内容に関する(受講者への)質問を書いたプリントを、授業の1週間前までに配布する。受講者は全員、そのプリントの問を参考にして、当該の章/論文を事前に読んでおく。授業時間中においては、任意の受講者がプリントの問に答え、その答を契機として皆で討論を行う。
4. スケジュール(予定) ───────────────────── 回 月/日 内容 ───────────────────── 1 4/14 授業計画の説明 2 21 原・肥和野 (1990) (1) 3 28 原・肥和野 (1990) (2) 4 5/12 尾嶋 (1998) (1) 5 19 尾嶋 (1998) (2) 6 26 木村 (1998) (1) 7 6/ 2 木村 (1998) (2) 8 9 盛山 (2000)より 9 16 盛山 (2000)より 10 23 盛山 (2000)より 11 7/ 7 盛山 (2000)より 12 14 盛山 (2000)より 21 (予備日) ─────────────────────
5. レポート課題
5.1 課題
授業で取り上げた論文の中からひとつを選び、問題点の指摘とコメントを行う。その際、他の文献(授業で取り上げなかったものでもよい)と対照させながら、また授業での討論をもとにしながら、論じること。
5.2 書式
ワープロを使用し、A4判の上質紙に横書きで印字する。1頁あたり35行、1行あたり全角40字を目安とし、文字サイズ・マージンなどは見やすいように工夫する。この書式で3枚以上6枚以内とする(図表含む)。
5.3 提出期限と提出場所
2000年9月4日(月)まで。行動科学分析室にある(スタッフへの配布物用の)レターケースの木村の棚に入れる。
6. その他
6.1 オフィス・アワー
金曜日、13:00-14:00とする。
6.2 成績評価
成績は、レポートと、出席や議論への参加の状況とにより、総合的に判断する。
1. 基本方針
統計的手法は、行動科学の重要な方法のひとつである。しかしながら、統計的手法が誤った使われ方をすることも多い。そこでこの演習では、英文テキストとその邦訳を対照して読みながら、統計的手法の基礎に関する理解を深め、誤用を見抜く眼を養う。あわせて、新聞・雑誌の記事などから日本における例を探す。
このような作業を経験することによって身につけてほしいと期待しているのは、「情報」を的確に理解・評価する能力である。とりわけ、その中でも次の2つである。
(1) 統計的データを的確に分析し、その分析結果を的確に表現する能力
(2) 英語の文章を読み、その内容を日本語で的確に表現する能力
2. 教科書・参考書
【教科書】
3. 授業の進め方
指定された章に関して、報告と討論を行なう (「4. スケジュール」を参照)。報告者は「レジュメ」を用意して、担当の章の内容を過不足なく紹介するとともに、疑問点や問題点などを指摘する(翻訳上の問題も含む)。報告者以外の受講生は、報告者に対し質問をし、議論に参加する。
さらに、各章の内容に関する報告の次の回の冒頭に、原則として自分が担当した章の内容にあてはまる具体例を紹介する。ここでの議論を参考に、さらに例を探したり考察を深めたりする。その作業にもとづいて、学期末にレポート課題に関する中間報告を全員が行い、レポートを執筆する(「5. レポート課題」を参照)。
注意 レジュメは、原書の「直訳」や邦訳の単なる引用・丸写しではいけない。翻訳のしかたやプレゼンテーション技術に関する参考書を読み、そこに書かれていることを活かす形でレジュメを作成すること。
4. スケジュール ──────────────────────────────────────── 回 月/日 内容(テキストの章など) 担当 ──────────────────────────────────────── 10/ 3 (休講) 1 10 授業計画の説明、担当の決定 2 17 発表の打ち合わせ 3 24 1 The Function of Percentage Figures [第T章 パーセンテージの機能 *] 4 31 2 Presentation Problems 5 11/ 7 3 In Which Direction Should Percents Be Run [第U章 パーセンテージは縦にとるか、横にとるか *] 6 14 4 How to Handle Don't Knows and No Answers [第V章 DK(わからない)やNA(回答なし)の取り扱い方 ***] 7 21 5 Tables of More Than Two Dimensions [第W章 3次元以上の統計表 **] 8 28 6 Indices [第X章 指数 **] 9 12/ 5 7 The Cross Tabulation Refines [第[章 クロス集計表はデータを精密にする ***] 10 12 8 Experimental Evidence 11 19 9 Analysis of Nonexperimental Data [第\章 クロス集計表は理由を説明する ***] 12 1/ 9 11 Reason Analysis T: The Accounting Scheme [第Y章 理由分析−説明図式 ***] 13 16 12 Reason Analysis U: Data Collection and Interpretation [第Z章 理由分析−面接と解釈 (前半) ***] 14 23 レポート課題の報告 ──────────────────────────────────────── 注:[ ]内は、第5版の邦訳で対応する章。 * 内容的に対応するが、第6版ではほとんど書き換えられている章。 ** 第6版では大幅に書き換えられている章。 *** 第6版では一部書き換えられている章。
5. レポート課題
5.1 課題
教科書(および上述の参考文献など)の論述を参考にして、新聞記事・雑誌記事・書籍・学術論文などの中から統計的手法の誤った使用例(複数でもよい)を探し、それがどのような意味で間違っているのかについて考察する。さらに、それを具体的にどのように改善していけばよいのかについても検討する。
5.2 書式
できる限りワープロを使用してほしいが、使用不可能な場合には手書きでもよい。いずれの場合でも枚数制限はない。
ワープロを使用する場合、A4判の上質紙に横書きで印字する。1頁あたり35行、1行あたり全角40字を目安とし、文字サイズ・マージンなどは見やすいように工夫する。
手書きの場合、A4判のレポート用紙を用いる。
なお、グラフを手書きで描く場合には、グラフ用紙を使用し正確に描くこと。
5.3 提出期限と提出場所
2001年 2月 8日(木)、17:00 まで。行動科学分析室にある(スタッフへの配布物用の)レターケースの木村の棚に入れる。
6. その他
6.1 オフィス・アワー
*曜日、**:**-**:**とする。この基礎演習の内容に関する質問、報告にあたっての相談などがある場合には、オフィスアワーを活用してほしい。なお、できる限り事前にアポイントメント(予約)をとるようにしていただきたい。
6.2 成績評価
成績は、報告やレポートの評価、出席状況などにもとづいて総合的に判断する予定である。
1. 授業の目的
氾濫する情報の中からいかにして「事実」をとらえたらよいか。その「事実」を他の人にうまく伝えようとする際、どのようなことに留意したらよいか。「事実」のとらえ方や伝え方を、日本の家族の現状を題材にした共同研究を通して学ぶ。あわせて、共同研究の楽しさ(場合によっては共同研究の難しさとその克服)を体験する。
この「プレゼミ」を通して、人間の行動や社会に対する知的関心・感受性、「事実」をとらえる/伝えるための技術、集団・組織運営のスキルなどを身につけてもらえれば幸いである。
2. 授業の内容
(1) 「事実」をとらえる/伝えるための技術(仕事の基礎技術)の講習
「研究」の進め方、情報検索(特に文献検索)の技術、アイディアのまとめ方、クリティカル・シンキング、発表(口頭、論文)の技術などについて学ぶ。講師による解説、参考図書を用いた「課題」(後述)をめぐる討論、実習を中心にする。
(2) 日本の家族の現状に関するミニ研究(グループ研究)
日本の家族に関する6つの「命題」を取り上げ、その命題で述べられていることが「事実」であるか、あるいはどのような意味でなら「事実」なのか、検討する。それぞれの命題について、5ないし6人からなるグループで、文献・資料(官庁統計等)などを検索・収集・検討しながら考える。
できればさらに、(a)それぞれの命題が「事実」だとしたら、なぜそのようなことが生じたのか、(b)「事実」と言えないのなら、それにもかかわらず人がそれを「事実」だと思ってしまうのはなぜか、ということについても考えてほしいと思っている。
(1)(2)いずれに関しても、授業時間以外に課題・作業に取り組むことが必要である。
3. スケジュール(予定) ──────────────────────────────────────────── 回 日付 内容(授業時間中) 授業時間外の課題・作業 (次回授業時間まで) ──────────────────────────────────────────── 1 10/ 5 授業計画の説明 【課題1】松本([1993]1996) 「事実」とは何か 参加者の確定 2 12 「研究」の進め方: あるテレビ番組の制作過程から学ぶ 参加者自己紹介・グループ顔合わせ 研究打ち合わせ 3 19 情報検索の基礎技術: 【課題2】文献検索実習報告 文献検索法を中心にして 【課題3】野口(2000) 文献検索実習(図書館で) 4 26 アイディアのまとめ方:「超」発想法 文献検索→入手→検討開始; 研究打ち合わせ・作業 【課題4】道田・宮元(1999) 11/ 2 (大学祭のため休講) 5 9 クリティカル・シンキングの方法 文献の検討; 研究経過報告: 【課題5】木下(1981) 文献検索・検討の実施状況について 研究打ち合わせ・作業 6 16 発表の技法(1): 文献の検討; レポート・論文等の書き方、 資料等の検索・入手・検討 作文技術 研究経過報告: 文献検討やブレーン・ストーミング の実施状況について 研究打ち合わせ・作業 7 30 発表の技法(2): さらなる文献・資料等の検索と検討; 口頭報告のし方、図表等の描き方 中間報告の準備 研究経過報告: 文献・資料等検討状況について 研究打ち合わせ・作業 8 12/ 7 第1回研究成果中間報告(1) さらなる文献・資料等の検索と検討; 中間報告の準備 9 14 第1回研究成果中間報告(2) さらなる文献・資料等の検索 と検討; 中間報告の準備 10 21 第2回研究成果中間報告(1) さらなる文献・資料等の検索と検討; 中間報告/最終報告の準備 11 1/ 11 第2回研究成果中間報告(2) さらなる文献・資料等の検索と検討; 最終報告の準備 12 18 研究成果最終報告(1) 最終報告準備; 期末レポート作成 13 25 研究成果最終報告(2) 期末レポート作成 ◎ 2/ 8 期末レポート提出期限 ────────────────────────────────────────────
4. 参考図書
4.1 「仕事の基礎技術」関係図書
仕事の基礎技術に関する基本的参考図書を、この文書末の参考図書リストに挙げておく。このうち、*印のついたものは、すべて必ず購入しておくこと(東北大学生協書籍部で入手可能)。本代はかかるけれども、これらはこのプレゼミ以外の授業でも、また今後の諸君の人生の中での「知的活動」においても、大いに活用できるものであろう。これらについては、目を通していることを前提にして授業を進める(「3. スケジュール」の「授業時間外の課題・作業」および「5. 授業時間外の課題」を参照)。
これ以外の参考図書も、行動科学分析室(川内南キャンパス、文科系合同研究棟1階、112室)の「プレゼミ参考図書コーナー」で閲覧可能にしておくので、随時参照してほしい。ただし、持ち出し厳禁とするので、行動科学分析室内で利用すること。(もちろん、これらの参考図書の中にも、購入を勧めたいものが多い。)
4.2 「家族」に関する研究書
各グループの研究の進行状況に合わせて、随時、関連図書を紹介する。
5. 授業時間外の課題(随時)
書式:
ワープロを使用する場合
A4判の紙に35行×40字(全角)で印字(横書き)。
マージンは上下左右25〜30mmを目安とする。
手書きの場合
A4判横書き、400字詰めの原稿用紙を用いる。
【課題1】 2000年10月12日(木)授業終了時に提出
私たちが何か物事について調べようとするとき、大切なことは何か。「『アホ』と言う地域と『バカ』と言う地域との境はどこ?」という疑問に端を発した松本 ([1993]1996) の探究の記録を読みながら、大切だと思うことを箇条書きにせよ。(箇条書きにした項目のそれぞれが、この本のどの部分から引き出されたものかがわかるようにしておくとよい。)[字数制限なし]
【課題2】 2000年10月26日(木)授業終了時に提出
配付資料「情報検索の基礎技術」の末尾にある練習問題のうち、1から4について、各自、検索を行い、その結果を報告せよ。文献リストとともに、どのようなデータベースを用い、どのようなキーワードで検索したかについても、記しておくこと。(他の人と分担せず、必ず各人がすべての問題について調べてみること。)[字数制限なし]
【課題3】 2000年10月25日(水)17:00まで、行動科学分析室に提出
野口 (2000) を読み、「『超』発想法の基本原則」について要約するとともに、その原則の中からひとつを取り上げて、その有効性の根拠となりそうな事例を挙げよ。その事例は、自分自身のこれまでの経験にもとづくものであることが望ましいが、よい例が思いつかない場合は、野口 (2000) の挙げている例でもよい。[2000字程度]
【課題4】 2000年11月 8日(水)17:00まで、行動科学分析室に提出
道田・宮元 (1999) を読み、思考・議論において陥りやすい落とし穴として本書で論じられていることに対応する例を、自分の経験や観察などの中から探し、その例に対して考察を加えなさい。[2000字程度]
【課題5】 2000年11月15日(水)17:00まで、行動科学分析室に提出
木下 (1981) を読んで理解した上で、自分が目にした新聞記事・学術論文などからわかりにくい文章を探し、なぜその文章がわかりにくいのかを分析し、よりわかりやすい文章にするための具体的な提案を出しなさい。[2000字以上4000字程度まで]
6. 期末レポート
6.1 課題
研究成果最終報告をふまえ、各グループで扱った「命題」で述べられていることが「事実」であるか、あるいはどのような意味でなら「事実」なのか、各自の観点から検討した結果についてまとめる。余裕があれば、(a)それぞれの命題が「事実」だとしたら、なぜそのようなことが生じたのか、(b)「事実」と言えないのなら、それにもかかわらず人がそれを「事実」だと思ってしまうのはなぜか、ということについて考察してもよい。
この最終レポート作成は、個人単位で行う。最終報告で示したグループ全体としてのまとめと自分自身の考えとの関係(同じところ、異なるところ)が明確にわかるように書くこと。
6.2 書式
ワープロを使用する場合
A4判の紙に35行×40字(全角)で印字(横書き)。
マージンは上下左右25〜30mmを目安とする。
この書式で3枚(4200字)程度。
図表は、できる限り本文中に挿入(枚数に含まれる)。
手書きの場合
A4判横書き、400字詰めの原稿用紙で10枚程度。
図表は別紙(A4判上質紙)に書き、レポート末尾に置く。
大きな図表はひとつで1枚、小さな図表は2つで1枚を目安にする(枚数に含まれる)。
6.3 提出期限、場所
2001年 2月 8日、17:00まで。
行動科学分析室(提出用ボックスへ)。
7. 成績評価方法
出席状況、授業における報告や発言、授業時間外の課題のレポート、および期末レポートにより評価する。期末レポートは、構成・明晰さ・論理的一貫性・独創性などを主な基準として評価する。
8. その他
8.1 受講者数の制限
受講希望者が多数の場合、受講者数を30人程度に制限することがある。
8.2 オフィス・アワー
「オフィス・アワー」とは、このプレゼミの内容に関する質問や相談を、授業時間以外で受け付ける時間帯のことである。
公式には、毎週金曜日の13:00から14:00までとする。質問・相談がある人(グループ)は、できる限りこの時間帯に、木村研究室(川内南キャンパス、文科系合同研究棟1階)を訪問してほしい。なお、念のため事前に予約を取ってもらえるとありがたい。
この時間帯に必修科目等がある人もいると思われるが、その場合には、他の時間帯で対応するので、日時については随時相談してほしい。
木村の連絡先
電子メール・アドレス kkimura@sal.tohoku.ac.jp
電話(個人研究室直通) 022-217-5967
電話(行動科学研究室) 022-217-6037
参考図書リスト(「仕事の基礎技術」関係)
(注) *印は授業時間外の課題で使用するもの。必ず購入しておくこと。
1. 基本方針
現代社会において教育(学校教育、特に高等教育)がもつ(主に社会的な)意味を、特に社会の経済的側面との関連に焦点をあわせて考察する。たとえば、
2. 参考文献
3. 講義の進め方
「1. 基本方針」で例示したような問いについて、「4. スケジュール」に示した順番で検討していく。
講義においては、資料を配布し、それに沿って話を進める。話の途中で、随時、質問を出す。その質問について自分で考え、その考えを発表するとともに、一緒に受講している人たちと議論をしてほしい。
4. スケジュール(予定) ──────────────────────────────────────── 回 月/日 内容 ──────────────────────────────────────── 1 10/ 3 授業計画の説明、イントロダクション 2 10 1.学歴による賃金の格差と大学進学行動 1.1 人的資本論 (1) 3 17 1.学歴による賃金の格差と大学進学行動 1.1 人的資本論 (2) 4 24 1.学歴による賃金の格差と大学進学行動 1.2 シグナリング理論 (1) 5 31 1.学歴による賃金の格差と大学進学行動 1.2 シグナリング理論 (2) 6 11/ 7 1.学歴による賃金の格差と大学進学行動 1.3 社会学的機能主義理論とコンフリクト理論との対立 7 14 2. 進学率の地域間格差 2.1 マクロ・データによる分析 (1) 8 21 2. 進学率の地域間格差 2.1 マクロ・データによる分析 (2) 9 28 2. 進学率の地域間格差 2.2 ミクロ・データによる分析 10 12/ 5 3. 女性にとっての学歴の意味 3.1 進学率の男女間格差 (1) 11 12 3. 女性にとっての学歴の意味 3.1 進学率の男女間格差 (2) 12 19 3. 女性にとっての学歴の意味 3.2 有配偶女性の学歴、就業形態と性別役割意識の関係 (1) 13 1/ 9 3. 女性にとっての学歴の意味 3.2 有配偶女性の学歴、就業形態と性別役割意識の関係 (2) 14 16 3. 女性にとっての学歴の意味 3.2 有配偶女性の学歴、就業形態と性別役割意識の関係 (3) 15 23 (予備日) ────────────────────────────────────────
5. レポート課題
レポートの課題・書式・提出期限・提出場所等については、後日、指示する。
5.1 課題
5.2 注意事項
5.3 書式
できる限りワープロを使用してほしいが、使用不可能な場合には手書きでもよい。いずれの場合でも枚数制限はない。
ワープロを使用する場合、A4判の上質紙に横書きで印字する。1頁あたり35行、1行あたり全角40字を目安とし、文字サイズ・マージンなどは見やすいように工夫する。
手書きの場合、A4判のレポート用紙を用いる。
なお、グラフを手書きで描く場合には、グラフ用紙・定規を使用し正確に描くこと。
5.4 提出期限と提出場所
2000年 1月**日(*)、17:00 まで。木村の研究室(文科系合同研究棟1階)で木村に直接手渡すか、行動科学分析室(文科系合同研究棟1階)にある(スタッフへの配布物用の)レターケースの木村の棚に入れる。
6. その他
6.1 オフィス・アワー
*曜日、**:**-**:**とする。この講義の内容に関する質問などがある場合には、オフィスアワーを活用して、木村の研究室(文科系合同研究棟1階)に来てほしい。なお、できる限り事前にアポイントメント(予約)をとるようにしていただきたい。
連絡先:
電話 022-217-5967(木村研究室直通) 022-217-6037(文学研究科行動科学研究室)
電子メール kkimura@sal.tohoku.ac.jp
6.2 成績評価
成績は、出席状況、授業での発言と、期末レポートの評価にもとづいて判断する。
1. 基本方針
日本において、有配偶女性の教育(学歴)と就業と性別役割意識との間には、一見すると「ねじれた」関係が見られることがよく知られている。この三者の関係のうち一部だけを説明しようとする理論がいくつかあるが、残りの部分をその理論で説明しようとすると、うまくいかないようである。この講義では、従来の理論を検討・批判するとともに、自分の頭で新しい理論を模索する作業をともに経験してほしいと思っている。そして、その中から、現代日本社会におけるジェンダーによる不平等が、教育の世界や労働の世界でどのような形で現れているのかについて、思考を深めることを期待したい。
この問題に取り組むには、社会学的・経済学的・社会心理学的な考え方や分析手法に関する基礎知識も必要になる。それについても、随時解説を加えることにするが、
2. 主要文献
「教科書」はない。しかし、別掲のリストにあげた文献を中心に講義の内容を組み立てようと思っている。
3. 授業の進め方
参考文献をもとに解説を加え、随時質問を出す。学生諸君には、この問について考えるとともに、討論を行なってもらいたい。
なお、木村が参加した調査によって得られた知見なども随時紹介していきたいと考えている。
4. スケジュール ──────────────────────────────────────── 月/日 時限 内容 [文献] ──────────────────────────────────────── 9/25 2 授業計画の説明 3 女性の性別役割意識と教育・職業 [原・肥和野(1990), 長津(1982), 尾嶋(1998), 尾嶋(2000) 鈴木 (1997), 大和(1995)] 4 女性の学歴と就業形態(1):結婚市場や子育てを重視する仮説 [Brinton (1993), 脇坂(1990, 4章)] 26 レポート提出 1 女性の学歴と就業形態(2):労働市場の分断を重視する仮説(1) [ホーン・川嶋(1985), 木村(1996), 木村(1998), 木村(2000)] 2 女性の学歴と就業形態(2):労働市場の分断を重視する仮説(2) [ホーン・川嶋(1985), 木村(1996), 木村(1998), 木村(2000)] ────────────────────────────────────────
5. レポート課題
5.1 課題
9月25日の講義で取り上げた仮説とその問題点を参考にしながら、日本の有配偶女性の教育(学歴)・就業・性別役割意識の三者の間に、上に示した図のような「ねじれた」関係が見られるのはなぜか、自分なりに考える。さらに、自分の考えた説があたっているか否かを確かめるにはどのようなことに関するデータを集めたらよいか、そのデータでどのような傾向が見られれば自分の説があたっていると言えそうか、ということについて考察する。
5.2 書式
手書きの場合、B5判のレポート用紙2〜3枚程度でまとめること。(ワープロを使用したい場合には、相談してほしい。)
5.3 提出期限と提出場所
2000年 9月26日(火)の講義開始時に提出。当日は、提出されたレポートを参考にしながら、授業を進める。
6. 成績評価
成績は、レポートの評価、授業への参加状況などにもとづいて総合的に判断する。
主要文献リスト
1. 講義の概要
(1) 現代社会における不思議な社会現象や社会問題の発見、(2) それを生み出すメカニズムやプロセスの解明、(3) 問題の解決策の模索、ということをめざすのが社会学である。社会学的研究の具体的な例を取り上げ、それらがこのねらいにどのような方法で取り組み、どのような成果を上げたのかを解説する。それによって現代社会の分析の基本的な考え方を伝えたい。社会学的な考え方が、皆さんの生活の中で何らかの役に立てば幸いである。
教科書として、
────────────────────────────────────── 回 日付 内容 ────────────────────────────────────── 1 4/11 イントロダクション(1) 2 18 イントロダクション(2) 25 (科目登録確認日のため休講) 3 5/ 2 1章 予言の自己成就 4 9 15章 豊かさの中の自殺(1) 5 16 15章 豊かさの中の自殺(2) 6 23 9章 相対的剥奪の考え方 7 30 8章 逸脱とラベリング(1) 8 6/ 6 8章 逸脱とラベリング(2) 人はなぜ犯罪をしないのか:「社会的絆」の理論 9 13 12章 組織と人間:全面的収容施設における二次的適応 10 20 4章 官僚制の逆機能(1) 11 27 4章 官僚制の逆機能(2) 12 7/ 4 有配偶女性の学歴・就業・性別役割意識の間の奇妙な関係(1) 13 11 有配偶女性の学歴・就業・性別役割意識の間の奇妙な関係(2) ────────────────────────────────────── 注:第8回(6/6)の一部、第12回(7/4)・第13回(7/13)の話は、 教科書にないものである。
3. 講義の進め方(基本方針)
おおよそひとつの章につき2回で講義する。(ただし、教科書にない話をする回もある。)
「暗記」は要求しない。「考える」ことを心がけてほしい。教科書(あるいは配付資料など)の「問」について各自考え、また周囲にいる人と討論していただきたい。講義の時間中に「問」について考えたことを紙に書いて提出してもらう予定である。提出用の紙は、受講生が少なければ木村が用意するが、受講生が多い場合には各自がB5判のレポート用紙を持参してそれを用いてほしいと考えている。
なお、「予習」も、事前に教科書に目を通してくるだけというのなら必要ない(むしろしないでほしい)。しかし、教科書の「問」に対してじっくりと考え、その考えを授業のときに発表したいというのなら歓迎する。
質問や議論も大歓迎である。講義の途中でも、どしどし口をはさんでほしい。
4. 試験について
7月下旬の試験期間中に試験を実施する。具体的なことについては、後日、講義の中で指示する。
なお、成績は、この期末試験の評価と出席状況とにもとづいて、総合的に判断してつける予定である。