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教員推薦書籍

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教員推薦書籍―社会学ことはじめ―

永井彰 教授

前者は、マックス・ヴェーバーが学生たちに語った講演をもとにしている。直接的には、学問に携わる者の心構えを語っていて、それはそれで興味深いのだが、かれは、そのことをとおして「近代」という時代の意味について語っている。
これを読み終えたら、後者にも挑戦してほしい(こちらは、学術論文なので前者よりは難解)。社会科学的認識ははたして客観性を持ちうるのか、持ちうるとしたらいかなる意味においてかという問題をヴェーバーは論じている。こんにちの科学方法論の水準からすると、やや古いということは否めないが、それでも一読する意味は大いにある(これから社会科学を勉強しようとする人は、方法論の問題を一度はくぐっておく必要があるから)。またこの論文にも、近代という時代についての洞察がちりばめられている。これについても味わって読んでほしい。

小松丈晃 教授

社会学の内容に関わる本ではなく、これからの大学で(知的)生活を送る上で必要な「考え方」や「学び方」を養うのに参考になる本を挙げておきます。

社会思想史家の著者が、「社会を見る目」を養うための読書法を説いた本。ここで言われている、「古典として読む」ことと「情報として読む」こととの違いを念頭においておくと、社会学の(とくに古典と呼ばれる)本との向きあい方もかなり違ってきます。

「脱常識の社会学」とよく言われますが、創造的で常識にとらわれない考え方をするにはどうすればいいのでしょうか――教育社会学者の著者が、「複眼的思考」の方法をわかりやすく説いています。

論文執筆法については名著と称されるものが多く、そのいずれを読んでもいいと思いますが、哲学者が書いたこの本はとてもわかりやすいものの一つで、(ダメ)事例をも交えながら解説してくれるので、読み終えたときには「論文」とはどういうものかが理解できているはずです。後者は、環境社会学者が書いた市民向けの調べ方読本。情報収集の方法やインタビュー術などがわかりやすく紹介されています。

田代志門 准教授

社会科学方法論、現代社会論、私の専門分野である医療の領域でそれぞれ一冊挙げておきます。

日本語では珍しいタイプの社会科学方法論の教科書です。方法論の教科書はハウツー的なものか、理論的な内容のいずれかに偏りがちですが、この本では方法論を「認識論」「リサーチ・デザイン」「手法」の各要素の組み合わせ、と捉えた明快な整理がされており、全体像が掴めます。

現代社会論としては情報社会論が外せないのですが、いま大きな議論になっているのがビッグデータ・AI時代におけるプライバシーの問題です。これ以外に読みやすく、手に取りやすいものとしては、宮下紘『ビッグデータの支配とプライバシー危機』(集英社新書)と山本龍彦『おそろしいビッグデータ――超類型化AI社会のリスク』(朝日新書)もお薦めです。いずれも憲法学者。

過去30年間で日本の社会科学者が書いた医療に関係する研究書のなかで最良の一冊。本当に優れた学術的な研究書は読者に知的興奮を与えるだけではなく、現実の実践や政策にも多大なインパクトを与えうるものですが、この本はその実例です。もう少し読みやすいものが良い場合は、三井さよ『はじめてのケア論』(有斐閣)から入ると良いでしょう。


最終更新時間:2020年07月17日 14時15分43秒

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