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「臨床宗教師」の名称と資格認定について

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 「臨床宗教師」の名称と資格認定について

 東北大学実践宗教学寄附講座では2012年度より「臨床宗教師」研修を行なってきましたが、他団体が同じ名称を用いた資格認定を開始したことに関して、当講座との関係などお問い合わせを何件かいただきました。そこで、この際「臨床宗教師」の名称についての当講座の立場を明らかにしておきたいと思います。
 まず、「臨床宗教師」とは、英語の「チャプレンchaplain」の訳語として故岡部健医師が考案した名称ですが、公共的施設などで働く宗教者をさす一般名詞であると考えています。したがって、「臨床宗教師」という名称は、東北大学実践宗教学寄附講座が排他的に独占したり、他団体が使用するのを禁じたりすべきものではないと考えています。
 その上で、今後も類似の名称を持つ資格等が増えていくと思われますが、私達の目指している「臨床宗教師」の大きな特色は、超宗教・超宗派の協力と学びあいを通して養成される宗教者であるということをあらためて確認しておきます。
 次に、資格についての考え方ですが、私達は「臨床宗教師」の研修を実施し、修了証を発行していますが、これは高いレベルのケア能力の獲得を示すものであるというより、「臨床宗教師」として必要な基礎的知識とスキルを身につけ、以後の終わることのない自己研鑽の歩みへのスタートラインに立ったことの証明であると考えています。
 また、資格認定を行なうならば、有資格者の能力と資質、活動内容について長期的・継続的に機関として責任を持つべきであると考えますが、当講座は3年間の期限付きで設置された寄附講座であり、現時点ではそのような体制が整えられていないので、当講座が主体となって資格認定を行う予定はありません。
 以上から、当講座としては、他団体が独自に「臨床宗教師」の名称を冠した資格認定を行なうことに対して制限を加えたり、異議申し立てを行なう立場にはありません。「臨床宗教師」の資格認定を行なう際には、「○○協会認定臨床宗教師」のように、認定団体名を付記することで、区別していくことになろうかと思います。
 将来的には、コンセプトを共有する諸団体が協力し、臨床の場を拡大して社会のニーズに応えていくことで、「臨床宗教師」という名称が一般社会に浸透していくことが望ましいと思っています。
 なお、日本スピリチュアルケアワーカー協会からは事前に相談があり、上記の趣旨を説明しております。
2013年5月
実践宗教学寄附講座

追記(2014.3.3)
こちらの記事にありますとおり、龍谷大実践真宗学研究科に2014年4月より、臨床宗教師養成のプログラムが開講されます。同研究科は、東北大学での試みを高く評価されてこのプログラムの開設にいたりました。今後は相互に連携、協力しながら臨床宗教師のあり方を検討していくことになります。臨床宗教師研修が龍谷大学に一本化されるということではなく、両大学でそれぞれの特色を活かした研修を実施していくこととなります。