(注)東北大学では、セメスターに次のような番号をつけている(学部・大学院それぞれ)。
4-9月
10-3月
1年次
1
2
2年次
3
4
3年次
5
6
4年次
7
8
1. 基本方針
「相対的剥奪」研究は、特に社会心理学・社会学の分野で、約50年以上にわたる蓄積がある。また、経済学・政治学の分野でも、「相対的剥奪」の考え方を取り入れた研究が行われている。「相対的剥奪」は、格差や不平等に関する学際的研究のひとつの焦点になっているのである。
そこで、この演習では、主に(広い意味での)社会心理学的視点から、相対的剥奪に関して精緻化や展開や他の理論との統合などを目指した論考を収録した論文集 (Walker and Smith 2002) を教科書として、ジェンダー、エスニシティなどの属性にもとづく格差・不平等の認知が、どのようなプロセスを経て、人々の公正感や偏見、社会運動参加などをもたらすのかについて、考察する。
2. 教科書・参考文献
【教科書】
【参考文献】
参考文献については、教科書に引用されている文献にあたってみるのはもちろんのこと、できれば各自が自発的に、文献検索を行うなどして、見つけてきて、活用してほしい。ただし、木村も相談に乗るので、アポイントを取った上で木村の研究室に来ていただければ幸いである。
3. 授業の進め方
教科書のうち、Chaps. 1, 2, 3, 5, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 16 を取り上げて、内容の把握、疑問・問題点の指摘と討論を行う。(Chap.16 では、授業で取り上げる予定がない章に関する言及も多く含まれているので、これらの章についても目を通しておくことが望ましい。)原則としてひとつの章につき1人の報告者が報告する。他の参加者も事前にその章を読んでおき、質問・コメントを行う。その上で、全員で討論する。
以上の討論を踏まえ、格差と相対的剥奪に関する、社会心理学を中心とした学際的研究を、どのように発展させていけばよいかについて、ともに考えて行きたい。
4. スケジュール(予定) ─────────────────────────────────────────── 回 月/日 内容 担当 ─────────────────────────────────────────── 1 4/ 9 授業計画の説明、担当の決定 16 (発表の準備・相談) 2 23 1. Fifty Years of Relative Deprivation Research 3 5/ 7 2. Fraternal Deprivation, Collective Threat and Racial Resentment 4 14 3. Understanding the Nature of Fraternalistic Deprivation 5 21 5. Is It Just Me? 6 28 8. The Embeddedness of Social Comparison 7 6/ 4 9. Japanese and American Reaction to Gender Discrimination 8 11 10. Collective Action in Response to Disadvantage 9 18 11. Social Identity and Relative Deprivation 10 25 12. Relative Deprivation and Counterfactual Thinking 11 7/ 2 13: Relative Deprivation and Attribution 12 9 16. Summing Up 13 23 総合的討論 ─────────────────────────────────────────── *内容・日程については、授業の進行状況などに応じて変更することがある。
5. レポート課題
5.1 課題
(1) 学部学生の場合
自分が担当した章(のうちひとつ)について、(もちろん他の章との関係を意識しながら)内容の要約とコメントを行う。ただし、そのコメントは、今後(自分や他の人が)どのような研究をしていけばよいのか、ということを考える上で建設的なものであること。この課題に取り組むことで、既存の研究をもとに自分がどのように研究を展開していけばよいのか、というイメージをつかんでいただければ幸いである。
(2) 大学院生の場合
自分が担当した章(のうちひとつ)について、(もちろん他の章との関係を意識しながら)内容の要約とコメントを行うとともに、英語で書かれた関連文献を自分で検索し、自分の担当した章の内容やその後の展開が、相対的剥奪に関するこれまでの研究の歴史の中で持っている意味と、今後の研究の展開にとって持つ意義について考察する。(もちろん、執筆の過程でさらに他の文献を参照することはかまわないし、むしろ推奨したい。)できれば、自分が利用可能な調査データで追試や展開を試みてみる。
注意:近年のレポートには、レポート課題の趣旨から離れた内容や形式のものが見受けられることがある。このようなレポートの成績は「不可」とするので注意してほしい。
5.2 書式
ワープロを使用し、A4判の上質紙に横書きで印字する。『行動科学研究マニュアル』の「卒研報告・修士論文執筆要項」に準じた書式とする。具体的には、A4判の紙に30行×35〜40字(全角)で印字(横書き)。ただし、マージンは上・下30mm、左・右25mmとする。この書式で5枚以上8枚以内とする(引用文献リスト・図表を含む)。(少々長くなる分にはかまわないが、冗長になりすぎるのも問題なので、一応この枚数を目安とする。)
レポートの冒頭には、タイトル、学籍番号・氏名、提出日を記しておく。また、ページ番号をふっておくこと。
5.3 提出期限と提出場所
2012年8月13日(月)まで。行動科学分析室にある(スタッフへの配布物用の)レターケースの木村の棚に入れる。
6. その他
6.1 オフィス・アワー
*曜日、**:**-**:**とする。
6.2 成績評価
成績は期末レポートおよび授業での活動をもとに総合的に評価する。
6.3 【重要】【重要】夏休みにしておいてほしいこと
(学部3年生が第6セメスターの行動科学演習「階層意識の計量分析」を履修する場合)
第6セメスターの行動科学演習「階層意識の計量分析」を履修する意思のある人は、夏休み中に、階層・階級と教育・ジェンダー・家族・労働・社会的態度(社会意識)に関する文献を自分で検索し、興味を持ったものを読み、利用可能な社会調査データを用いて先行研究の知見を追試するにはどのようにすればよいか、あらかじめ予備的な検討をしておいてほしい。さらに、それと自分自身の卒業研究・卒業論文の構想とがどのように関連するかについても、考えてほしい。もちろん、夏休み中でも随時相談に乗るので、分からないことなどがあれば、木村の研究室に(アポイントメントを取った上で)来ていただければ幸いである。
1. 基本方針
近年、認知科学・認知心理学の方法や成果をもとに、社会調査法に反省・検討を加ようという試みが行われるようになってきた。そのひとつの流れが、教科書として取り上げるSirken, et al. (1999) などの CASM (Cognitive Aspects of Survey Methodology) である。このような研究動向についてレビューするとともに、そこでの知見を社会調査の現場(企画・準備・実査から成果報告に至るまでのプロセス)に実践的に活かす道を探究する。あわせて、このアプローチから調査者−被調査者関係に関してどのような洞察が得られ、それが社会調査の倫理の問題について考える際にどのように役立つかも検討する。
2. 教科書・参考文献
2.1 教科書
2.2 主な参考文献
3. 授業の進め方
教科書のうち、Chaps. 6, 7, 8, 9, 10, 13, 15, 16, 19, 20, 21 を取り上げて、内容の把握、疑問・問題点の指摘と討論を行う。ひとつの章につき1人の報告者が報告する。他の参加者も事前にその章を読んでおき、質問・コメントを行う。その上で、全員で討論する。
以上の討論を踏まえ、社会調査の方法をどのように向上させていけばよいかについて、ともに考えて行きたい。
4. スケジュール ─────────────────────────────────────────── 回 月/日 内容 担当 ─────────────────────────────────────────── 1 10/ 4 授業計画の説明、担当の決定 11 (行動科学集中講義のため休講) 18 報告の準備・相談 2 25 6. Making Sense of Questions: An Interactional Approach 3 11/ 1 7. The Respondent’s Confession: Autobiographical Memory in the Context of Surveys 4 8 8. Context Effects on Answers to Attitude Questions 5 15 9. Is the Bandwagon Headed to the Methodological Promised Land? Evaluating the Validity of Cognitive Interviewing Techniques 6 22 10. Income Reporting in Surveys: Cognitive Issues and Measurement Error 7 29 13. The Use of Computational Cognitive Models to Improve Questions on Surveys and Questionnaires 8 12/ 6 15. Survey Error Models and Cognitive Theories of Response Behavior 9 13 16. New Connectionist Models of Mental Representation: Implications for Survey Research 10 20 19. Customizing Survey Procedures to Reduce Measurement Error 11 1/10 20. Visualizing Categorical Data 12 17 21. Statistical Graphs and Maps: Higher Level Cognitive Processes 13 24 総合討論 ─────────────────────────────────────────── *参加者の人数などに応じて、取り上げる章やスケジュールを変更することがある。
5. レポート課題
5.1 課題
自分の担当した章のうちひとつについて、授業時間での討論を活かして、その内容を紹介するとともに、コメントを加えた文章を作成する。その際、その章に関連した最近の文献を自分で検索して読み、その文献から得た情報も活用すること。
5.2 書式
ワープロを使用し、A4判の上質紙に横書きで印字する。『行動科学研究マニュアル』の「卒研報告・修士論文執筆要項」に準じた書式とする。具体的には、A4判の紙に30行×35〜40字(全角)で印字(横書き)。ただし、マージンは上・下30mm、左・右25mmとする。この書式で5枚以上8枚以内とする(引用文献リスト・図表を含む)。(少々長くなる分にはかまわないが、冗長になりすぎるのも問題なので、一応この枚数を目安とする。)
レポートの冒頭には、タイトル、学籍番号・氏名、提出日を記しておく。また、ページ番号をふっておくこと。
5.3 提出期限と提出場所
2013年2月7日(木)まで。行動科学分析室にある(スタッフへの配布物用の)レターケースの木村の棚に入れる。
6. その他
6.1 オフィス・アワー
*曜日、**:**-**:**とする。
6.2 成績評価
成績は期末レポートおよび授業での活動をもとに総合的に評価する。
1. 基本方針
現代社会を特徴づける人間活動のひとつである社会調査について、その進め方(調査内容の決定、調査対象の決定、調査の実施方法、調査結果の分析方法とまとめ方)を知るとともに、その歴史と成果について学習する。個人が身の回りからさまざまな情報を得る場合と社会調査との違いに着目しながら、細かい技法よりも、基本的な考え方を修得することを目指す。
なお、この授業科目は社会調査士資格認定標準科目Aに対応している。(社会調査士資格認定標準科目Bに対応している)第4セメスターの行動科学概論(「社会調査の実際」)とあわせて履修することが望ましい。また、第3セメスターで同時に開講されている「人文統計学」(社会調査士資格認定標準科目Cに対応)も受講していれば、なお理解が深まるだろう。
2. 教科書・参考書
【教科書】
【参考文献(特に重要なもののみ】
3. 授業の進め方
基本的に、教科書に沿って授業を進めていく。ただし、教科書8章5節と13章の内容については第4セメスターの行動科学概論(「社会調査の実際」)で取り上げること、14章は扱わないことに注意していただきたい。また、教科書は放送大学のテキストなので、簡略にしか書かれていない傾向もある。そこで、教科書の内容を補足するための資料を随時配布し、もう少し厳密に説明を加える。
なお、この補足資料とは別に、木村が各回の内容について特に大事と思われる点について、「問い」の形で記したメモも配布する。授業中には、このメモに書かれた問いに関して、受講生から発言・意見を求め、その発言・意見を糸口にして解説を加えていく(そしてさらに受講生からの質問や意見などを求めていく)という形を取りたい。そのためには予習・復習を欠かさないでいただきたい。この意味で、基本的に、「講義を一方的に聞いているだけ」では十分ではないので、注意していただきたい。
遅刻は厳禁である。その理由は主に2つある。第一に、諸君が話を途中から聞いてもおそらく理解できないからである。第二に、諸君が社会調査という、「ソーシャル・スキル」がとりわけ求められる活動を志す者であるならば、約束の時刻を守るということの重要性を理解してほしいと考えているからである。
4. スケジュール(予定) ─────────────────────────────────────────── 回 月/日 内容 ─────────────────────────────────────────── 1 4/ 9 授業計画の説明 1. 現代社会と社会調査 2 16 2. 社会調査の用途と歴史 3 23 3. 調査内容の決定(1): 調査テーマと調査事項 4 5/ 7 4. 調査内容の決定(2): 調査票の作成 5 14 5. 調査対象の決定(1): 標本調査の方法 21 (文学部2年次学生健康診断のため休講) 6 28 6. 調査対象の決定(2): サンプリング分布と統計的推測(その1) 7 6/ 4 6. 調査対象の決定(2): サンプリング分布と統計的推測(その2) 8 11 7. 調査の実施と処理(1): 実査と調査員 8. 調査の実施と処理(2): 調査票の点検とデータ作成 9 18 9. 結果の集計と分析(1): 基本統計量 10. 結果の集計と分析(2): 因果分析の方法(その1) 10 25 10. 結果の集計と分析(2): 因果分析の方法(その2) 11 7/ 2 11. 聴取調査の方法 12 9 12. 調査報告をまとめる 13 23 15. 調査者と被調査者 14 8/ 6 期末試験 ─────────────────────────────────────────── *内容・日程については、各種行事日程などに応じて変更することがある。
5. 期末試験について
8月6日(月)に、期末試験を実施する。問題の形式は「論述式」を予定している。授業の内容を理解した上で柔軟な思考ができるようになっていないと解答できないような内容の問題を考えている。言い換えると、問題の水準は、教科書と配付資料を使って予習復習をしっかりとし、授業に毎回出席して説明を聞いたりわからないことについて質問したりしなければ、合格点をとることが難しいところに設定している。「単に授業を(受け身的に)聞いていればよく、特に試験の準備はいらない」、あるいは「出席が成績評価の対象になっていないから授業に出なくても大丈夫」、などと思わないでいただければ幸いである。
なお、(筆記用具以外では)教科書・参考書・配付資料・ノート・参考文献・電卓・定規のみ、持ち込み(使用)を許可する。持ち込み(使用)不可とするものの例としては、携帯電話、電子辞書、パソコンなどを挙げておく。(たとえば、携帯電話の電卓機能を使うのは不可とする。メール等によってカンニングをしているのと外見上区別がつかないためである。「李下に冠を正さず!」)
6. その他
6.1 オフィス・アワー
*曜日、**:**-**:**とする。
6.2 成績評価
成績は、基本的に期末試験の得点による。ただし、合否ぎりぎりのラインにある場合には、出席状況(遅刻をしないことなども含む)や授業運営に対する貢献を考慮する。
1. 基本方針
社会調査を遂行していく上で理解しておくべき、データ蒐集やデータ分析の主要な技法について解説する。基本的な考え方と同時に、現実に遭遇する具体的な問題を取り上げ、どのように実際的に対処していくかという観点を重視して解説する。特に、標本抽出の考え方、測定・因果推論の考え方、社会調査研究の具体例の紹介に重点を置く。社会調査データの分析手法の基礎については、この社会調査の具体例を紹介する中で説明する。
なお、この授業科目は社会調査士資格認定標準科目Bに対応している。第3セメスターの行動科学概論(「社会調査の基礎」、社会調査士資格認定標準科目Aに対応)をすでに履修している(できれば単位を取得している)ことが望ましい。
これに関連して、話の流れや時間的な制限などの理由から、第3セメスターの行動科学概論(「社会調査の基礎」)で取り上げることのできなかった、パネル調査・国際比較調査やテキスト・データ分析などに関することは、この授業の方で取り上げる。他方、調査票設計・ワーディングや因果推論の基礎などについては、すでに第3セメスターの行動科学概論(「社会調査の基礎」)で、ある程度詳しく説明したし、他の授業でも扱われているので、この授業では省略したり、より高度な話題について解説したりすることにする。
2. 教科書・参考書
講義全体を通しての「教科書」となるものは特に指定しない。ただし、コーホート分析・パネル調査・国際比較調査について説明する際には、第3セメスターの行動科学概論(「社会調査の基礎」)の教科書である原・浅川 ([2005] 2009) を参照するので注意してほしい。そのほかの話題については、配付資料やコンピュータを用いたプレゼンテーションなどを適宜利用しながら、講義を進める。なお、特に重要な参考書のリストを以下に示しておく(この中には、授業で直接的に参照するものもある)。
【参考文献(特に重要なもののみ;その中でも*印は必携)】
3. 授業の進め方
基本的に、各回の内容に即した配付資料やコンピュータを用いたプレゼンテーションなどを適宜利用しながら、講義を進める。
この配布資料の中で、受講生が講義内容をどれくらい理解できているかを確認する手助けとなるような「問い」を提示する。授業中には、この問いに関して、受講生から発言・意見を求め、その発言・意見を糸口にして解説を加えていく(そしてさらに受講生からの質問や意見などを求めていく)という形を取りたい。そのためにも、ぜひ予習・復習を欠かさないでいただきたい。この意味で、基本的に、「講義を一方的に聞いているだけ」では十分でないので、注意していただきたい。
なお、遅刻は厳禁である。その理由は主に2つある。第一に、諸君が話を途中から聞いてもおそらく理解できないからである。第二に、諸君が社会調査という、「ソーシャル・スキル」がとりわけ求められる活動を志す者であるならば、約束の時刻を守るということの重要性を理解してほしいと考えているからである。
4. スケジュール(予定) ─────────────────────────────────────────── 回 月/日 内容 ─────────────────────────────────────────── 1 10/ 1 授業計画の説明 2 15 標本抽出の考え方の基礎(1):サンプリング分布と統計的推測 3 22 標本抽出の考え方の基礎(2):系統抽出、多段抽出、層化抽出 4 29 標本抽出の考え方の基礎(3):標本規模の決定 11/ 5 (木村が学会出張のため休講予定) 5 12 測定と分析の方法論的基礎(1):実験と社会調査の違い 6 19 測定と分析の方法論的基礎(2):測定と尺度構成(その1) 7 26 測定と分析の方法論的基礎(2):測定と尺度構成(その2) 8 12/ 3 コーホート分析とパネル調査:現状と課題(原・浅川 [2005] 2009, 13章) 9 10 国際比較調査:現状と課題(原・浅川 [2005] 2009, 13章) 10 17 社会調査の実際(1):階層帰属意識研究の例(重回帰分析など) 11 1/ 7 社会調査の実際(2):性別役割意識研究の例(ログリニア分析など) 12 21 社会調査の実際(3):テキスト・データ分析の例(多次元尺度構成法など) 13 28 期末試験 ─────────────────────────────────────────── *内容・日程については、授業の進行状況などに応じて変更することがある。
5. 期末試験について
最終日の1月28日(月)に、期末試験を実施する。問題の形式は「論述式」を予定している。授業の内容を理解した上で柔軟な思考ができるようになっていないと解答できないような内容の問題を考えている。言い換えると、問題の水準は、教科書と配付資料を使って予習復習をしっかりとし、授業に毎回出席して説明を聞いたりわからないことについて質問したりしなければ、合格点をとることが難しいところに設定している。「単に授業を(受け身的に)聞いていればよく、特に試験の準備はいらない」、あるいは「出席が成績評価の対象になっていないから授業に出なくても大丈夫」、などと思わないでいただければ幸いである。
なお、(筆記用具以外では)教科書・参考書・配付資料・ノート・参考文献・電卓・定規のみ、持ち込み(使用)を許可する。持ち込み(使用)不可とするものの例としては、携帯電話、電子辞書、パソコンなどを挙げておく。(たとえば、携帯電話の電卓機能を使うのは不可とする。メール等によってカンニングをしているのと外見上区別がつかないためである。「李下に冠を正さず!」)
原則として「追試験」は行わない。ただし、例外的に、病気・事故による通院・入院のため、あるいは災害などによる交通機関の不通のため、本人が試験日時に出席できない事態が生じ、かつそのことを授業担当者の木村邦博が客観的に確認できる場合にのみ(成績登録締め切りまでに間に合うのであれば)追試験の可能性を検討する。
6. その他
6.1 オフィス・アワー
*曜日、**:**-**:**とする。
6.2 成績評価
成績は、基本的に期末試験の得点による。ただし、合否ぎりぎりのラインにある場合には、出席状況(遅刻をしないことなども含む)や授業運営に対する貢献を考慮する。
1. 授業の目的
この実習の目的は、社会調査を行う上で必要となるさまざまな技法を、演習形式で修得することである。これらの技法を学ぶ中で、社会調査が実際にどのような形で行われるかを、ある程度、身をもって体験することが可能になるだろう。この体験は、諸君が将来、たとえば本格的な社会調査を行ったり既存の社会調査データの分析をしたりして卒業研究報告あるいは卒業論文を書く場合に、役に立つだろう。また、この経験を「一般化」すれば、在学中の様々な知的活動や卒業後の仕事などにも応用できるものと考えている。
この実習では、授業時間(および授業時間以外の時間)を利用して、テキスト(ただし、2.1, 2.3, 2.4, 2.5, 2.9, 2.10のみ使用)に指示された【作業】を行なうとともに、【問題】に解答し、その内容をレポートにまとめる。なお、作業については、基本的にグループで相談しながら行う。(最初からグループ分けする主な理由は、早い段階から「9. 調査票の作成」について相談を始めてもらうためである。)
2. テキスト
原純輔・海野道郎,2004,『社会調査演習 第2版』 東京大学出版会.
→生協文系書籍部の教科書売り場で販売している。資料のデータ等が異なるので、安いからといって古書店などで「第1版」を購入することのないように注意。
授業時には、テキストおよび電卓(√の計算ができるもの)を必ず持参のこと。
→電卓については、行動科学研究室にある関数電卓も使用可能である。非常に便利なので、使用したい者は申し出ること。なお、コンピュータ上で表計算ソフトなどを使用してもよい。
3. レポートについて
(1) レポートの内容
テキストの2.1, 2.3, 2.4, 2.5は、「作業」「問題」の両方について記述する。単に結果のみを報告するだけでなく、作業の途中経過・計算手順などの過程もなるべく詳しく記入すること。2.9と2.10については、別途指示する。
(2) レポートの形式
提出するレポートについては、次の形式に従って作成すること。
※「問題」は、理解のための手助けである。模範解答の丸写しではいけない。参考文献を読むなどした上で、自分の頭できちんと考えて、その結論とそこに至るプロセスとを丁寧に記述すること。また、作業や問題について、わからない点については、班のメンバー・TA・教員等と相談すること。(思い込みから誤ったことを書いてしまうことのないようにするためにも、的確なアドバイスをしてくれる人から支援を得ることが大切である。)
(3) レポートの提出期限
原則として、実習を行なった日の翌週の月曜日午後5時を提出期限とする(月曜日が祝日の場合は、その翌日を提出日とする)。
万一、遅れる場合には必ずあらかじめ連絡する。本人の都合による提出遅延は、成績評価の際に不利な扱いを受けることになるので注意すること。再提出を指示された者は、次週までに作り直して提出する。
(4) レポートの提出先
行動科学分析室のレポート提出箱に提出する。ただし、期限を過ぎて提出する場合には、本人が直接、TAに手渡す。
4. 授業日程 ─────────────────────────────────────────── 回 日付 内容 レポート提出期限 ─────────────────────────────────────────── 1 12/10/03 オリエンテーション 2 12/10/10 1. 系統抽出法と比率の推定 12/10/15 3 12/10/17 3. 統計的検定 12/10/22 4 12/10/24 4. クロス集計とエラボレイション 12/10/29 5 12/10/31 5. コウディング(職業分類) 12/11/05 6 12/11/07 9. 調査票の作成(1) 7 12/11/14 9. 調査票の作成(2) 8 12/11/21 9. 調査票の作成(3) 9 12/11/28 9. 調査票の作成(4) 10 12/12/05 9. 調査票の作成(5) 11 12/12/12 9. 調査票の作成(6) 12/12/17 12 12/12/19 10. 聴取調査(説明) (冬期休業) 10. 聴取調査(実施) 13/01/15 13/01/09 (休講) 13 13/01/16 聴取調査発表会(1) 14 13/01/23 聴取調査発表会(2) 13/01/30 (大学院入試) 15 13/02/06 (予備日、補講期間) ─────────────────────────────────────────── なお、事情により日程を変更することがある。その際には、別途連絡する。
5. 「調査票の作成」について
11月には、テキストの「9. 調査票の作成」の作業を行い、12月にかけて調査の実施および結果の集計をする。しかし、できるだけ早いうちから各班で相談し、調査テーマの候補をいくつかあらかじめ考えておくこと。(なお、この調査は、東北大学学生を対象として実施する、「実験的調査」であることに、注意していただきたい。)
6. 聴取調査について
冬期休業中に、テキストの「10 聴取調査」を行う。テキストを熟読した上で、できるだけ早い時期に適切な対象者を選び、協力してもらえるように依頼しておくこと。なお、できれば近親者・親類は避けた方がよい。
聴取調査の内容は1月の授業で発表してもらう予定である。レポートの作成と並行して、発表の準備もしっかりとしておくこと。
7. 成績評価
各回の出席とレポートの内容によって評価する。(ただし、すべてのレポートの提出が評価の前提である。)
8. オフィスアワーおよび連絡先
木村 邦博:********
大竹 哲明:********
9. 授業進行上での注意事項
(1) 無断遅刻は厳禁
本格的な社会調査では、必然的に大学外の人と関わることになる。特に大学外の「社会」では、遅刻は許されない。そのことを意識して、この実習では、「社会人」になったつもりで授業に臨んでほしい。また、遅刻が許されないのは、授業全体を通しては班での共同作業が中心になるため、遅刻者がいると作業に大きく支障をきたす、という実際上の理由もある。
万一、やむを得ない理由で遅刻・欠席する場合、必ず事前にTAまで連絡すること。無断で遅刻をした場合、出席点を減点する。
(2) 予習・復習について
特に予習の徹底を期待する。予習なしで授業に臨んだ場合、作業やレポート作成に時間がかかるだけでなく、共同作業で他の人にも迷惑をかける。各自が予習を行い、すぐ作業に取り組めるようにしておいて欲しい。
なお、【問題】に対するヒントが他の章に書かれている場合もある。(授業では取り上げない章も含めて)できるだけ先の章まで予習しておくとよいだろう。分からない用語等があれば、索引なども活用して欲しい。
(3) 教科書以外の情報について
レポート作成では、教科書以外の情報源も活用しなくてはならない。その情報源としてはまず、教科書以外の書籍・論文(特に、教科書に挙げられているもの)が考えられる。主要なものは、分析室の本棚にある「授業用参考書コーナー」にまとめて置いてある。また、分析室等にいる先輩(過去の実習受講者)からの情報もよく吟味した上で利用してほしい(ただし、先輩たちの卒論等の邪魔にならぬように気をつけよう)。
(4) 道具を大切に
特殊な定規や電卓・冊子・調査用具などを、授業中に貸し出す。これらの備品は、大事に扱い、必ず返却すること。万一破損・紛失があった場合、正直に申し出ること。
10. レポート例
(省略)