インタビュー: 平山允子

2007年卒 修士

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東北大学日本語教育学研究室を卒業・修了してから、これまでの経歴を教えてください。

2007年3月に修士課程修了と同時に結婚して、神奈川県に引っ越しました。同年6月から2009年3月まで、国立国語研究所で非常勤の研究補佐員としてコーパス構築のプロジェクトをお手伝いしながら、企業と大学で週1日ずつ日本語を教えました。2009年4月から、日本学生支援機構東京日本語教育センターで専任日本語教員として仕事をしています。

現在のお仕事の内容について教えてください。

日本の高等教育機関(高等専門学校・大学・大学院)への進学を志望する各国からの留学生を対象に、進学予備教育を行っています。主な担当授業は、「共通日本語」という文字・語彙・文法・四技能を学ぶ授業と、「専門日本語Ⅰ」という大学院進学に特化した内容を日本語で学ぶ授業です。授業以外に、日本語教材の開発や各学生への進学指導なども担当しています。  着任2年目には、中国吉林省長春市の東北師範大学内にある赴日本国留学生予備学校というところへ4か月間派遣されて、日本の大学院の博士課程へ進学する学生さんたちに日本語を教えました。このプログラムには毎年私たちの学校から教員が派遣されているので、また次の機会が巡って来るのを楽しみに待っています。

東北大学日本語教育学研究室で学んだことは、現在のお仕事で生かされていると思いますか?具体的にどんな時にそう感じますか?

はい、現在の私の仕事の重要な基盤になっています。日本語教育に関する知識は日々の授業や教材開発に活用していますし、院生時代にもがき苦しみながら学んだ研究の進め方や論文の書き方、プレゼンテーションの技法などは大学院進学志望の留学生を指導する際に大変役立っています。社会に出てからも研鑽はどうしても必要で、勉強をやめるわけにはいかないのですが、いろいろ学んで自分を育てることの楽しさを知ったのも東北大学日本語教育学研究室でのことでした。  また、在学中に研究室OGの先輩からご紹介いただいて、中国吉林省長春市の大学で日本語を教える仕事をすることができました。修士課程2年次の夏から2年間休学して中国へ赴任したのですが、このときに「やっぱり日本語教師になりたい!」という思いが確固たるものになりました。院生時代にこのような貴重な機会を与えていただいたことに、今でも深く感謝しています。5年後に東京での就職先から同じ国の同じ町に再び派遣されることになるとは夢にも思いませんでしたが、私にとって何か運命的なものを感じる、特別で大切な経験になりました。 ※詳しい体験談はこちらから

今のお仕事の魅力を教えてください。

世界各地からやって来た留学生たちがめきめきと日本語を上達させて日本社会との関わりを強くしていくのを見るのは、とても大きな喜びです。学生の志望校合格や、卒業生からの立派な就職報告もうれしいのですが、私が密かに一番好きなのは日々の授業の中で学生たちが発する気づきの「あっ!」を聞くことです。  職場外で実践報告などをして多くの方からフィードバックをいただいたり、大学の研修等に参加させていただいて新しいことを学んだりして、それらのことを翌日からの授業にどう生かせるか考えるのも、ワクワクして好きです。授業実践の場を持っていることの幸せを、いつも感じています。

日本語教育学研究室の在籍生にメッセージをお願いします。

学生時代に、たくさん学んでください。学び方も、学んでください。何を見たら、どこに行ったら、よく学べるのか、ぜひいろいろ試して好きな方法に出会ってください。東北大学日本語教育学研究室で学び上手に育った皆さんと将来同じフィールドで一緒にお仕事できることを、心から楽しみにしています。

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