はじめに

 2011年10月15日から17日に東北大学で開催されました第62回美学会全国大会では、2日目に当番校企画のひとつ、「若手研究発表フォーラム」が開かれました。発表者の中には修士課程の大学院生も多く、荒削りな部分も見られましたが、多数の方にお集まりいただき、活発な質疑応答が繰り広げられました。しかし、当番校企画であるため雑誌『美学』には題目のみで、要旨は掲載されません。そこで前年度の関西学院大学における「若手研究発表フォーラム」の先例にならい、電子媒体の発表集を制作し、インターネット上で公開することにいたしました。
 発表報告集という性格上、実際に発表した内容からの変更は最小限にとどめていただきました。また、原稿掲載はあくまでも発表者の任意によるものです。完璧を期して論文の形で発表したいなどのさまざまな理由により、発表者の希望で発表要旨のみを掲載したものもあります。ご了承ください。
 これから育っていく若手研究者たちを、暖かく見守っていただければ幸いです。

2012年3月31日

第62回美学会全国大会 実行委員会

完全版PDFのダウンロード

『若手研究者フォーラム発表報告集』の印刷用デジタルデータ(PDF形式)をダウンロードできます。

若手研究者フォーラム発表報告集【完全版】(A4版168頁、1.3MB)

発表者ごとの「発表報告」が必要な場合、下記の「目次(個別PDFのダウンロード)」から入手してください。

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目次(個別PDFのダウンロード)

 タイトルをクリックすると、発表者ごとの「発表報告」(本文8000字程度の報告文、PDF形式)、あるいは、大会当日に配布された冊子『発表要旨集』掲載の「発表要旨」(1200字程度、PDF形式)を閲覧できます。

10月16日(日)
【若手研究者フォーラム】(文学部第1講義室、第2講義室、視聴覚教室、133、315、337、411号室)

会場A「美学」
9:30~10:00
バウムガルテンにおける美の規則の「例外」
井奥陽子(東京芸術大学)
10:05~10:35
ヒュームの美学/批評学―ヒュームにおける趣味の基準―
峯岸明弘(東京芸術大学)
10:45~11:15
ショーペンハウアーにおける芸術観照の問題
―『意志と表象としての世界』及び、初期著作における「イデア」の把握と身体性をめぐって

西山友子(上智大学)
11:20~11:50
ベルクソンの生命論における「物質」概念の芸術論的解釈
―『創造的進化』を中心に―

持地秀紀(上智大学)
会場B「音楽」
9:30~10:00
ドビュッシーによる音楽的表象としての「扇」
―マラルメのテクストの詩的表象との関係をめぐって

関野さとみ(桐朋女子高等学校)
10:05~10:35
ベートーヴェン《ミサ・ソレムニス》のヘーゲル主義的解釈
―「器学的なもの」に表われる「懐疑」の問題として―

清水康宏(東京大学)
10:45~11:15
ヨハン・マッテゾンの音楽論における〈経験〉
―自然と旋律との関わりから―

米良ゆき(九州大学)
11:20~11:50
ドゥルーズにおける旋律論
―受動的総合と能動的総合の概念を手掛かりに―

織田理史(上智大学)
会場D「西洋近現代の諸相」
9:30~10:00
ウィリアム・ブレイクの悪魔観
―善/悪の対立とその両義性をめぐって―

岡野朱里(岡山大学)
10:05~10:35
ダンディズムにおける「演劇性」と「流動性」
―バルベー・ドールヴィイを中心に―

佐藤友一郎(京都大学)
10:45~11:15
ルネ・マグリットの《孤立した風景》―「太陽の時代」再考
吹田映子(筑波大学)
11:20~11:50
「光のディスプレイ」としての絵画
―モホリ=ナジ作《Cel 4》(1926-1935)を中心に

川島恵(慶応義塾大学)
会場E「西洋美術史」
9:30~10:00
バンベルク大聖堂の《騎馬像》
―雅歌に由来するイメージ・プログラムとしての解釈の試み

仲間絢(京都大学)
10:05~10:35
ヤン・ホッサールトの肖像画背景に描かれた
大理石パネルをめぐる一考察

篠崎亮(東北大学)
10:45~11:15
17世紀版画市場とレンブラント
山田今日子(北海道大学)
11:20~11:50
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール《妻に嘲弄されるヨブ》の再考
―「悔悛」するものとしてのヨブ―

兒玉朋子(京都大学)
会場F「日本近代」
9:30~10:00
美的反省について
―川端文学に於ける鏡の世界からみて

グェン・ルン・ハイ・コイ(日本大学)
10:05~10:35
稲垣足穂と佐藤春夫、二人の〈部屋〉小説
―大正期「生活改善運動」との関係から

旦部辰徳(京都大学)
10:45~11:15
竹久夢二とどんたく社同人による「雛によする展覧会」
王文萱(京都大学)
11:20~11:50
岸田劉生と “美術批評家” としての和辻哲郎
―鵠沼時代の交友を中心に

田中純一朗(学習院大学)

奥付

第62回美学会全国大会 若手研究者フォーラム発表報告集

発行
第62回美学会全国大会実行委員会
〒980-8576 宮城県仙台市青葉区川内27-1
東北大学大学院文学研究科
美学・西洋美術史研究室内
Tel:022-795-6019
印刷
今野印刷株式会社
2012年3月23日発行