研究室沿革(倫理学)|研究室案内|東北大学 大学院文学研究科/文学部 哲学・倫理学研究室

研究室沿革(倫理学)

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倫理学沿革

  • 1923年(大正12年)5月
  • 前年8月の法文学部設置を承けて、不完全1講座として開設された。初代の講座担任者は錦田義富教授で、錦田は近世哲学から現代哲学にわたって、堅実な歴史的知識を背景に精密な思索の上に立った論文を残している。
  • 1930年(昭和05年)8月
  • 高橋穰教授が就任した。心理学研究に飽きたらず倫理学研究に転じた高橋は、イギリス功利主義思想の批判的考察を通じて、現代に生きる人間の当為を捉えようと試みた。
  • 1948年(昭和23年)2月
  • 矢島羊吉教授が就任、高橋は同年3月に停年退官する。矢島は西洋倫理学の研究にとどまらず、原始仏教の研究によっても知られ、後に学士院会員に選ばれている。
  • 1954年(昭和29年)4月
  • 本研究室は不完全1講座から完全1講座となる。
  • 1956年(昭和31年)4月
  • 亀井裕助教授が着任。
  • 1970年(昭和45年)3月
  • 矢島教授停年退官とともに、亀井助教授が教授となった。亀井はサルトル研究に出発しながら、ハイデガー、シェーラーの研究を通して独自の哲学的人間学の境地を開いた。
  • 1972年(昭和47年)10月
  • 加藤尚武助教授(昭和57年(1982年)3月まで在任)が、へーゲル研究に専念し、とくに青年期・イエーナ期を中心とするその思想形成を発展史的に追究した。
  • 1985年(昭和60年)3月
  • 亀井教授が停年退官し、同年4月には上妻精教授が就任した。上妻はヘーゲルとハイデガーを主題焦点にすえ、かれらをめぐる近・現代のヨーロッパ思想の動向をも精力的に攻究し、とくに、『精神現象学』の生成と構造を意識の世界性という視座から包括的、統一的に把握し、独自のヘーゲル解釈の確立をめざした。また、国際ヘーゲル協会の日本代表やハイデガー翻訳全集の編集者も務めた。
  • 1987年(昭和62年)4月
  • 篠憲二助教授が着任し、平成6年(1994年)3月の上妻の定年退官とともに、同年4月に教授に昇任した。篠は、20世紀を通じてドイツ・フランスで展開した現象学の諸形態を歴史的、構造的な全体性において把握することを目指し、生一般の世界関係の諸水準(環境開放性、世界開放性、存在開放性)を記述的、体系的、遂行的に解明する生の開放論的現象学の構築へと向かった。
  • 1996年(平成8年)10月
  • 熊野純彦助教授(同12年9月まで在任)が、ドイツ観念論から現象学派にいたる思想家を広く論究しつつ、身体、言語、行為の間主体的な成立起源と人間の間主体的な共同性の存立構造を解明しようとした。
  • 2005年(平成17年)4月
  • 戸島貴代志助教授が着任し、ハイデガーやベルクソンを中心としたドイツ、フランスの現象学、生の哲学、実存哲学を土台に、現代技術や生命科学の視点をも取り入れ、生命概念と存在概念とを相補化させるための立場を超越論性と場所性との重層化として考究している。
  • 2008年(平成20年)4月
  • 戸島貴代志助教授、教授に昇任
  • 2010年(平成22年)9月
  • 村山達也准教授が着任。近現代フランス哲学・倫理学を主な研究対象として、そこでの問題や議論を明確化し、それらの今日的意義を明らかにすること、また人生の意味や死といった事柄に関わる問題について考察している。
  • 2018年(平成30年)現在
  • 本研究室は講座担任者2名体制をとっている。


なお、昭和28年(1953年)に新制大学院文学研究科が設置されて以来、本研究室は大学院では宗教学研究室とともに実践哲学専攻に属していたが、平成9年(1997年)の学部改組および大学院再編にともない、学部では哲学専修とともに哲学講座に属する倫理学専修に、大学院では文化科学専攻・哲学講座に属する倫理学専攻分野になった。

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