学部生メッセージ(倫理学)|研究室案内|東北大学 大学院文学研究科/文学部 哲学・倫理学研究室

学生メッセージ(倫理学)

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  • 倫理学の底知れない魅力
  • 倫理学(B3) 中川 雄介
  • 倫理学は、「正しいこと」や「善いこと」を巡って生じる問題について、誰もが受け入れられるような方法で説明し、応答することを目指す学問です。このような説明をすると、倫理学がどこか浮世離れしているように感じてしまうかもしれませんが、演習では、自らが持つ何らかの問題意識を切り口にし、そこから善い/悪いなどの倫理の問題を検討し、探求することもあります。もちろん、自分の問題意識や主張を理路整然と説明することは難しいことですが、議論や質問によって主張やそれを支える根拠を洗練していく過程にこそ、倫理学の底知れない魅力が潜んでいるように思えてなりません。

  • すべての時代のすべての人たちを受け入れる
  • 倫理学(B4) 國井 弥卯
  • 「私の音楽は、ヘッドホンで部屋で一人で聴いているみたいなイメージしかできないんです」。
    これは、あるインタビューにおいて、実際に起こっている社会の問題に対して作品を作ることはあるか、と尋ねられたときの宇多田ヒカルの返答だ。宇多田は、以下のように述べた。わたしは常に「転校生」で、グループというものに属したことがない、だから私と社会、私と大きなグループというものが想像できない。わたしと誰かの関係しか想像することができない、と。
    彼女は、「みんなに届く音楽を作ろう」とは思っていないのだ。その代わりに、いつもどこかの誰かひとりのことを考えている。この「あなた」は、すべての時代のすべての人たちを受け入れるものだ。倫理学が行っているのも、これと似た営みである。あなたの前にあるその書物は、何十年、何百年前に死んだ思想家の冷たく乾いた言葉ではない。今まさに、他でもないあなたに、開かれるのを待っていた言葉なのだ。

  • 人間の不合理性
  • 倫理学(M1) 高山 馨
  • 東北大学の哲学倫理学合同研究室(通称:合研)では、何を学べるのか、何ができるのか、そしてどのようなことを考えることができるのか。それはみなさんが学びたい、やってみたい、考えてみたいと思っていること(おそらく)すべてでしょう。私は今、「意志の弱さ」という人間の不合理性についての問題に一番の関心をもっています。われわれ人間には、自らの下した最善の判断に背いた行為をしてしまうような、理性的とは言い難いような振る舞いをすることがあります。今やればよいものを、そう思いながらも先延ばしにしたり、悪い悪いと思いつつ、ついついやってしまう。このような経験は誰しもが実感するものではないでしょうか。このような人間の不合理性という問題に私が強く興味を惹かれてしまうのは、ひとえに私がとてもとても意志の弱い人間であるという、情けなくも否定しがたい事実からかもしれません。
    はたして私が意志の弱さについての研究を強い意志をもって遂行できるのか、見ものです。

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