インタビュー: 長田佳奈子

1997年卒 修士

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東北大学日本語教育学研究室を卒業・修了してから、これまでの経歴を教えてください。

学部を卒業し、旅行会社で2年働いてから、修士課程に進学しました。修了後は国内の日本語学校、大学で日本語などを教えたり、中国、マレーシア、韓国、タイ、インド、インドネシアで予備教育、学習者支援、教師支援、教師養成などに関わったりしてきました。

現在のお仕事の内容について教えてください。

日本とインドネシアのEPA(経済連携協定)で訪日予定のインドネシア人看護師・介護福祉士候補者への日本語予備教育に携わっています。300名超の候補者が選抜され日本へ行くまで、60名近くのスタッフをはじめ、関係諸機関と協力しながら日本語コースを運営しています。長期的な視点で日尼両国に資する人材を育成していこうという仕事です。

東北大学日本語教育学研究室で学んだことは、現在のお仕事で生かされていると思いますか?具体的にどんな時にそう感じますか?

日本語教育に携わっているので、生かせているはずですが、理論はすべてが直接現場で生かせるものではないし、大学で得たことだけで十分ということもありません。ですが、長く仕事をしていると、知識の断片が経験とともに形を変え、つながっていくような気はします。学生時代はとにかくいろいろ考えさせられました。いい学生ではなかったので、大きいことは言えませんが、思考力、批判力などは、少しは鍛えられたと思いたいです。

今のお仕事の魅力を教えてください。

世界中の人とつながっていけることでしょうか。非母語話者教師支援に興味があり、海外で長く仕事をしていますが、ワークショップや勉強会は、先生方の情熱と笑顔にあふれていて、とにかく楽しいです。そして、教師のネットワークが広がっていったり、先生方の向こうにいる学習者が日本語を通じて日本や世界とつながっていくのを実感したりするときに、この仕事をしていてよかったと思います。

日本語教育学研究室の在籍生にメッセージをお願いします。

日本語教育の現場は「日本語を教えること」以外にも必要なことがたくさんありますが、なかなかそちらに目が向きにくいし、あらゆる点で発展途上です。しかしながら、どこにいて何をしていても、日本語教育を専攻したわたしたちが、日本語教育が必要な人へのサポートの方法や仕組みについて何かしら考え、動ける部分があるはずです。潜在的なニーズを掘り起こして、新たな仕事を作っていくおもしろさは、この仕事にも確かにあります。

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