哲学について|学部での活動|東北大学 大学院文学研究科/文学部 哲学・倫理学研究室

哲学について

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学部紹介 (哲学)

哲学専修は、様々な事柄や事態の根本を探究することを目指しています。 もちろん、考えるのは私たち自身ですから、自分にとって一番重要な問題を、自ら考えるということが大切になるでしょう。
学部ではそのための修練を積み重ね、その成果を卒業論文として完成することになります。 私たちにとって重要な問題の多くは、すでに哲学者たちも考えてきていたはずですから、それらを手がかりに、問題の本質に精緻に肉薄して行くというわけです。
哲学専修では古代ギリシアから現代までのヨーロッパの哲学思想を研究対象とし、そのテキストを原典で読んでいきますが、それは哲学者たちの思索の営みを精確に追思考することを通して、事柄の本質と広がりを、現代の私たち自身のものとするためにほかなりません。

授業形態

学部の専門科目は、講読、概論、各論、演習の4種類です。 概論と各論は、基本的に講義形式で行われます。
講読は2年次に始まる、最初に原典に取り組む授業です。 演習はさらに進み、内容に深く沈潜し、哲学者たちの思考および思想の核心に迫る読み方を学びます。
哲学者たちの思想を理解することはもちろんですが、一語一語を丹念に読み解くことを通して、私たち自身の思考力を鍛錬するのも、演習という授業の大きな目的です。
哲学専修で取り扱う主なテキストは、ギリシア語、ラテン語の2古典語と、英語・ドイツ語・フランス語の3近代語で書かれたものです。 このうち近代の2カ国語は必要になりますが、思想の歴史的伝統を考える時、古典語の一つにある程度の素養があった方がいいでしょう。
問題への関心と哲学者への関心とが、どの言語を選ぶかの一つの基準になるでしょう。 たとえば、イデア論とプラトンに興味のある人にとってギリシア語が必須になるように。
哲学専修では、哲学に興味はあるけれどもほとんど何も知らない二年生でも、卒業するときには立派な卒業論文が書けるよう、学年ごとの講義・演習・指導が整備されています(もちろん、哲学についてすでにいろいろ知っている人でも満足できる内容です)。ここでは、専修に所属してから卒業論文を書くまでの、学習の流れのモデルを紹介します。

一年次

全学教育で、哲学・思想関係の授業が開講されています。また、後期には人文社会序論の枠で、「哲学・倫理学」を開講しています。基本的には参加者で哲学・倫理学の問題について議論する演習です。興味のある方はぜひ受講してみてください。

二年次

この学年の軸になるのは、哲学思想基礎講読(哲学研究のレッスン、原典講読入門)と哲学思想概論(古代中世、近代、現代)です。
前者の「哲学研究のレッスン」は通年の演習です。哲学の古典や専門書のレジュメ(要約)の作り方に加えて、レポートの書き方、発表の仕方、質問するときのコツなどを、実践で学んでいきます。こうした基礎的なスキルは、3年次以降の演習に参加するときだけでなく、卒業論文を書くときにも必ず役立ちます。また、「原典講読入門」では通年の演習でドイツ語の哲学文献の読み方を学びます。
哲学思想概論は、古代中世、近代、現代(分析哲学を中心)、現代(現象学を中心)の4つの講義が開かれています。哲学全般についての知識を身に付けるだけでなく、どのようなことが哲学の問題で、これまでどう議論されてきたのかを理解し、哲学書を自力で読んでいけるようになる機会ですので、2年に分けてでもけっこうですから、ぜひ多くの講義を受講してください。

三年次

3年次以降には哲学思想演習・各論(および生命倫理学演習・各論)が開講されます。各論として集中講義も開講されます。これが哲学専修のメインの授業になります。演習はそれぞれのテーマについて原語で古典を読んで、哲学的な問題について議論していくものが主になります。「哲学研究のレッスン」の発展としていくつかのテーマに沿ったテキストを読み、全員が発表をして議論していくという演習もあります。各論では個別のテーマについてより立ち入った講義がなされます。少人数の講義が多くなりますが、演習・各論とりまぜ併せてさまざまな授業に参加し、興味のある主題・問題をみつけ、少しずつ掘り下げていってください。ときに教員とも相談することもお勧めです。
10月中頃には、第1回目の中間発表会があります。卒論のための1つのステップとして、卒論で取り組むテーマや問いたいことが何かについて考え、卒論までの研究の進め方について見当を付けるよい機会です。

四年次

卒業論文を仕上げることが最終目標です。
7月末か8月はじめに中間発表会があります。中間発表では、テーマ、問題設定、論述の概要、目次、参考文献などをA4で二~四枚程度にまとめたものを発表してもらい、みなで議論します。三年次の中間発表を発展させたものでもけっこうですし、あらためてテーマを設定し直してもけっこうです。演習の授業に出て、教員とも相談ながらテーマや参考文献を検討しておくことが大事です。
夏休みには、発表会での質問や教員のコメントを踏まえて、各自で文献を探し、読んで、テーマを深めていってください。こまめに教員に相談し、途中まででも書いたものを見せて助言をもらうのが望ましいでしょう。演習の授業、図書館、合同研究室、院生や教員を上手く利用しながら執筆を進めれば、年明けに立派な卒論が出来上がっていることでしょう。

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