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拠点の概要

拠点の概要

http://www.sal.tohoku.ac.jp/gcoewiki/jp/sub/map/

 [拠点形成の目的]

本拠点の目的は、21世紀COEプログラムによって形成した社会階層と不平等研究教育拠点における教育研究活動とわが国において過去半世紀以上にわたる社会階層研究の成果を基盤にして、格差問題を中心にした社会階層と不平等の教育研究を世界的に展開することである。社会階層と不平等とは、社会を構成する集団間で望ましい資源(収入や財産など)やそれを得る機会が不平等に配分されていることを示す概念である。そして近年、社会問題となっている格差問題は、まさに社会階層と不平等が端的に現れている社会現象である。この格差問題をめぐっては次の3つの問題群がある。(1)格差の実態を解明する実証問題、(2)格差を生み出すメカニズムを解明する理論問題、(3)格差がもたらす社会的影響を解明し、政策提言を視野に入れた帰結問題の3つである。これらの問題群に学際的・融合的に取り組むために、社会階層と不平等の構造と変動研究部門、東アジア研究部門、マイノリティ研究部門、公正研究部門、国際移動研究部門の5つの研究部門を設置する。各研究部門における研究活動に加えて、拠点全体のワークショップや国際シンポジウムを通じて、研究部門間の有機的連携を推進する。またスタンフォード大学貧困と不平等研究センターとの貧困の国際比較プロジェクトを立ち上げ、絶対的貧困から見た格差の問題群にも迫る。

教育面においては、COEフェロー(ポスドク研究者)を世界的公募により採用し、COE大学院生を公募により採用する。そしてこれらの若手研究者に対して、正副アドバイザーによる複眼的指導、COE特任助教によるきめ細かい研究指導、ワークショップにおける英語での報告、国際学術交流協定を活用した留学の奨励、国際シンポジウム開催の奨励、独立した研究を推進するためのCOE特別研究奨励費支給、リサーチアシスタント雇用による経済的保障、連携機関であるスタンフォード大学貧困と不平等研究センターと共催するサマースクールへの参加、などの教育プログラムを提供し、それらを通じて「世界で活躍する、タフで独創的な人材」を輩出することを目指す。

 [拠点形成計画の概要]

拠点の運営体制

本拠点は、拠点統括オフィス(オフィス長:拠点リーダー)、COE人材育成オフィス、COE研究推進オフィスという、3つの運営組織によって教育研究プログラムを推進していく。拠点統括オフィスはCOE人材育成オフィス・メンバーとCOE研究推進オフィス・メンバーからなり、拠点の基本的方針を決定する。COE人材育成オフィスは、オフィス長と数名の事業推進担当者、COE大学院生・COEフェローの代表者からなり、教育プログラムの作成や改定を行う。COE研究推進オフィスは、オフィス長と各研究部門長からなり、各研究部門の進捗状況をチェックし、部門間の有機的連携を促進する。

拠点の教育活動

拠点形成の目的のところで述べた教育プログラムにより、世界で活躍する、タフで独創的な人材を育成する。そのためには、独創的な研究を自立した環境で推進し、その研究成果を国際的に発信する力を養成する必要がある。上述した教育プログラムはこのことを実現することを目的としている。特に、英語によるワークショップでの報告と国際シンポジウムのオーガナイズは、COEフェロー・COE大学院生にとって、大きな負担ではあるが、世界の同世代の若手研究者に負けないだけの能力を養う機会となる。またスタンフォード大学貧困と不平等研究センターと共催するサマースクールでは、両機関の教員が最先端の研究を報告するだけでなく、大学院生が自分の研究プロジェクトの報告をする。シンポジウムや国際会議とは異なり、時間的にも精神的にも余裕のある雰囲気の中で議論をすることで、優れた博士論文の執筆につながるだけでなく、将来の知的ネットワーク形成の基盤ともなりうる。

拠点の研究活動

本拠点の特徴は、多彩な人材を世界から集結して、その集積効果により、社会階層、不平等、格差の問題に取り組むことにある。このことを実現するために、拠点メンバーを上述の5つの研究部門に配置し、多面的に格差の問題群の解明に取り組む。また拠点全体のワークショップを定期的に開催することで、研究部門間の有機的連携を促進する。スタンフォード大学貧困と不平等研究センターとは貧困の国際比較プロジェクトを共同で実施し、日本の格差問題を国際的に位置づける。

拠点の評価体制

社会階層と不平等研究の第一人者からなる外部評価委員会を設置し、外部評価を実施する。また、文学研究科評価分析室が、本プログラムとは独立した内部評価を行う。拠点内部では、拠点統括オフィスが自己点検を行い、COE人材育成オフィスはCOE大学院生・COEフェローの研究進捗状況をチェックする。このような評価体制により、必要に応じて本拠点の教育研究活動の方向を修正していく。


最終更新時間:2009年07月02日 14時15分16秒
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