木村邦博 2015年度の授業のシラバス (Last Updated 04/01/15)

(注)東北大学では、セメスターに次のような番号をつけている(学部1年次から4年次まで)。

4-9月 10-3月
1年次   1   2
2年次   3   4
3年次   5   6
4年次   7   8


計量行動科学研究演習I
「『家族構造と子ども』の計量分析」
(大学院博士前期課程向け第1学期 木曜日 10:30-12:00)

1. 基本方針
 「家族構造と子ども」 に関して計量行動科学的方法でアプローチした研究を取り上げ、検討する。特に、海外における代表的な文献を読み、この分野の研究動向を学ぶとともに、今後どのような研究が必要かを考える。同時に、学術的な英語文献の読解力、行動科学的思考法、重回帰分析・ロジスティック回帰分析・ログリニアモデル・潜在クラスモデル・構造方程式モデリング・イベントヒストリー分析などの多変量解析の手法を身につけることをめざす。
 なお、この科目は専門社会調査士資格認定科目Iに対応している。

2. 使用文献・参考文献
 「教科書」という形のものは用いない。以下に挙げるような学術論文を検討の対象として用いる。また、参考文献も例示しておく。

【学術論文(演習の中で検討するもの)】

【参考文献(木村の観点からみて主なもの;ほかにもまだまだある)】

(1) 「家族構造と子ども」に関するもの
(2) 検討対象の学術論文で使われている多変量解析の手法に関するもの

3. 授業の進め方
(1) この授業で取り上げる学術論文について、内容の把握、疑問・問題点の指摘と討論を行う。ひとつの論文につき(参加者数、長さや内容などに応じて)1〜2名の担当者を割り当て、内容・分析手法と問題点などに関する報告をしてもらう。ひとつの論文を複数名で担当する場合、機械的に分担してしまうのでなく、論文全体の内容を担当者全員が把握し、各回の報告がつながるように、共同で勉強や報告の準備を行うこと。
 報告と討論は、各論文について2回に分けて行う。そのうち第1回目は、内容について理解を深め、問題点や今後の課題について考えることを目的とする。第2回目は、特に、用いられている計量分析の手法について、報告者から解説をしてもらい、そのほかの人から質問などをしてもらう中から、その手法の特徴や用途などについて参加者全員が把握することを目指す。
(2) このテーマに関してどのような計量的研究が行われているかをさらに調べるとともに、自分が利用可能な調査データで追試や展開を試みてみていただければ、幸いである。


4. スケジュール(予定)

───────────────────────────────────────────
 回  月/日         内容                                                        担当
───────────────────────────────────────────
  1   4/ 9  授業計画の説明、担当の決定
        16  報告の準備、相談。
  2     23  Park (2007): 内容理解
        30  (休講予定)
  3   5/ 7  Park (2007): 方法的検討(重回帰分析)
  4     14  Park (2008): 内容理解
  5     21  Park (2008): 方法論的検討(ロジスティック回帰分析)
  6     28  Biblarz and Raftery (1993): 内容理解
  7   6/ 4  Biblarz and Raftery (1993): 方法論的検討(ログリニアモデル)
  8     11  Chan and Koo (2011): 内容理解
  9     18  Chan and Koo (2011): 方法論的検討(潜在クラスモデル)
 10     25 Amato and Sobolewski (2001): 内容理解
 11   7/ 2  Amato and Sobolewski (2001): 方法論的検討(構造方程式モデリング)
 12      9  Wu and Martinson (1993): 内容理解
 13     16  Wu and Martinson (1993): 方法論的検討(イベントヒストリー分析)
───────────────────────────────────────────
   *内容・日程については、参加者数・集中講義日程などに応じて変更することがある。

5. レポート課題
5.1 課題
 自分の担当した章のうちひとつについて、授業時間での討論を活かして、その内容を紹介するとともに、コメントを加えた文章を作成する。その際、できる限り、その章に関連した最近の文献を自分で検索して読み、その文献から得た情報も活用すること。(なお、自分が利用可能な調査データで追試や展開を試みてみてもよい。)
5.2 書式
 ワープロを使用し、A4判の上質紙に横書きで印字する。具体的には、A4判の紙に30行×35〜40字(全角)で印字(横書き)。ただし、マージンは上・下30mm、左・右25mmとする。この書式で4枚以上6枚以内とする(引用文献リスト・図表を含む)。少々長くなる分にはかまわないが、冗長になりすぎるのも問題なので、一応この枚数を目安とする。
レポートの冒頭には、タイトル、学籍番号・氏名、提出日を記しておく。また、ページ番号をふっておくこと。
5.3 提出期限と提出場所
 2015年8月3日(月)まで。行動科学分析室にある(スタッフへの配布物用の)レターケースの木村の棚に入れる。

6. その他
6.1 オフィス・アワー
 随時。ただし、必ず事前に電子メールで予約を取ること。(口頭や電話等での予約は、記録が残らないのでご遠慮いただきたい。)
6.2 成績評価
 成績は、期末レポートと、出席や議論への参加の状況とで評価する。


計量行動科学研究演習II
「社会調査法への認知科学的アプローチ」
(大学院博士前期課程向け第2学期 木曜日 10:30-12:00)


行動科学概論
「社会調査の基礎」
(学部2年生向け第3セメスター 月曜日 16:20-17:50)

1. 基本方針
 現代社会を特徴づける人間活動のひとつである社会調査について、その進め方(調査内容の決定、調査対象の決定、調査の実施方法、調査結果の分析方法とまとめ方)を知るとともに、その歴史と成果について学習する。個人が身の回りからさまざまな情報を得る場合と社会調査との違いに着目しながら、細かい技法よりも、基本的な考え方を修得することを目指す。
 なお、この授業科目は社会調査士資格認定標準科目Aに対応している。第4セメスターの「行動科学概論(社会調査の実際)」(社会調査士資格認定標準科目Bに対応)とあわせて履修することが望ましい。また、第3セメスターで同時に開講されている「人文統計学」(社会調査士資格認定標準科目Cに対応)なども受講していれば、なお理解が深まるだろう。

2. 教科書・参考書
【教科書】

【参考文献(特に重要なもののみ】

3. 授業の進め方
 基本的に、教科書に沿って授業を進めていく。ただし、教科書8章5節と13章の内容については第4セメスターの行動科学概論(「社会調査の実際」)で取り上げること、14章は扱わないことに注意していただきたい。また、教科書は放送大学のテキストなので、簡略にしか書かれていない傾向もある。そこで、教科書の内容を補足するための資料を随時配布し、もう少し厳密に説明を加える。この資料の配付には、インターネットを利用する予定である
 この配布資料の中で、受講生が講義内容をどれくらい理解できているかを確認する手助けとなるような「問い」を提示する。授業中には、この問いを契機として、解説を加えていく。受講生の皆さんには、ぜひ予習・復習を欠かさないでいただきたい。
 遅刻は厳禁である。その理由は主に2つある。第一に、諸君が話を途中から聞いてもおそらく理解できないからである。第二に、諸君が社会調査という、「ソーシャル・スキル」がとりわけ求められる活動を志す者であるならば、約束の時刻を守るということの重要性を理解してほしいと考えているからである。


4. スケジュール(予定)

───────────────────────────────────────────
 回  月/日         内容
───────────────────────────────────────────
  1   4/13    授業計画の説明
               1. 現代社会と社会調査
               2. 社会調査の用途と歴史
  2     20     3. 調査内容の決定(1): 調査テーマと調査事項
  3     27     4. 調査内容の決定(2): 調査票の作成
  4   5/11     5. 調査対象の決定(1): 標本調査の方法
  5     18     6. 調査対象の決定(2): サンプリング分布と統計的推測(その1)
  6     25     6. 調査対象の決定(2): サンプリング分布と統計的推測(その2)
  7   6/ 1     7. 調査の実施と処理(1): 実査と調査員
               8. 調査の実施と処理(2): 調査票の点検とデータ作成
  8      8     9. 結果の集計と分析(1): 基本統計量
  9     15    10. 結果の集計と分析(2): 因果分析の方法(その1)
 10     29    10. 結果の集計と分析(2): 因果分析の方法(その2)
 11   7/ 6    11. 聴取調査の方法
 12     13    12. 調査報告をまとめる
 13     27    15. 調査者と被調査者
 14   8/ 3    期末試験
───────────────────────────────────────────
  *内容・日程については、各種行事日程などに応じて変更することがある。

5. 期末試験について
 補講期間の8月3日(月)に、期末試験を実施する。問題の形式は「論述式」を予定している。授業の内容を理解した上で柔軟な思考ができるようになっていないと解答できないような内容の問題を考えている。言い換えると、問題の水準は、教科書と配付資料を使って予習復習をしっかりとし、授業中の説明を聞いたりわからないことについて質問したりしなければ、合格点をとることが難しいところに設定している
 なお、(筆記用具以外では)教科書・参考書・配付資料・ノート・参考文献・電卓・定規のみ、持ち込み(使用)を許可する。持ち込み(使用)不可とするものの例としては、携帯電話、電子辞書、パソコンなどを挙げておく。(たとえば、携帯電話の電卓機能を使うのは不可とする。メール等によってカンニングをしているのと外見上区別がつかないためである。「李下に冠を正さず!」)
 原則として「追試験」は行わない。ただし、例外的に、病気・事故による通院・入院のため、あるいは災害などによる交通機関の不通のため、本人が試験日時に出席できない事態が生じ、かつそのことを授業担当者の木村邦博が客観的に確認できる場合にのみ(成績登録締め切りまでに間に合うのであれば)追試験の可能性を検討する。

6. その他
6.1 オフィス・アワー
 随時。ただし、事前に電子メールで予約を取ることをお願いしたい。(口頭や電話等での予約は、記録が残らないのでご遠慮いただきたい。)
6.2 成績評価
 成績は、期末試験の得点の評価のみによる。


行動科学概論
「社会調査の実際」
(学部2年生向け第4セメスター 月曜日 16:20-17:50)


人文統計学
「統計学の基礎」
(学部2年生向け第3セメスター 水曜日 10:30-12:00)

1. 授業の目的
 官庁統計や簡単な調査報告・論文を読めるようになるための基礎的な統計学について学ぶ。特に、データと測定、度数分布と比率、代表値と変動(ばらつき)、グラフ表現、クロス集計表、相関係数(関連の測度)、因果推論などのトピックについて、基礎的な考え方を身につけることをめざす。
 なお、この授業科目は社会調査士資格認定標準科目Cに対応している。第4セメスターの「人文統計学(推測統計と多変量解析の基礎)」(社会調査士資格認定標準科目Dに対応)とあわせて履修することが望ましい。また、第3セメスターで同時に開講されている「行動科学概論(社会調査の基礎)」(社会調査士資格認定標準科目Aに対応)なども受講していれば、なお理解が深まるだろう。

2. 教科書・参考書
【教科書】

【参考文献(特に重要なもののみ】

3. 授業の進め方
 基本的に、教科書に沿って授業を進めていく。
 ただし、「社会調査士資格認定標準科目C」に対応させるため、特に記述統計とカテゴリカル・データ分析の手法とを中心とした内容にする。具体的には、教科書の 1, 2, 3, 4, 9, 10章を取り上げる。(それ以外の章は、第4セメスターの「人文統計学」で取り上げる。)
 また、教科書の記述の中には、現在の研究状況などを鑑みると適切とはいえない部分や、不十分と考えられる部分もある。このような部分については、より正確な理解を助けるための補足資料を授業の前に配布し、これを用いて授業の際に解説を加えたい。この補足資料を事前に目を通して、予習をしておいていただきたい。また、復習も欠かさないでいただきたい。(資料配付はインターネットを利用して行う予定である。)
 さらに、教科書の内容をよく理解できたかチェックしてもらうために、各章の「一般的問題」の中から特に重要と考えられるものを選び、実際に解いてもらう。その過程と結果はレポートとして提出してもらう。(本資料の「5. レポートについて」を参照。)
 以上のような意味で、基本的に、「講義を一方的に聞いているだけ」では十分ではないので、注意していただきたい。
 なお、遅刻は厳禁である。諸君が話を途中から聞いてもおそらく理解できないからである。


4. 授業日程

─────────────────────────────────────
 回   日付              内容                    レポート用の「問題」
─────────────────────────────────────
  1    4/ 8    授業計画の説明
  2      15    データと測定(1):教科書第1章
  3      22    データと測定(2):教科書第1章      7, 8, 9, 10, 11, 12, 13.
  4    5/13    度数分布と比率(1):教科書第2章    2, 5, 10.
  5      20    度数分布と比率(2):教科書第2章    13, 14, 15.
  6      27    代表値と変動(1):教科書第3章      1, 2, 4(a), 5.
  7    6/ 3    代表値と変動(2)/グラフによる     16, 20, 27, 31.
               データの表現:教科書第3章
  8      10    クロス集計表(1):教科書第4章      1, 2, 7, 8.
  9      17    クロス集計表(2):教科書第4章      12, 15, 20.
 10      24    関連の測度(1):教科書第9章
 11    7/ 1    関連の測度(2):教科書第9章        4, 8, 9.
 12       8    関連の測度(3):教科書第9章        11, 15. 
 13      15    3変数間の関連を考える(1):
               教科書第10章
 14      22    3変数間の関連を考える(2):        10, 11, 12.
               教科書第10章
─────────────────────────────────────
  *内容・日程については、各種行事日程などに応じて変更することがある。

5. レポートについて
5.1 課題
 各章末にある「一般的問題」のうち、以下の番号の問題に関して自分で実際に解いてみる。その過程と結果について記したレポートを、指定された期限に、教室で木村に提出する。(計10回。本資料の「4. スケジュール」も参照のこと。)
 ただし、第8回・第9回で取り上げる第9章の問題では、統計的検定は「クロス集計表の独立性の検定(カイ二乗検定)」だけを行えばよく、それ以外の統計的検定(具体的には、関連の測度の値に関する統計的検定)を行わなくてよい。

(第1回)第1章 問題7、問題8、問題9、問題10、問題11、問題12、問題13.
(第2回)第2章 問題2、問題5、問題10.
(第3回)第2章 問題13、問題14、問題15.
(第4回)第3章 問題1、問題2、問題4(a)、問題5.
(第5回)第3章 問題16、問題20、問題27、問題31.
(第6回)第4章 問題1、問題2、問題7、問題8.
(第7回)第4章 問題12、問題15、問題20.
(第8回)第9章 問題4、問題8、問題9.
(第9回)第9章 問題11、問題15.
(第10回)第10章 問題10、問題11、問題12.

 なお、レポート作成にあたっては、本資料末尾の「付録 レポート作成・提出にあたっての注意」を熟読し、水準の高いものを目指してほしい
5.2 書式
 原則としてワープロを使用し、A4判の上質紙の片面に横書きで印字する。具体的には、A4判の紙に30行×35〜40字(全角)で印字(横書き)。ただし、マージンは上・下30mm、左・右25mmとする。
 レポートの冒頭には、タイトル、学籍番号・氏名、提出日を記しておく。また、ページ番号をふっておくこと。
5.3 書式
 10回のレポートを、順次、2015年8月3日(月)までに提出する。
 原則として、教室で授業開始時に提出する。
 ただし、行動科学分析室内にある、教員用レターケースの、木村の棚の中に入れてもよい。(メールなどによる連絡等は不要。)
 なお、レポートの再提出は認めない。また、提出されたレポートは返却しない。

6. その他
6.1 オフィス・アワー
 随時。ただし、事前に電子メールで予約を取ることをお願いしたい。(口頭や電話等での予約は、記録が残らないのでご遠慮いただきたい。)
6.2 成績評価
 成績は、提出されたレポートの採点結果のみによる。(ただし、すべてのレポートを提出していれば自動的に合格が決定すると言っている訳ではないことに注意されたい、)

付録 レポート作成・提出にあたっての注意

  1. 教科書307-420頁にある「問題に対する解答」も参照してほしい。
  2. しかし、上記の「問題に対する解答」は、あくまで途中経過を省略した解答例(略解)に過ぎないので、丸写しにするのではいけない。もちろん、これの抜粋を作れば丸写しとは言えないけれども、それでは情報量が少なくなって意味がないことにも注意してほしい。
     ここで言う「途中経過等」には、たとえば次のようなものが含まれる。(このうちどれが該当するかは、問題の性質による。)
    問題の趣旨や仮定などの確認
    概念・公式などの定義や意味
    具体例を用いた解説
    推論の過程(理由・根拠などの提示も含む)
    計算の手順と過程
    表、グラフ、ダイアグラムなど
    計算結果に対する解釈や考察など
    参考にした文献・ウェブサイト等の書誌事項やURLなど
  3. 必ず自分自身で途中経過も含めて解答を考え、レポートにできるだけ詳細に記述すること。その際、図表を活用するとよい。
  4. ただし、「自分自身で考える」といっても、教科書本文中の記述や参考文献・補足資料をよく読んで参考にすること。わからないことがあれば、オフィス・アワーを利用して木村に質問に来てほしいし、受講生どうしで勉強会を開催するなどして互いに教え合うことも推奨したい。
  5. なお、「自分自身で考えた結果」であっても、レポートとして十分な情報を示したものになるようにすること。(十分な情報を示していないものは提出したと見なせない。)
  6. 有効数字に注意すること。桁数が少なくて、精度が低くなってしまうことを避ける。また、逆に、無意味なほど桁数を増やしたりしないように気をつける。
  7. 表は表計算ソフトやワープロの表作成機能などを使いて、見やすいものにすること。(特に罫線が多すぎて見にくくならないように注意してほしい。)
  8. グラフはグラフ作成機能のあるソフトウェアを用いてきれいに描画するか、方眼紙に手書きで美しくかつ正確に描くこと。ソフトウェアを用いた場合には、その名称も明記しておくこと。この場合の「ソフトウェア」には、ウェブサイト上で提供されている描画サービス等も含まれる。手書きの場合には、数値との対応を正確にすることに特に注意し、定規等を必ず使用すること。
  9. 早く提出することやすべてのレポートを一応提出しておくことが、形骸化した目的になってはいけない。何よりも水準の高いレポートを作成することを目標にしてほしい。


人文統計学
「推測統計と多変量解析の基礎」
(学部2年生向け第4セメスター 水曜日 10:30-12:00)


宮城大学・事業構想学部 社会科学総論
(月曜日 8:50-10:20)

1. 講義の概要
社会科学がめざすのは、

  1. 私たちの日常生活の中にある「ふしぎな社会現象」や「社会問題」の発見
  2. それを生み出すしくみ(メカニズムやプロセス)の解明
  3. 問題の解決策の模索とその解決策のもたらす「意図せざる結果」の検討
ということである。
 この授業では、社会科学(社会学・経済学・社会心理学など)の分野における古典的・現代的な研究を取り上げる。これらの研究がどのような「ふしぎな社会現象」や「社会問題」に対して、どのような方法で取り組んだのか、そしてどのような成果を上げたのかを理解していただきたい。みなさんが社会科学的な考え方を身につけ、生活の中で役立てていただければ幸いである。

2. 教科書
 教科書として、

を用いる。
 参考書・参考文献は、授業の中で随時、紹介する。

3. 授業の進め方(基本方針)
 教科書のうち8つの章を取り上げる。ただし、随時、教科書が刊行された後の研究動向についても紹介し、検討の対象とする。
 「暗記」は要求しない。「考える」ことを心がけてほしい。教科書や配付資料などにある「問い」について各自考え、また周囲にいる人と討論していただきたい。これらの「問い」について考えたこと・議論したことを、講義の時間中に、紙に書いて提出してもらう予定である。提出用の紙は、各自がB5判のレポート用紙を持参してそれを用いていただきたいと考えている。
 なお、「予習」も、事前に教科書に目を通してくるだけというのなら必要ない(むしろしないでほしい)。しかし、教科書に書かれている内容について自分なりにじっくりと考え、その考えを授業のときに発表したいというのなら歓迎する。
 質問や議論も大歓迎である。講義の途中でも、どしどし口をはさんでほしい。


4. 講義内容(日時・内容等を変更する場合があるので注意すること)

────────────────────────────────────────────
 回   日付         内容
────────────────────────────────────────────
  1   4/13  授業計画の説明
  2     20  社会科学のねらいと方法(1)【イントロダクション】
  3     27  社会科学のねらいと方法(2)【イントロダクション】
  4   5/11  予言の自己成就:偏見はなぜ持続するか【1章】
  5     18  豊かさの中の自殺(1)【15章】
  6     25  豊かさの中の自殺(2)【15章】
  7   6/ 1  相対的剥奪:客観的境遇と不満(1)【9章】
  8      8  相対的剥奪:客観的境遇と不満(2)【9章】
  9     15  逸脱とラベリング(1)【8章】
 10     22  逸脱とラベリング(2)【8章】
 11     29 犯罪・非行と社会的絆:なぜ犯罪・非行をしないのか?
 12   7/ 6  官僚制の逆機能(1)【4章】
 13     13  官僚制の逆機能(2)【4章】
 14     23  社会的ジレンマ:個人的合理性と社会的最適性の乖離(1)【2章、18章】
 15     27  社会的ジレンマ:個人的合理性と社会的最適性の乖離(2)【2章、18章】
 16   8/ 3  期末試験
────────────────────────────────────────────
 注:7月23日(木)は振替日。
   【 】内は、教科書の章の番号(あるいは名称)。

5. 試験について
 試験期間中に試験を実施する。具体的なことについては、後日、講義の中で指示する。
 なお、成績は、この期末試験の結果にもとづいて評価する。



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