6世紀から14世紀にかけての東アジアにおける王宮・王都の比較宗教史研究を通して、東アジア世界における、各地域の「王権」の特色を示した。前近代東アジアにおける王宮・王都は、豊かな交流の結果、多くの共通性がみられる一方、時期や地域によって注目すべき大きな相違が存在する。これまでも考古学や文献史学により、その諸相が明らかになってきてはいるが、とくに王宮における宗教行事の比較研究が大きく立ち遅れている点に着目して著した一書である。