インタビュー: 藤田めぐみ(旧姓:伊藤)

2011年卒 学士

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東北大学日本語教育学研究室を卒業・修了してから、これまでの経歴を教えてください。

2011年に学部を卒業後、出身地である秋田県湯沢市の市役所に就職しました。市役所では観光担当や財政担当を経験しましたが、プライベートで市で主催する日本語教室にボランティア講師として参加していました。日本語教室には、ALTや結婚して日本に来た方、EPA介護福祉士候補者の方などが参加してくださっていました。学習目的や内容によって3グループに分かれていましたが、時には全員でゲームや料理交流会を開催することもありました。その後引っ越しすることになり、日本語教室も参加できなくなってしまいましたが、今後も日本語を教えられる機会があれば参加してみたいと考えています。現在は、地方空港でグランドスタッフとして働いています。

現在のお仕事の内容について教えてください。

空港のグランドスタッフとして、飛行機に搭乗するお客様の発券・チェックイン手続き、手荷物関連業務、搭乗案内などを行っています。またこれらのお客様サービスと同時に、保安要員として危険物や不審行動への注意も行っています。お手伝いが必要なお客様や乗り慣れなくて不安そうなお客様など、一人ひとりのお客様に合わせた対応をしつつ定時運航を目指して日々奮闘しています。

東北大学日本語教育学研究室で学んだことは、現在のお仕事で生かされていると思いますか?具体的にどんな時にそう感じますか?

日本語教室で活動している時には、研究室で学んだことを思い出しながら内容を組み立てていました。特に心がけていたのは、二つあります。一つは学習者のニーズはどこにあるのかを念頭に置きながら進めること、もう一つは日常生活に戻った時に少しでも使いたくなる日本語を教える努力をすることです。3年生の時の金属材料研究所での実習や、タイの大学での実習に参加させていただき、授業の進め方を考えた経験が役立ったと思っています。 現在のグランドスタッフの仕事では、様々なお客様と日々接しています。年齢、職種、ビジネス目的・観光目的の違い、国籍、お手伝いを必要とする方、お一人お一人異なった背景をお持ちで、考え方や感じ方もそれぞれ違うことを感じています。自分とは異なった考え方や感じ方をされる方も大勢いる中で、それぞれの方にどのようにご案内するのが適切か追い求める姿勢が必要です。日本語教育学研究室では多様な文化を背景に持つ方々との理解を深めるためにどうすべきか考える機会をいただきましたが、そのことが今お客様と接する上で生きていると思っています。

今のお仕事の魅力を教えてください。

お客様の困っていることを助けられた時や抱えている不安を解消できた時、「ありがとう」の声を直接いただける点が魅力です。お客様サービスというマニュアルのない世界で、感謝の言葉をいただくと、自分の仕事が少しでもお客様の心に届いたということが実感できます。

日本語教育学研究室の在籍生にメッセージをお願いします。

私は第一希望で日本語教育学研究室に入ったものの、その理由は日本語教育に興味があったからではありませんでした。当時なんとなく国際色豊かな雰囲気に惹かれており、日本語教育学研究室を選んだのは国際的なイメージがあったからでした。同じ研究室には個性豊かな仲間たちが集まり、在学時代は楽しく過ごしました。卒業後、せっかく学んだことを活かしてみたいと考え、日本語教室に参加しましたが、たまたま募集のあったのは幸運なことだと思っています。仕事としてではなくても、講師として参加できたことは私の人生を豊かにしてくれました。同じ教室の講師や多様な背景を持った学習者の皆さんとの交流は見聞を広げてくれました。今迷っている皆様、ぜひ日本語教育学研究室で楽しく過ごし、新しい世界を切り開いていきましょう。

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