直江 清隆 教授|教員の紹介トップ｜東北大学 大学院文学研究科/文学部 哲学・倫理学研究室

東京大学大学院理学系研究科科学史・科学基礎論専門課程博士課程満期退学。理学修士、博士（文学）。九州看護福祉大学助教授、山形大学教育学部助教授などを経て、2005 年より現職。

　第１の方向として、フッサールの現象学とその周辺の哲学思想（とりわけ M・シェーラーやA・シュッツなど）の研究を行ってきました。知覚、自己意識、他者、行為、価値とい った問題圏を環境世界との関係から扱っています。思想史的には、関連する試論利しそう、心理学、生の哲学などとの交錯の中での現象学の意義と射程を剔抉する作業を行い、現代的な課題としては、行為と世界の構成、近年は集合志向性論などを手がけています。
　第２の方向は、技術の哲学であり、関連する応用倫理学の諸問題です。近年、この分野は大きく様変わりし、技術という事象に対して分析哲学や現象学の手法を用いて切り込んでいく研究が主流となってきています。そのうち、人間―人工物―人間、人間―人工物 ―世界を介した関係の構成、人工物と価値、責任に関する問題、技術の関するナラティブ的方法、技術の倫理や技術の評価などについてとくに研究しています。

• 『哲学トレーニング』１・２－岩波書店，2015年（編著）
• 『高校倫理からの哲学』１〜４巻、別巻－岩波書店、2012年（共編）
• 『理系学生のための科学技術倫理』－丸善出版、2015年（共編）
• アクセル・ホネット著『承認をめぐる闘争（増補版）』－法政大学出版局、2014年（共訳）
• アンドリュー・フィーンバーグ著『技術への問い－』岩波書店、2004年（単訳）
• ペーター・ヤニヒ 『制作的行為と認識の限界-行為としての自然科学』－国文社、2004年（共訳）

• 「教養教育と市民形成、山脇直司編『教養教育と統合知』－東京大学出版会、2018年
• 「技術観のゆらぎと技術をめぐる倫理」、中島秀人（編）『ポスト冷戦時代の科学／技術』（岩波講座現代２）－2017年
• Wissenschaftlich-technisches System und Verantwortung, Daiseion-ji e.V .et al. (Hg.) Bildung durch Integration von Technik und Gesellschaft(10. Symposium zur Grundung einer Deutsch-Japanischen Gesellschaft für integrative Wissenschaft), ,J.H. Roll Verlag－2016年
• 「自然という「他者」と技術的行為」、座小田豊編『自然観の変遷と人間の運命』－東北大学出版会、2015年
• 「思想史における技術」、『社会思想史年報』第37 号－藤原書店、2014年
• 「技術哲学と〈人間中心的〉デザイン」、佐々木正人、村田純一、河野哲也編『知の生態学的転回 2技術』－東京大学出版会、2013年
• 「遺伝と環境」、松田純、玉井真理子編『遺伝子と医療』(シリーズ生命倫理学第11巻)－丸善出版、2013年
• 「科学・技術論」小坂國継・本郷均編『概説 現代の哲学・思想』－ミネルヴァ書房、2012年
• 「高橋里美の包弁証法」『ヘーゲル哲学研究』第16 号－2010年
• 「Brain-Machine Interface から見る生命という価値」高橋隆雄・粂和彦編『生命という価値 その本質を問う』－九州大学出版会、2009年
• 「科学哲学によって〈つながる〉こと」(オカーシャ『科学哲学』廣瀬覚訳 解説論文)－岩波書店、2008年
• 「宇宙技術の価値」 伊藤邦武編『科学／技術の哲学』（岩波講座哲学 第10巻）－岩波書店、2008年
• Design Culture and acceptable Risk、P.Vermaas et.al.(ed.), Philosophy and Design, Springer－2008年
• 「科学・技術論」小坂國継・本郷均編『概説 現代の哲学・思想』－ミネルヴァ書房、2012年
• 「カッシーラー」、須藤訓任編『哲学の歴史』第9巻－中央公論新社、2007年
• 「Brain-Machine Interface から見る生命という価値」高橋隆雄・粂和彦編『生命という価値 その本質を問う』－九州大学出版会、2009年
• 「状況に〈しかるべく〉応じた行為」、東洋大学哲学科編『哲学をつくる』－知泉書館、 2005年
• 「技術の哲学と倫理」、新田孝彦、蔵田伸雄、石原孝二編『科学技術倫理を学ぶ人のために』－世界思想社、2005年
• 「現象学とゲシュタルト心理学｣（渡辺恒夫・村田純一・高橋澪子編『心理学の哲学』－北大路書房、2002年
• ｢行為の形としての技術｣『思想』926号－2001年
• 「ミュンヘン学派とフッサール」新田義弘編『フッサールを学ぶ人のために』－世界思想社、2000年
• ｢後期ルカーチの労働の存在論社会的存在の存在論』の問題圏｣『思想』830号－1993年
• ｢意欲と行為—シェーラーの価値哲学と行為論｣『倫理学年報』第 43 集（101-117 頁）－1994年

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