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平野日出征・中村捷編『言語の内在と外在』(1998), pp.189-203.

最適なコーパスの代用としてのテキストデータ
―エスペラント動詞語義の分析を例として―

後藤 斉


1. はじめに

本稿は、現代コーパス言語学が求めるような最適なコーパスが得られない場合 に、どのような考え方をとって研究を進めるべきかについて考察したものであ る。

現代コーパス言語学は英語を主な対象言語として発達し、その中で研究の実践 が重ねられ、理論上の精緻化が行われた。そのなかで、コーパスに要求される 性質として、ある言語を適正に代表するという基準が重視されている。英語に 関してはそのような基準に従いながら、それぞれ独自の特徴をもつ大規模なコ ーパスも次々に作られてきた。また、その多くは研究目的に公開されていて、 研究者が独自の研究を行ったり、他者の研究の追試を行ったりすることができ るようになっている。

しかしながら、英語以外の言語については、このような基準を満たすコーパス は現在でも数が限られているのが実情である。日本語を見ても、大規模なコー パスは皆無ではないものの、研究のための利用に便利ではなく、人文系の研究 者の共有財産と言えるものは皆無と言っても過言ではない。このような研究に 不利な事情は英語以外の言語については多かれ少なかれみな当てはまることで ある。

日本語などの英語以外の言語についてもコーパス言語学的手法を取り入れた研 究が増えてきているが、このように最適ではないテキストデータをコーパスと して使用することを余儀なくされる場合におけるデータの取り扱い方について は、方法論的に十分な検討が加えられていない。その代わりに、日本語のコー パス言語学には比較的入手が容易な新聞記事テキストや文学作品などを利用す る例が多く、そのようなデータの分析から得られた考察を直ちに日本語全体に 当てはまるかのように結論づけている研究も見られる。しかし、これはあまり にも便宜を優先にする態度であるように思われる(1)

本稿においては、エスペラントの動詞を分析し、その統語的・意味的性質を探 る試みを例として取り上げて、この問題に対する現実的で、しかも、理論的に できるだけ正当化できる考え方を提示したい。すなわち、テキストデータの選 択に際してジャンル・時代などの条件をできるだけ絞ることによって、当該言 語の特定の変種を代表すると見なせるようにするのである。これによって、当 該の変種の特徴を際だたせることができ、これは将来のより整備されたコーパ スを使う研究に対してのパイロットスタディとしての役目を果たすことができ るものと考えられる。

2. エスペラントの語彙体系の特徴

エスペラントは計画言語であって、その語彙体系は、当初は提唱者のザメンホ フによって1887年に与えられたものである。しかしながら、ザメンホフの提 案は明示的な文法規則や語彙の意味としては概略を含むのみであって、文法や 語彙体系の詳細については言語使用の決定にゆだねようとした、と言うことが できる。他のいわゆる「人工語」からエスペラントを区別する特徴はそれを実 際に使用する言語共同体が早期に形成されたことであり、その文法体系や語彙 体系の詳細部分の多くは、ザメンホフ個人の意思によってというよりは、言語 共同体における慣用の中で定まったのである。

ヨーロッパ語との二言語辞書においてはエスペラントの単語をその語源となっ たヨーロッパ語の単語に引き当てて、それよって語義を説明して終わりにする ことが比較的最近までよく行われてきた(2)。これは、便宜上のものでなけれ ば、語彙についての浅薄な理解に基づくものである。語彙は体系をなすもので あって、別個の体系に属する二つの項目を対照するには、より慎重な手続きが 必要であるからである。

例えば、エスペラントの ĉambro はしばしばフランス語の chambre に引き当 てられる。確かに、破擦音と摩擦音という違いこそあれ、語頭子音の硬口蓋音 としての性質は、 ĉambro がまぎれもなくフランス語の chambre を語源とす ることを示している。しかしながら、このことは ĉambro と chambre が語義 としても同一であることを意味すると解すべきではない。フランス語の chambre はよく知られているように、その第一義は「寝室」であって、通常、 事務室や教室は含まないし、家庭の浴室、リビングルームなども指さない。一 方、エスペラントの ĉambro にはこのような意味的な制約はなく、建物の区画 のうち各種の用途のものを指すことができ、むしろ日本語の「部屋」に近い。 ĉambro のこのような語義は、ザメンホフや他のだれかが明示的に与えたもの ではなく、エスペラントの実際の使用を通じて言語共同体のなかで暗黙のうち に形成されたものである。

したがって、エスペラントの単語の語義を分析し、語彙体系を適切に理解する ためには、エスペラントの実際の使用に照らしてみることが必要であり、コー パスの利用はこの点からしても潜在的に有益であると言える。

3. 資料体の代表性

現代のコーパス言語学はコーパスが持つべき性質の一つとして代表性 (representativeness)を重視する(3)。しかしながら、このような意味で の最適なコーパスがそもそも得られない場合にどうすべきかについて教えてく れはしない。とはいえ、少なくとも単に手近にある電子化テキストをそのまま コーパスの代用として用いるのではなく、何が次善の策であるかを慎重に検討 すべきであろう。第一に考えられるのは、代表性についての基準を引き下げ、 その時点で入手可能な電子化テキストを多数集めて、それからなるべく多様な テキストを含むコーパスを仮に作ってみることである。もう一つの選択肢は、 とりあえずその言語全体を代表することはあきらめ、その言語の特定の変種に ついての代表性を考えることであろう。

言語の研究という点からすると、一見してこの二つの選択肢のうち第一の方策 の方が優れているようにも考えられる。確かに、代表性をその時点での制約の なかでできるだけ高めようとする努力はあながち否定すべきものではない。し かし、ここで実現される代表性の近似の程度は、その時点での電子化テキスト の入手可能性という偶然の要素に大きく依存しており、また、その程度を客観 的に見積もることもできない。将来、より整備されたコーパスができたときに 、その結果を比較することができないことになる。つまり、結果の再利用性と いう点から言ってその意義に大きな疑問があるのである。

一方、第二の選択肢は、一見すると、ある特定の言語全体についての結論を導 き出せないという点で欠点を持っているように見える。しかしながら、対象の 範囲が限定されながらも、それについてある程度まで確かなことが言えるので あれば、大きなメリットであると考えられる。また、当面は特定の変種につい てしか資料が得られないとしても、次の段階では別の変種について同様の考察 を加え、次第にその範囲を拡大していくことも可能である。すなわち、制約の 多い現段階および近い将来の研究をさらに遠い将来におけるより本格的な研究 のパイロットスタディと考えるのである。

4. データの性質

上述のような考慮のもとに、本論で用いるテキストデータは、ザメンホフの演 説集(4)である。ザメンホフの言語はこれまでも種々の言語的考察の対象に なった(5)が、それは第一に彼がエスペラントの提唱者という、いわば権威 をもつ存在とみなされたからである。そのような観点からは、ザメンホフの著 作の総体が資料とされることになる。しかし、ここではそのような観点からで はなく、エスペラントの全体を知るための言語資料としての適切さという観点 からデータの性質をあらかじめ検討し、データとしての有効性とその限界を考 察しておくことは不可欠である。

ザメンホフの演説集は、1905年から1912年にかけてザメンホフが世界エスペ ラント大会などで行った演説を集めたものである。言語資料としてみれば、こ れには次のような性質をもつと言えよう。第一に、これはエスペラントの古典 的な用法を反映しているものと言える。現代的であるとはとても言えないが、 最初期の実験的な段階を過ぎて、すでに言語としての安定状態に入った時期に 属している。第二に、これは翻訳でなく、すべて原文である。この二つの特徴 は、このテキストが語彙資料として適切であることを示している。さらに、こ のテキストは大会の演説という性質からして形式ばった言語というレジスター の特徴を持っていると考えられる。また、口頭で用いられた言葉であって、書 き言葉ではない。事前に原稿を用意していたと考えられるから、即興的な部分 は少ないであろうが、聴衆が耳から聞いた際の理解可能性は考慮に入っていた と思われる。最後に、演説であるから、当然、不特定多数の聞き手に向けられ た一方向的な発話であって、対話を構成するものではない。このように、ここ で考察の対象とするデータは、著者・時代だけでなく、その他の点からも、か なり均質な資料体とみなすことができる。

このデータは正にこの均質さのゆえに、エスペラントという言語の多様性を代 表するものではない。しかし、逆に考えれば、そのような特徴によって規定さ れる言語の一変種を代表すると考えることができる訳である。

ここで使うデータは総語数約2万語のテキストであり、最近英語について作ら れている1億語規模のコーパス(British National Corpus など)はもちろん のこと、最初期の Brown Corpus の100万語規模と比較しても、かなり小さい と言わざるをえない。しかし、これが多様性をもつ言語の総体ではなく、その 一変種を代表するものと考えれば、必ずしも小さくはないともいえる。実際、 Brown Corpus や LOB Corpus の中の特定のジャンルにはこれより少ない語数 のものもみられる。例えば、両コーパスにおいてジャンル M (Science Fiction)に含まれるテキストの総語数は約12000語、ジャンル R (Humour)は 約18000語である(6)。2万語という数字はこれと同レベルの ものである。

もちろん、このようなデータを利用して得られる結論はあくまで特定の変種か ら得られたものであり、それが言語全体についても当てはまることであるのか 、その変種特有の現象であるのか、それともなんらかの要因に規定されている のかは、分からない。このような意味で暫定的なものでしかありえない。しか し、暫定的なものという留保を付けたうえでならば、時代・文体・レジスター などから限定される、エスペラントのある変種の代表として取り扱うことは十 分に正当化できよう。そして、その考察から得られる結論は将来のより整備さ れたコーパスを用いる研究を行う際に見通しを与えてくれる。つまり、これに よって得られた分析の結果を時代・レジスター等の点でこれと異なるデータを 用いて得られた結果と対照することによって、エスペラントの言語変化ないし 変異の様相をより詳細かつ具体的に捉えることを可能にしうるのである。

5. 考察

コーパスを用いた分析の例として、ここでは若干の動詞についての観察を試み る。ここで対象とする語は deziri と esperi の二語である。これらは、標準 的な辞書と見なされている Waringhien(1981)ではそれぞれ、

deziri
konscie emi al io, aspiri posedon au guon de io voli atingi, ricevi
esperi
atendi, kun fido, la realigon de tio, kion oni deziras

と説明 されている。ここで esperiの説明文の中で deziriが使われており、この説明 文による限り esperiすることは deziriしていることを含意することになる。 一方、標準的な文法書である Kalocsay & Waringhien (1980: 248)は、この 二語をともに目的語として不定詞も名詞もとることのできる動詞に分類してい る。これらの記述からは、この二語は類義であってしかもその統語的振る舞い も類似していることが予想される。しかし、実際にはどうであろうか。

原テキストデータから、カリフォルニア大学バークレー校の William Tuthill 氏が作成したフリーウェア Hum, A Concordance and Text Analysis Package プログラムを MS-DOS上で利用して KWICコンコーダンスを作成し、この二語を 含む部分を抜き出すと、それぞれ、Fig.1および Fig.2(別掲)の通りであ る。Fig.1 および Fig.2 はそれぞれ左から、見出し語、出典(ファイル名 と行番号)、コンテキスト付きの用例となっている。用例欄中で、斜線は原文 での改行を表す。なお、文字コードの制約から、字上符は「~」でおきかえた 。また、全体の配列は見出し語のアルファベット順で、同一見出し語内ではそ れ以降の語のアルファベット順である。

このコンコーダンスのデータは確かに小規模ではあるが、いくつかの言語的特 徴を読み取ることができる。特に著しい特徴は、動詞 esperi の現れる環境が 統語的にかなり限定されていることである。まず、その現在形 esperas は12 例ともすべて一人称の主語(miまたはni)を伴っている。それに対して deziri の現在形 deziras は17例あるが、主語が一人称であるのはそのうち の9例に過ぎない。また、 esperi は明らかに接続詞 ke に導かれる名詞節を 後続されることが多い。現在形の場合にはすべてそうであって、他には、過去 形が不定詞を導く例と命令形が代名詞の目的語を伴っている例がそれぞれ1例 あるだけである。しかも、その ke節内の主語も一人称である例が半数近くの 5例に及んでいる。 deziriは、ke節を導くこともあるが、不定詞や名詞句 をとる例も同様に多い。これらの動詞が名詞化されている場合の補足成分にも 違いが見られる。名詞 espero はそもそも補足成分を伴わない例が多く、 ke 節を伴う例が 1例あるだけである。一方、deziro は ke節や不定詞を伴う例 があるほか、 deziron de refarado と、前置詞 de を介して動作名詞によっ て補足を受ける例も見られる。最後に、esperi は動詞としては全て肯定文に おいて用いられている。それに対して、deziri には否定文で用いられている 例が3例ある。

特徴的な部分を図式的に示せば、以下のようである。(ここで、*はその使用 が目立たないことを示す。)

Mi esperas, ke mi faros ion.
*Mi esperas fari ion.
*Mi deziras, ke mi faru ion.
Mi deziras fari ion.

データの量が少ないため、これだけをもとに確実なことを言うことは難しいし 、統計的な処理にもなじまない。しかしながら、この観察は、少なくとも、 Waringhien(1981)や Kalocsay & Waringhien(1980)の記述には足りないこと が多いことを推測させるのに十分である。すなわち、次のような仮説をかりに 立てることができよう。

動詞 esperi は話し手が自分自身の意思について、何らかの語用論的な効果を もって、述べる際に用いられる。一方、 deziri にはそのような働きはなく、 任意の人物の願望について広く用いられる。

この仮説は、現段階では暫定的なものに過ぎない。観察のもとになったテキス トがザメンホフによる20世紀初頭の演説の文章という、エスペラントの特定 の変種に偏ったものであるから、これはしかたがない。しかしながら、この仮 説は、将来他のテキストデータでの観察が可能になったとき、それと突き合わ せることができる。他のテキストでも同様の考察が得られれば、これをそれぞ れの動詞の用法として考えることができるであろう。他のテキストでは似たよ うな特徴が見られないとすれば、それは個人・時代・テキストのジャンルなど によって変異するものであるものであるかもしれない。いずれにせよ、より一 般的な考察につなげることが期待できる。

6. 結論

本論において、ザメンホフの演説集を暫定的なコーパスとして使い、二つの動 詞についてその統語的、意味的な観察を試みた。これにより、それらの動詞に ついて Waringhien (1981)および Kalocsay & Waringhien (1980)が看過して いる特徴的な振る舞いを指摘することができ、ここからその用法について仮説 を立てることができた。

本論における試みは個別言語の個別のテキストの観察にとどまらず、より一般 的な意味をも持っている。日本語を含めて、英語以外の大多数の言語にとって 、現代コーパス言語学が要求する最適なコーパスは、現時点では容易には得ら れない。そのような場合において、一定の方針から選んだ、著者・時代・ジャ ンルの点でかなり限定的なテキストデータを最適なコーパスの代用として使う 試みが、将来のより実りある研究につながるパイロットスタディーとして有効 性であることを示すものと言える。

付記

本稿は、1993年度日本エスペラント学会研究発表会(1993年8月8日、亀岡 市)における口頭発表「辞書作りにおけるコンピューター利用について」およ び第17回エスペラント学会議(1994年7月29日、ソウル)におけるの口頭発 表 "Kiel familiarigi vortojn?" において示した考察を発展させたものであ る。

1. 新聞記事をコーパスとして用いることについては、後藤 (1995, 1996, 1997)を参照。
2. 言語学者が編集した Wells (1967)も例外ではない。
3. 例えば、コーパス言語学の標準的教科書と見なされる McEnery & Wilson (1996) は、第 2章 "What is a corpus and what is in it?" で、現代コーパ ス言語学がコーパスの定義に含める四つのコノテーションを挙げている。すな わち、sampling and representativeness, finite size, machine-readable form, a standard reference.
4. 印刷本としては、例えば、Kawanisi et al. (1997). ここで使用したテキスト データは廣高正昭氏の入力による。
5. 語彙に関しては、例えば、Nomura (1989)、野村 (1997)。
6. Johansson (1978: 3) による。

参考文献

後藤 斉 1995 「言語研究のデータとしてのコーパスの概念について ―日本語のコーパス言語学のために―」『東北大学言語学論集』 4: 71-87.
後藤 斉 1996 「コーパスとしての新聞記事データ―終助詞「かしら」をめぐって―」『東北大学言語学論集』 5: 37-46.
後藤 斉 1997 「コーパスの類型論」『東北大学言語学論集』 6: 27-33.
野村理兵衛 1997 『ザメンホフの文例に見るエスペラント動詞の意義と用法』私家版.
Johansson, Stig 1978 Manual of Information to Accompany the Lancaster-Oslo/Bergen Corpus of British English, for Use with Digital Computers. Oslo: Department of English, University of Oslo.
Kaloscay, K. and G. Waringhien 1980 Plena analiza gramatiko de Esperanto. Rotterdam: Universala Esperanto-Asocio.
Kawanisi, Teturo et al. (eds.) 1997 Paroladoj de D-ro L. L. Zamenhof. Toyonaka: Japana Esperanta Libro-Kooperativo.
Nomura, Rihej 1989 Zamenhofa Ekzemplaro. Nagoya: Nagoja Esperanto- Centro.
McEnery,T. & A. Wilson 1996 Corpus Linguistics. Edinburgh: Edinburgh University Press.
Waringhien, G. 1981 Plena Ilustrita Vortaro. 2-a eldono. Paris: Sennacieca Asocio Tutmonda.
Wells, J.C. 1969 Esperanto Dictionary.(Teach Yourself Books) Sevenoaks: Hodder and Stoughton.


[Fig. 1]

deziranto      |parolo6.txt     209|  teron de la vivo, ke ne povas jam c~iu |deziranto s~ang~i la radikojn au~ /s~ovi
deziras        |parolo2.txt      57|      gentoj estas gentoj trankvilaj, ne |deziras /altrudi al iu sian regadon, kaj
deziras        |uea1909.txt      34|     g~i reprezentas nur personojn, kiuj |deziras /esti organizataj pro difinita
deziras        |parolo8.txt     212|   arang~o de nia kongreso.   Kaj nun mi |deziras al vi c~iuj gajan /feston kaj sukcesan
deziras        |uea1909.txt      18|     la internan ideon /de esperantismo, |deziras esti unuigitaj en internacia organizaj~o,
deziras        |parolo3.txt     165|    sed /c~iam klare sentata, estas: "Ni |deziras krei neu~tralan fundamenton, sur
deziras        |parolo3.txt     162|   Ni konstante ripetadis, ke ni tute ne |deziras nin enmiksi en la internan /vivon
deziras        |parolo1.txt      50|  reciproke sin /komprenas c~iu, kiu nur |deziras nin kompreni, kaj nek malric~eco,
deziras        |parolo3.txt     163| la internan /vivon de la gentoj, sed ni |deziras nur krei ligantan ponton inter
deziras        |ferma6b.txt      21|  /elparolado. /     Nun, samideanoj, mi |deziras por vi c~iuj felic~an vojag~on
deziras        |parolo8.txt     102| vortojn "tion mi postulas" au~ "tion mi |deziras".   Neniam mi provis /altrudi al
deziras        |parolo2.txt      97|     en tiu formo kaj grado, kiel li mem |deziras, au~ --- se li volas /--- ec~ tute
deziras        |parolo2.txt      58|  iu sian regadon, kaj la sola, kion ili |deziras, estas nur, ke oni /lasu ilin trankvile
deziras        |parolo6.txt      41|       kiujn ni atendas de g~i? /Kial ni |deziras, ke g~i estu nepre sur fundamento
deziras        |parolo8.txt     191| vi ankorau~ en rolo oficiala, kaj mi ne |deziras, ke mia privata kredo /estu rigardata
deziras        |parolo8.txt     139| au~ konvinkoj de tiu au~ alia el vi, mi |deziras, ke tio neniun el vi /g~enu kaj
deziras        |guildhal.txt     84|    filoj - au~ c~u tiuj personoj, kiuj /|deziras, ke vi apartenu nur al ili, kaj
deziras        |parolo4.txt     195|       /al voc~donado nur tion, kion ili |deziras. /     Se iu diras al vi, ke oni
deziri         |parolo3.txt      20|    en kia granda nombro ili aperis, por |deziri /al ni bonvenon!   Tio c~i montras
deziro         |parolo8.txt     104|             standardon, mi --- lau~ via |deziro --- dum /dudek kvin jaroj plenumadis
deziro         |parolo7.txt      91|   interkonsento kaj konforme al la vera |deziro de la tuta /esperantistaro. /  
deziro         |parolo2.txt     148|     ilin pri granda /krimo, nome pri la |deziro, helpi al iom-post-ioma unuig~o
deziro         |parolo6.txt     189|     nun /akiris.   Tio estas ne nia pia |deziro, sed tion plene certigas al ni simpla
deziroj        |parolo3.txt     230|  konformig~i c~iufoje al la opinioj kaj |deziroj de la /plimulto de la kongresanoj.
dezirojn       |parolo6.txt     105|    nur simple esprimus sian opinion kaj |dezirojn pri /diversaj farindaj s~ang~oj
dezirojn       |parolo4.txt     185|        al la tuta esperantistaro siajn /|dezirojn, diras ordinare, ke ili havas
deziron        |parolo4.txt     175|      fari tion au~ alian, prezentu vian |deziron al la /Lingva Komitato.   Se tiu
deziron        |parolo2.txt       2|          Mi esperas, ke mi plenumos la /|deziron de c~iuj alestantoj, se en la momento
deziron        |parolo7.txt       5|          Mi /esperas, ke mi esprimos la |deziron de c~iuj kongresanoj, se mi proponos,
deziron        |parolo7.txt      75|  eblon c~iam scii /la veran opinion au~ |deziron de la tuta esperantistaro.   Esperanto
deziron        |parolo8.txt      36|       pikas al ni la okulojn kaj /vekas |deziron de refarado.   Lingvo artefarita
deziron        |parolo1.txt     177|           kaj mistera, kaj mi sentas la |deziron faciligi la koron per ia /preg~o,
deziron        |parolo7.txt     104|    kaj kiu cetere /havas nek rajton nek |deziron solvi c~iujn disputojn propradecide.
deziron        |parolo7.txt      46|  dankon /por lia granda laboro kaj nian |deziron, ke li vivu ankorau~ longe kaj
dezirus        |parolo5.txt      27|  niaj kongresoj.   Forte, tre forte /mi |dezirus forrifuzi mian por mi tro turmentan

[Fig. 2]

esperas        |parolo6.txt      18|           /balbutigi unu la alian.   Ni |esperas, ke dank' al nia laborado pli au~
esperas        |parolo4.txt      13| taksos la gravecon de tiu c~i fakto; mi |esperas, ke g~i /estos komenco de tiu nova
esperas        |parolo1.txt     131|    nomon la mondo neniam forgesos.   Mi |esperas, ke mi /esprimos la opinion de
esperas        |parolo7.txt       5|                super nia kongreso.  Mi /|esperas, ke mi esprimos la deziron de c~iuj
esperas        |parolo2.txt       1| Estimataj sinjorinoj kaj sinjoroj!   Mi |esperas, ke mi plenumos la /deziron de
esperas        |ferma6a.txt      22|        vojon!   Felic~an vojag~on! kaj /|esperas, ke mi vidos grandan parton el
esperas        |ferma6b.txt      22|        vojag~on al viaj /hejmoj, kaj mi |esperas, ke ni c~iuj, au~ almenau~ granda
esperas        |parolo6.txt      23|  /invitas vin, filoj de Usono.   Kaj ni |esperas, ke nia voko ne restos vana, /sed
esperas        |parolo3.txt     156|        /por Esperanto nur tial, c~ar ni |esperas, ke pli au~ malpli frue, eble post
esperas        |parolo6.txt      31|   vivo, por alporti al vi semon; kaj ni |esperas, ke post nia /foriro tiu semo potence
esperas        |uea1909.txt      42|   da bono por nia afero, kaj mi tutkore |esperas, ke U.E.A. faros /c~iam pli gravajn
esperas        |parolo8.txt     204|  ni nian restadon dum la kongreso.   Mi |esperas, ke, revenante en sian /hejmon,
espereblaj     |parolo8.txt     190|  la /esperantismon, pri g~ia esenco kaj |espereblaj sekvoj; sed hodiau~ mi staras
espereble      |parolo4.txt     203|    mi elektis.   G~i /estas la unua kaj |espereble ankau~ la lasta fojo en la historio
esperinte      |parolo7.txt      49|          Mi staras hodiau~ antau~ vi ne |esperinte.   C~ar dum la /lasta tempo la
esperis        |parolo3.txt      43|        kaj /Prof-on Michael Foster, kiu |esperis nin akcepti en Kembrig~o.   Fine,
espero         |parolo2.txt     102|      la sekvantajn /vortojn: "C~iu alia |espero au~ revo, kiun tiu au~ alia persono
espero         |parolo6.txt       9|   /vidama turismo ens~ipigis nin, ne la |espero de ia komerca akiro pelis nin al
espero         |parolo3.txt       8|  /ne estas malfacile antau~vidi, ke nia |espero nin ne trompos, c~ar tion c~i /garantias
espero         |parolo8.txt     178|     Kun /maldolc~a sento de neplenumita |espero vi eble demandos: c~u en sia lasta
espero         |parolo8.txt     168|    standardo estis skribitaj la vortoj "|espero, /obstino kaj pacienco"; tio tute
esperoj        |parolo5.txt       6|     la sama ideo, la samaj aspiroj kaj /|esperoj, kortus~ite diris al si reciproke
esperoj        |parolo5.txt      58|    penado kaj laborado, al via celo kaj |esperoj. /En via nomo mi esprimas al la
esperon        |parolo4.txt      64| senvalora gazeto donis al niaj pioniroj |esperon kaj kurag~on; c~iu atakanta /vorto
esperon        |parolo4.txt      39|  vigle revivig~is, kaj ni /havas plenan |esperon, ke post nia nuna kongreso, kiam
esperu         |parolo7.txt     109|   gravaj inter niaj kongresoj.  Tion ni |esperu.   C~iu el ni /havu la firman decidon,

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