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教員一覧

教員のよこがお

文化科学 中国文化学 中国思想中国哲学

三浦 秀一
教授三浦 秀一
みうら しゅういち

博士(文学)。
東北大学文学部卒業、同大学大学院博士前期課程修了。 同後期課程退学後、京都大学人文科学研究所東方部助手。 東北大学文学部講師、助教授を経て現職。
専攻は中国近世思想、および明代思想史。著書に『中国心学の稜線―元朝の知識人と儒道仏三教』。
[主要担当科目]中国思想概論、中国思想演習

研究者データベース

中国思想味の饅頭、もしくは科挙の答案と老荘思想の展開

中国

 中国の伝統的な思想を饅頭にたとえて、外皮は孔子や孟子の儒家思想、 中身の餡は老子や荘子の道家思想だと表現することがあります。もちろんこれはあくまでも比喩ですが、 この中国思想味の饅頭を味わう場合にも、本物の饅頭を口に入れるのと同じく、 皮と餡とを一緒に食べた方が、やはりうまい。

 明朝万暦一四年1586の科挙に、孔子以来、「道」や「性命」に関する概念規定が 多種多様である理由をたずねる問題が出されました。この質問に対し、 模範的な解答は次のように書き始めます。「道は言葉ではあわらせないが、聖人は無言ではいられない。 聖人に学ぼうとするならば、聖人が言葉にしなかったその裏側を見るべきで、 言語化された規定の多様さに拘泥してはならない」。 科挙とは、儒家的教養を習得した知識人を官僚に選ぶ採用試験です。 その答案において、たとえば『老子』冒頭の、 「これが理想的な道だとして示せるような道は、普遍的な道ではない」といったような主張が堂々と述べられるのは何故か。 現在わたしは、こうした思想現象の史的意味について考えています。