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東北大学大学院文学研究科・文学部 英語学研究室

英語学専修の紹介

英語学は、現代言語学の観点から英語の様々な側面を研究対象とする分野です。

英語の言語学的研究には、大きく分けると、英語が人間の言語としてどのような仕組みを持っているのかを研究する分野と、現実の談話場面でどのように用いられているかを研究する分野があります。英語の仕組みを研究する分野には、語がどのように組み合わされて文ができあがるかを研究する統語論(syntax)、音声上の仕組みを扱う音韻論 (phonology)、文や語の意味の問題を扱う意味論 (semantics)があります。統語論と音韻論では、生成文法 (generative grammar) と呼ばれる言語理論によって、大きな研究成果があげられています。意味論では、語の意味分析を行う語彙意味論(lexical semantics)、意味の数学的・論理的側面を扱う形式意味論などの研究により、近年急速な進展が見られます。一方、英語の現実の場面での用いられ方の研究としては、語用論(pragmatics)、機能論 (functionalism)、認知意味論などがあり、活発な研究が行われています。

これら二つの分野の研究が互いに補い合って、英語の総合的な研究が進められます。現代言語学による英語学研究は比較的若い学問ですので、短期間の内に世界の第一線で活躍することも不可能ではありません。さらに、英語学は、日本語・英語対照研究、第一・第二言語習得、言語障害、人工知能、認知科学等の分野とも密接な関連を持っており、これらの分野と関わる問題を研究テーマとする学生もいます。

英語学は、英語を研究対象とする学問の性格上、英語力の養成も欠かせません。授業はできるだけ英語の文献を用いて行われ、確かな読解力の養成が行われます。卒業論文を英語で書くことは、自己の英語表現力を確認し充実させる貴重な実践体験となります。文学部共通科目には英語論文作成法があり、英語母語話者による指導も受けられます。さらに、英語学専修では、現代言語学の思考法や議論の仕方を通して、欧米の論理的なものの見方や表現の仕方を理解することにも力を入れています。

英語の研究は世界中で行われていると言っても過言ではありません。そこで、世界的視野に立って研究を進めることが必要となりますが、英語学研究室では、全国的な研究ネットワークやインターネットを通して、欧米諸国を中心とした最新の研究成果が迅速に入手できる体制がとられています。また、海外の一流の研究者を招き、最前線の研究に直接触れる機会も設けられています。

卒業生は、教職、官公庁、マスコミ、一般企業など多方面で活躍しています。さらに高度な研究をめざして大学院に進学する者も少なくありません。また、より大きな飛躍をめざして海外に留学するものも、学部生、大学院生共に近年増加しています。