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教員一覧

教員のよこがお

人間科学 社会学 社会学

教授永井 彰
ながい あきら

博士(文学)。
東北大学文学部卒業後、東北大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。 長野大学産業社会学部講師、東北大学文学部助教授などをへて、現職。
専攻は、理論社会学、福祉社会学。共編著に『批判的社会理論の現在』。
[主要担当科目]社会学

研究者データベース

ハーバーマス社会理論を日本社会のなかで読む

現代社会学の社会理論、とくに現代ドイツを代表する社会理論家であるハーバーマスの研究をしています。 ハーバーマスは、マルクスやウェーバーの古典的社会理論を継承しながら、独自の現代社会理論を構想します。 この構想の基点となるのが、コミュニケーション行為の概念です。 かれは、マルクスやウェーバーの社会理論の基礎には目的活動の概念があると押さえます。 それにたいして、ハーバーマスは、ひとびとのあいだの言葉をつうじたやりとりをもとに、 コミュニケーション行為の概念を練りあげます。かれは、この概念をもとに社会理論の革新をめざします。
ただ、行為からコミュニケーションないし相互的なやりとりへと基礎概念を転換させるということであれば、 ルーマンやギデンズといった同時代の理論家にも同様の発想があります。 ハーバーマスに特有の考えは、言語コミュニケーションに合理性を関連づけ、 そのこととのかかわりで社会の再生産の論理を考察している点です。 この論理構成を精確に読み解くことと、それを手がかりにしながら日本の地域社会を分析していくこととが、当面のわたしの課題です。

学部から大学院にかけて、東北大学の社会学研究室で学びました。 当時の研究室では、社会学理論の学説史的研究と地域調査の両方をやるのが当然とされていました。 わたしは、理論研究の対象としてハーバーマスのコミュニケーション行為理論を選び、 毎日、研究室の机に向かってドイツ語の原文と格闘していましたが、農村調査にも連れだされ、 宮城県の南郷町(現在の美里町)や大和町で集落調査を経験しました。
その後、長野県の上田市にある長野大学に赴任しました。 長野は、地域社会のもつ自治の力を体感させてくれる場所でした。 また佐久総合病院や武石村診療所を訪問して、在宅ケアの活動を見学させてもらったことも、 自分にとっては大きな収穫でした。身近な地域社会のなかで高齢者を介護する仕組みを作っていくことが、 社会的に重要な課題だということを教えられたからです。