臨床宗教師研修
臨床宗教師研修について
臨床宗教師研修は、全国各地の諸宗教・諸宗派の宗教者の方々が集まり、講義、グループワーク、実習などのプログラムにより、ともに学びあう研修です。東北大学における2017年度までの修了者数はのべ181名となりました。
臨床宗教師研修ではこんなことを学んでいます
① 「傾聴」「スピリチュアルケア」の能力向上
被災地や医療施設でまず必要なのは、教え導くことではなく、 相手の気持ちに寄り添って耳を傾けることです。ロールプレイなどのグループワークを通して傾聴のスキルを身につけます。 お一人お一人が大切にしている価値観や信仰心を支え、それに気づき、表現することを助けるのがスピリチュアルケアです。
② 「宗教間対話」「宗教協力」の能力向上
公共空間では宗教の異なる人や信仰を持たない人との対話が前提となります。他(多)宗教の信仰者と触れ合い、儀礼に学ぶこ とで自分の信仰を自覚し、深めることにもつながります。宗教協力は、布教を目的とせずに人々と接することを学ぶ第一歩で す。研修受講者が持ち回りで担当する「日常儀礼」、宗派宗教の枠を超えて行なう「追悼巡礼」は自身の信仰を確かめるためにも貴重な体験となります。
③ 宗教者以外の諸機関との連携方法
病院などの公共施設は宗教者のホームグラウンドではありませ ん。アウェイの場所では、適切な手続きを踏まえてTPOに応じた振る舞いが必要です。公的施設の運営者や異業種の専門家との連携から学び、仮設住宅やホスピス、ビハーラ病棟などで実習を行ないます。
④ 適切な「宗教的ケア」の方法
さまざまな支援者がいる中で、宗教者ならではのメリットとはなんでしょうか。読経・祈り・お祓いなどの行為や、数珠・ロザリオ・お守り・お札・お地蔵さんなどの物品など、それぞれの宗教は心のケアに役立つ工夫や知恵を持っています。これらを相手のニーズにあわせて、公共の場にふさわしい方法で提供することを学びます。