(注)東北大学では、セメスターに次のような番号をつけている。
4-9月 | 10-3月 | ||
1年次 | 1 | 2 | |
2年次 | 3 | 4 | |
3年次 | 5 | 6 | |
4年次 | 7 | 8 |
1. 基本方針
近年、認知科学・認知心理学の方法や成果をもとに、社会調査法に反省・検討を加ようという試みが行われるようになってきた。そのひとつの流れが、教科書として取り上げるSirken, et al. (1999) などの CASM (Cognitive Aspects of Survey Methodology) である。このような研究動向についてレビューするとともに、そこでの知見を社会調査の現場(企画・準備・実査から成果報告に至るまでのプロセス)に活かす道を探究する。
2. 教科書・参考書
2.1 教科書
3. 授業の進め方
教科書のうち、Chaps. 6, 7, 8, 9, 10, 12, 13, 15, 16, 19, 20, 21 を取り上げて、内容の把握、疑問・問題点の指摘と討論を行う。ひとつの章につき1人の報告者が報告する。他の参加者も事前にその章を読んでおき、質問・コメントを行う。その上で、全員で討論する。
以上の討論を踏まえ、社会調査の方法をどのように向上させていけばよいかについて、ともに考えて行きたい。
4. スケジュール(予定) ──────────────────────────────────────────── 回 月/日 内容 担当 ──────────────────────────────────────────── 1 10/ 1 授業計画の説明、担当の決定 8 (休講) 2 15 6. Making Sense of Questions: An Interactional Approach 3 22 7. The Respondent's Confession: Autobiographical Memory in the Context of Surveys 4 29 8. Context Effects on Answers to Attitude Questions 5 11/ 5 9. Is the Bandwagon Headed to the Methodological Promised Land? Evaluating the Validity of Cognitive Interviewing Techniques 6 12 10. Income Reporting in Surveys: Cognitive Issues and Measurement Error 7 19 12. A Linguistic Look at Survey Research 26 (行動科学集中講義のため休講) 8 12/ 3 13. The Use of Computational Cognitive Models to Improve Questions on Surveys and Questionaires 9 10 15. Survey Error Models and Cognitive Theories of Response Behavior 10 17 16. New Connectionist Models of Mental Representation: Implications for Survey Research 11 1/ 7 19. Customizing Survey Procedures to Reduce Mesurement Error 12 14 20. Visualizing Categorical Data 13 21 21. Statistical Graphs and Maps: Higher Level Cognitive Processes 28 (予備日) ──────────────────────────────────────────── *参加者が少ない場合、取り上げる章やスケジュールを変更することがある。
5. レポート課題
5.1 課題
自分の担当した章のうちひとつについて、授業時間での討論を活かして、その内容を紹介するとともに、コメントを加えた文章を作成する。
5.2 書式
ワープロを使用し、A4判の上質紙に横書きで印字する。1頁あたり35行、1行あたり全角40字を目安とし、文字サイズ・マージンは見やすいように工夫する。図表・引用文献リスト等を含めて、5枚以上8枚以下にまとめる。(図表の大きさ、レイアウトも見やすいように工夫する。)
5.3 提出期限と提出場所
2003年2月12日(水)、17:00まで。行動科学分析室にあるレターケースの木村の棚に。
6. その他
6.1 オフィス・アワー
*曜日、**:**-**:**とする。
6.2 成績評価
成績は期末レポートおよび授業での活動をもとに総合的に評価する。
1. 基本方針
人々は自分の住んでいる社会のしくみについてどのようなイメージを持っているのだろうか。そのイメージは人の社会的地位(社会階層)とどのような関係があるのだろうか。また、そのイメージはどのようなプロセスで形成されるものなのだろうか。
以上のような問いについて、広い意味での階層意識(階層構造のイメージ、不公平感、性別役割意識など)に関する従来の計量的研究の成果を、「認知社会学」的な観点から再構成することによって、考察したい。既に何人かの研究者が「認知社会学」を提唱してきているけれども、ここで考えているのは、Boudon (1990, 1996) の考えに近いものである。
2. 主な参考文献
3. 授業の進め方
主要参考文献についての解説と検討を中心に、講義を行う。(自分の研究によるものについては、できるだけ「研究の舞台裏」がわかるような話し方にしたい。)一方的に話す形にならないように、随時、質問を出し、「考え」てもらう機会をつくりたい。
4. スケジュール(予定) ──────────────────────────────────── 回 月/日 内容 ──────────────────────────────────── 1 10/ 4 授業計画の説明 2 11 「認知社会学」と階層意識の計量的研究 3 18 階層構造のイメージ(1):Fararo=Kosakaのモデル 4 25 階層構造のイメージ(2):Fararo=Kosakaのモデル(続) 5 11/ 1 階層構造のイメージ(3):データによる検証 6 8 階層構造のイメージ(4):残された課題 15 (日本社会学会のため休講) 7 22 不公平感の形成過程(1):自己利益正当化か客観的判断か 8 29 不公平感の形成過程(2):データによる検証と課題 9 12/ 6 有配偶女性の学歴、就業形態と性別役割意識(1):従来の仮説 10 13 有配偶女性の学歴、就業形態と性別役割意識(2):仮説の提唱 11 20 有配偶女性の学歴、就業形態と性別役割意識(3):検証と課題 12 1/10 「認知社会学」の確立をめざして(1) 13 17 「認知社会学」の確立をめざして(2) 23 (予備日) ────────────────────────────────────
5. レポート課題
5.1 課題
広い意味での階層意識に関する計量的研究の中から興味を持ったもの取り上げ、その内容を紹介するとともに、それが「認知社会学」的研究に対してどのような貢献をなし得るものかについて、検討を加える。
5.2 書式
ワープロを使用し、A4判の上質紙に横書きで印字する。1頁あたり35行、1行あたり全角40字を目安とし、文字サイズ・マージンなどは見やすいように工夫する。この書式で3枚以上5枚以内とする(引用文献リスト・図表を含む)。
5.3 提出期限と提出場所
2003年2月7日(金)まで。行動科学分析室にある(スタッフへの配布物用の)レターケースの木村の棚に入れる。
6. その他
6.1 オフィス・アワー
*曜日、**:**-**:**とする。
6.2 成績評価
成績は、レポートと、出席や議論への参加の状況とにより、総合的に判断する。