2011年度日本思想史研究会月例会報告要旨(予告)
開催日 | 報告者 | 題目 |
---|---|---|
2月5日 | 卒論発表会 | |
12月11日 | 茂木 謙之介氏 | アジア・太平洋戦争期の新聞における皇族表象の検討―『東京朝日新聞』の図像を中心に― |
10月8日 | 冨樫 進氏 | 『日本霊異記』における成仏観―「人家家」をめぐって― |
7月9日 | 中港えり氏 | 埋葬方法からみる死後のゆくえ |
2月例会
2月5日(日)卒業論文発表会
時間 | 発表者 | 題目 |
---|---|---|
10:00-10:30 | 濱尾瑞紀氏 | 「阿弖流為―正史と伝説の狭間に見る阿弖流為」 |
10:30-11:00 | 菅野汐里氏 | 「貞慶の思想―観音信仰を中心として- 」 |
11:00-11:30 | 高橋佑五氏 | 「古事記におけるスサノオノミコトについて」 |
11:30-12:00 | 長田麻美氏 | 「戦後の文学作品に現れる部落問題」 |
(休憩1時間半) | ||
13:30-14:00 | 若生 類氏 | 「「曽根崎心中」に見る元禄時代の心中観」 |
14:00-14:30 | 佐野博陽氏 | 「在覚の思想」 |
14:30-15:00 | 平木雄祐氏 | 「竹内好の思想」 |
12月例会
茂木 謙之介氏「アジア・太平洋戦争期の新聞における皇族表象の検討―『東京朝日新聞』の図像を中心に―」
本発表ではアジア・太平洋戦争期の新聞メディアにおける皇族表象の様相を明らかにする。当該期の『東京朝日新聞』記事の分析からは天皇と重ね合わされられつつも、より多様な様相を示す皇族像と共に、崇敬対象としての天皇図像と共通の解釈が可能な皇族表象を看取することができ、いわば天皇制の補完的な存在としての皇族像の存在と同時に、当時の公文書等で天皇との分離が強調される所謂「公的な」皇族表象からの逸脱が指摘できる。(東京大学大学院)
10月例会
冨樫 進氏「『日本霊異記』における成仏観―「人家家」をめぐって―」
『日本霊異記』下巻第38「智行並び具はる禅師、重ねて人身を得て国皇の子に生まるる縁」は、法相宗僧・善珠(723〜797)の桓武天皇皇子・大徳親王への転成とその死にまつわる説話を、死後に人界への複数回の転生を経ることによって成仏することを意味する「人家家(にんけけ)」という教学概念で理解する。本報告では、この「人家家」という概念を出発点に、『日本霊異記』に認められる成仏観の特質とその同時代的意義について検討する。(東北大学教育研究支援者)
7月例会(修論構想発表)
中港えり氏「埋葬方法からみる死後のゆくえ」
胎児・嬰児・乳幼児そして被差別民という、近代以前「人」として認められていなかった人間たちは死後どこへ行くと考えられていたのだろうか。この問題は、こう言いかえることができる、「人」として認められない人間の死後の行方を「設定した」社会状況とはいかなるものであったか、また、それらの人々の死を「人」として認められていた人間たちはどう正当化・理論化したか、と。そして、この問題を、中近世の越中と言うフィールドにおいて出来る限り探ってみたい。なぜなら、越中国(現在の富山県)は私の誕生地であるとともに、旧石器時代より日本全国や大陸との交流によって独自の文化を形成していた場所でもあり、さらに複雑で独自の信仰体系と世界観を有した立山を有する特別な地域だからである。特に、立山信仰は、私の抱える問題を検討する際には、考慮に入れずにはおけないものである。今回は、胞衣、松、人無しの三つを考察することによって、私の抱える問題の探究を試みる。(東北大学大学院)
戻る