4月例会報告
◎高橋亜希子「吉田松陰の対外認識」
尊王攘夷派の志士として知られる吉田松陰(天保元〈1830〉年〜安政六〈1859〉年)は、その激烈な言動により、これまで、自民族中心主義の代表のように言われてきた。しかしながら、彼の「外夷」への敵意は、日本への非礼・強圧的な態度に対して向けられたものであって、ただ外国であるというだけの理由によるものではない。むしろ松陰には、人間存在一般に対する親和的な態度がある。それでは、彼の攘夷思想は、一体どのように形成され、またどのような構造を有していたのであろうか。本報告は、吉田松陰の対外認識の形成とその構造を明らかにすることを目的とする。
◎平岡 留美「慶政の遁世観」
慶政上人が九条道家の兄であり、『閑居友』の作者であるということは、従来の精密な研究により明らかとなった。しかしこれまでの彼の人物像や著作に対する論証に対して彼の思想、とりわけ遁世観については『摩訶止観』や天台本覚論の影響下にあるといった画一的な論考に止まっている。そこで本報告では慶政の遁世観についてまず『閑居友』における厭世観の欠落に着目し、その事実が前述した思想の影響とどう結びつくのかを考察することで慶政独自の遁世観を確立させたい。
日 時 :4月23日(土)13時より
場 所 :文学部 610演習室(6F)
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