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教員一覧

教員のよこがお

文化科学 日本文化学 日本思想史

助教冨樫 進
とがし すすむ

博士(文学)
慶應義塾大学文学部文学科国文学専攻卒業。東北大学大学院文学研究科文化科学専攻博士課程後期3年の課程単位取得退学。 専攻は日本古代思想史。
著書に『奈良仏教と古代社会――鑑真門流を中心に――』(単著) 『聖典と注釈――仏典注釈から見る古代――』(共著。「奈良時代後半期における儒仏一致思想」) 『藤氏家伝を読む』(共著。「君聖・賢臣・ 美」)ほか。

ことばを通じた先人とのやりとり

石塔

 前近代に書かれた古文や漢文の史料を読んでいると、現在の私たちには矛盾があるように見えたり、 違和感を覚えたりするような論理や記述にたびたび遭遇します。 そのような時、私は自らの常識や思いこみをいったん傍らに置き、 「どうすれば自分の視点を史料の視線に合わせることができるだろうか?」 と考えを巡らせる時間を大事にしています。 ある意味「言語パズル」のようですし、史料の主張を常に矛盾なく汲み取ることができるとも限りません。 端から見ると地味で暗い営みでしょう。 しかし、相手の立場や視点を尊重した上で発せられたことばに虚心に向き合い、 相手の主張を正確に理解しようとすることの大事さは、生きている人間に接する場合と全く変わりません。
 私の専攻する日本思想史は、よりよい政治のあり方や病気・死に対する恐れ、 あるいは突然の災害に対する対処の術など、古今東西の人類が共有してきた数々の大きな課題に対して先人達の遺したかずかずの 「回答」が研究テーマとなります。 これらの課題は今後も本質的に解決されることはないでしょうし、 現代の私たちの抱える問題に対して先人達の回答が即座に効果をもたらすこともないでしょう。 しかし、遺されたことばを手がかりに先人とのやりとりをたえず重ねることで、 彼らが自らの生活を賭して獲得した智恵・知識をほんのわずかでも現代に蘇らせることができれば、と思っています。