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社会学研究室の歴史

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東北大社会学の学風

東北大学社会学研究室は、大正14年7月に社会学講座として開設され、以後、故新明正道教授の学問体系(総合社会学)と人格とに支えられ発展し、わが国随一の社会学理論研究の伝統を培ってきたことで知られています。また他方で、戦後地域社会の変動過程を捉えた実証研究も着実に積み重ねており、つねに具体と抽象の往還のなかで、自由な学風の下、世代を超えた交信によって跳躍を続けてきました。

こうした知的潮流は、もちろん今日の社会学教育の水脈をなすものともなっています。社会学基礎演習、社会学演習などでは外国語文献の精読が要求されるとともに、学部3年次には調査実習の履修が必修となっていることがそのあらわれです。フィールドでの実践的経験と理論的思考力の養成とが等しく重視されていることが、本研究室のカリキュラム上の大きな特色をなしています。

近年は、21世紀 COE 研究プログラム「社会階層と不平等研究教育拠点」、さらにはグローバルCOEプログラム「社会階層と不平等教育研究拠点の世界的展開」の一翼を担うなど、現代社会の諸問題に対しても日々闊達な議論が繰り広げられるなかで、東北大学の伝統的理念である「研究第一主義」、「門戸開放主義」、「実学尊重」に根ざしつつ、グローバルな人的・知的・社会的ネットワークの交接をなす場として人文社会科学の最先端の地平を拓き続けています。

東北大学 社会学研究室の歴史と活動

研究室の沿革

社会学講座は大正14年7月に開設され、鈴木宗忠宗教学講座教授の兼担による講義が9月から始められました。そして、昭和元年4月、関西学院大学教授であった新明正道が社会学講座助教授として着任します。新明はわが国の代表的理論社会学者、学説史家として活躍し、36年に定年退官しました。主著として『新明正道著作集』全10巻があります。

昭和29年5月には東北大学第一教養部助教授の家坂和之が社会学講座助教授として着任しました。家坂教授は理論社会学、コミュニティ、人種問題などの研究に力を注ぎ、37年に教授となり、57年に定年退官しています。主著として『日本人の人種観』などを著しました、35年には農学部生活科学科が文学部社会学第2講座となり、田代不二男助教授が着任しました。田代教授は社会福祉学の理論的、歴史的研究を行ない、39年に教授となり、49年に停年退官しています。主著に『イギリス救貧制度の発達』などがあります。

昭和42年4月に東北学院大学教授斎藤吉雄が第2講座助教授として着任し、49年に教授となり、平成元年に定年退官しています。斎藤教授は役割理論とコミュニティ研究を行ない、『コミュニティ再編成の研究』などの業績を残されました。また、昭和40年には文学部助手佐藤勉が昇任して第1講座専任講師となり、43年に助教授、57年に教授となり、平成8年3月に定年退官しています。昭和55年には、大阪市立大学助教授船津衛が第2講座助教授として着任し、平成元年に教授となりました。

昭和56年には、社会学講座が哲学科から独立して、心理学、行動科学とともに社会学科を構成し、また社会学第1、第2講座の名称も理論社会学、応用社会学講座となりました。そして、平成4年4月に教養部助教授の長谷川公一が理論社会学講座助教授に着任し、9年4月に教授となっています。また5年4月には教養部教授の吉原直樹が文学部に配置換えになり、これに伴い、2講座に分かれていた社会学講座が1つの大講座となりました。6年4月に長野大学講師永井彰が本講座助教授に着任し、7年4月には、東京大学大学院人文社会系研究科教授に転出した船津衛教授の後任として、関西学院大学助教授正村俊之が本講座教授に着任しました。

平成10年4月には、広島大学法学部教授の高城和義が本講座教授に着任し、18年3月に定年退官しています。高城教授は社会学史、政治社会学、医療社会学の研究に力を注がれました。主著に『アメリカ知識社会とパーソンズ』などがあります。

平成19年4月には、高城教授の後任として、下夷美幸法政大学助教授が本講座准教授として着任しました。

平成22年3月に吉原教授が定年退官されました。吉原教授は平成5年の着任以来、都市社会学、地域社会学、アジア社会論の研究に力を注がれました。主著に『都市空間の社会理論―ニュー・アーバン・ソシオロジーの射程』などがあります。

平成25年3月に正村教授が退官されました。正村教授は平成5年の着任以来、理論社会学、社会情報学、コミュニケーション論、メディア論の研究に力を注がれました。主著に『グローバル社会と情報的世界観―現代社会の構造変容』などがあります。

現在の研究活動

現在のスタッフの主な研究テーマは、長谷川教授は社会変動、社会紛争と社会運動、環境問題の研究を担っています。永井准教授はハーバーマスを中心とするコミュニケーション理論、社会的行為論および農村地域社会の変動過程の研究を行なっています。下夷准教授は家族社会学および福祉研究を行なっています。

また、社会学研究室を中心に昭和22年2月に東北社会学研究会が設立されました。年1回の研究会大会と年4回の研究例会を行なっており、現在の会員数は200名を超えています。機関誌『社会学研究』を昭和25年5月に発刊し、既に第80号を数え、わが国有数の社会学専門誌として内外から高い評価を受けています。さらに昭和28年に設立された東北社会学会は、平成9年7月まで本研究室に事務局をおき、年次大会も既に第50回を迎え、機関誌『社会学年報』も35号が発行されています。日本社会学会の全国大会を昭和9年(第9回)、28年(第26回)、40年(第38回)、63年(第61回)、平成20年(第82回)の5回開催しています。

なお、吉原・長谷川教授は21世紀 COE 研究プログラム社会階層と不平等研究教育拠点の事業推進担当者を務めておりました。同事業はグローバルCOEに引き継がれ、本研究室は同プログラムの一翼をなしています。

教育方針と学生の研究活動

学生の卒業論文のテーマは理論的、経験的の両方の分野にまたがり、また内容も理論、家族、農村、都市、マスコミ、情報、スポーツ、環境問題、福祉、社会問題など多様です。卒論指導にあたっては、研究テーマの内発性と問題関心の同時代性を重視しています。手堅い理論研究や現場に何度も足を運んで書き上げたモノグラフなどにしばしば力作があらわれています。

社会学基礎演習、社会学演習などで外国語文献の精読を奨励していること、調査実習が必修であり、フィールドでの調査経験と理論的思考力の養成とを重視していることが、本研究室のカリキュラム上の大きな特色です。

学部学生の進学・就職状況としては、放送・新聞・広告、商事・銀行・保険、情報・通信・運輸、メーカー、公務員、教員、大学院進学などと幅広く、また全国各地に広がっています。職業分野を研究・教育職、マスコミ・広告関係、一般企業の三つに分ければ、当初は研究・教育職が多かったものの、卒業年次でいえば1953年頃からマスコミ・広告関係が増えました。高度経済成長の末期、万博が開かれた1970年頃からは一般の民間企業への就職者が増えています。文学部の諸学問のなかでも、同時代的性格が強い社会学を専修した卒業生の就職動向は、このように時代状況の変化を映し出す鏡ともいえます。

国際交流

外国からの留学生の受け入れとともに、海外での社会調査・日本との比較研究、国際学会での報告、外国の研究者との交流などを積極的に行なっています。


最終更新時間:2014年08月28日 14時29分14秒

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