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『英語コーパス研究会Newsletter』16(1997)掲載

Dr McEnery来日

Corpus Linguistics (Edinburgh University Press, 1996)の共著者の一人 として知られる Lancaster大学講師 Dr. Mark Anthony McEneryは、 1997年 1月から 3月までの 3か月間東北大学に滞在した。今回の来日は高度化推進 経費による外国人研究員として東北大学文学部言語交流学講座が招いたもの だが、いくつかの偶然が作用して急遽決まったというのがむしろ正しい。教 官と大学院生を対象に数度の講義を行うほかは特に義務のない恵まれた条件 で、研究活動に集中していただけた。目に見える形での成果は WWWを利用し たコーパス言語学の遠隔教育の試みで、東北大学文学部言語学研究室の Web ページ内に McEnery & Wilson's Corpus Linguistics (http://www.sal.tohoku.ac.jp/~gothit/corpus1/index.htm) として実現された。練習問題のページもあるので、ご利用の上、 McEnery氏に感想をフィードバックしていただけるとありがたい。

McEnery氏は R. Garsideおよび G. Leechとの共編で今年 Longmanから Corpus Annotationと題する本を出版予定である。校正刷りを拝見することが できたが、 Lancaster大学の UCREL (University Centre for Computer Corpus Research on Language)の メンバーを中心とする執筆者による corpus annotationに関するこれまでの成果の総まとめであって、これが彼の 周辺での現在の関心の中心であると思われた。彼が 2月 21日に東京大学に 招かれて行ったトークも Corpus Annotation at Lancasterと題されていた。 これに関連して、日英など多言語のコーパスの研究開発も念頭においている とのことである。彼は気さくな人柄で、多くのことがスムーズに運んだ。 彼との話のなかでは常に、具体的なコーパスの取り扱いに先だってコーパスを 使う意義についての深い方法論的な考察があることが明瞭にうかがわれ、 これが私には印象的であった。

後藤 斉 (東北大学文学部 gothit/at/tohoku.ac.jp)


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